【ミステリ】セブン

メフィスト賞→乾くるみ
05 /08 2016
セブン
乾くるみ
ハルキ文庫
セブン (ハルキ文庫)
セブン (ハルキ文庫)
posted with amazlet at 16.04.08
乾 くるみ
角川春樹事務所
売り上げランキング: 349,097

……今から君たちには、ちょっとしたゲームをやっていただく。その結果によって一人一人の運命を決めさせてもらう。ある者は助かり、またある者は処刑される。うまくやれば七人全員が助かるかもしれない

セブン』収録『ユニーク・ゲーム』本文より

7つの短編の短編集『セブン』。
ゲームものや超短編、タイムスリップものまで。
ジャンルもいろいろ。二度読み必須。
ひとつひとつが仕掛けだらけで濃い短編揃いだった。
特に最後の捕虜になった兵士たちが挑むゲームのどうやれば全員生き残れるのかの必死の推理とそのロジックに満ちた仕掛けといい、オチといい、いいもの読めた。

【ミステリ】北乃杜高校探偵部

メフィスト賞→乾くるみ
08 /30 2014
北乃杜高校探偵部
乾くるみ
講談社ノベルス
北乃杜高校探偵部 (講談社ノベルス)北乃杜高校探偵部 (講談社ノベルス)
(2013/12/05)
乾 くるみ

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「あれってさあ、過去にいっぺん、歌詞が改変されたことがあったんやて、清水、知っとった?」

北乃杜高校探偵部』本文より


乾くるみの探偵部の短編集『北乃杜高校探偵部』。
だいたいメフィストに収録されたもの。

第1作の「せうえうか」がもう衝撃的過ぎて。
学校で歌われている歌詞が何十年も前に変わった。
なぜ変わったのか。

その歌詞に込められた暗号という暗号。
その強烈さといったら。

もちろん乾くるみが「匣の中」などで暗号に明るいことは知っていたけれども、
暗号のための暗号。
暗号ありきでストーリーがさらに構築されていくという。
そしてやたら納得いく内容とまで仕上げてきた。
もうこれ、すごい。
暗号って面白いじゃないか。

こんだけ凝りに凝っていて。
それでいて解けないわけじゃなく、解けた瞬間に次々に浮かび上がってくる意味がとても気持ちいい。

乾くるみの実に楽しい高校生たちの若々しい登場人物にもにやにや。
収録話:
・「≪せうえうか≫の秘密」
・「記録された殺人の記録」
・「牛に願いを」
・「贈る言葉」

【ミステリ】カラット探偵事務所の事件簿 2

メフィスト賞→乾くるみ
09 /08 2012
カラット探偵事務所の事件簿 2
The Mystery File of Carat Detective Office

乾くるみ
装画:上条衿
PHP文庫
カラット探偵事務所の事件簿 2 (PHP文芸文庫)カラット探偵事務所の事件簿 2 (PHP文芸文庫)
(2012/07/17)
乾 くるみ

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深夜の探偵、夜の街を闊歩する。
その瞬間、夜は俺たちのものだった。

カラット探偵事務所の事件簿2』収録『つきまとう男』本文より

冗談の多い日常系ミステリ『カラット探偵事務所の事件簿』2冊目。
まさか2冊目ちゃんと出るとは。
しかも前作であんなさりげなくも、びっくりな、そして古典的なのになぜ騙されたのか自分を叱咤したくなるようなラストを迎えつつ、じゃあ2冊目どうするんだよと思ってたらまた驚かされた。

もう1回再読しろというのか。
前作の最終話から、今回の2冊目に収録された話まで。
人間関係と言葉の関係を少しずつすべてを知った上で読み直すとやはりニヤニヤできるんだろうなぁ。

ひとつひとつの短編も日常ミステリでありつつ、なおかつ現実に即した時事ネタ当時のネタ、彼らの生きてきた世代のネタ。
やたらと日常に輪をかけて日常なのもまた面白いものだと思う。

少しずつ進んで行く月日も実感できるのもいいんだよな。
…と、やっぱり最終話でのネタは月日が進むからこそのネタじゃないか、もう。
さて、この調子だともしかしたら3巻を読むことができるかもしれないな。


収録話:
・「小麦色の誘惑」
・「昇降機の密室」
・「車は急に……」
・「幻の深海生物」
・「山師の風景画」
・「一子相伝の味」
・「つきまとう男」

【SF】スリープ

メフィスト賞→乾くるみ
07 /15 2012
スリープ Sleep
乾くるみ
ハルキ文庫
スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)
(2012/05/15)
乾 くるみ

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わたしは、江幡亜里沙。鋭二さんの姪。――アリサは改めて自分にそう言い聞かせた。それがこの世界で彼女が生きてゆくための掟なのだから。

スリープ』本文より

乾くるみのSF作品『スリープ』。

天才中学生ので科学TVのリポーターを務めるアリサが、冷凍睡眠技術を持つ企業を取材した際に様々な要因から彼女が冷凍され、目覚めた時には30年後の世界にいた。

タイムリープもの、しかも30年後ときたもんだ。
かの名作『夏への扉』を下敷きにしながら、乾くるみのSF世界が展開されていた。

30年後の技術の様々なものを見ることができ、たったひとりだけ30年前の世界からやってきた少女の孤独感。
そしてなんとか順応しようとする健気な姿を見ることになり、30年前の彼女を知っている人物たちとのやりとり。

往年のSFものを読んでいるかのようだ。
そしてもちろんSFものには欠かせない現代社会への警鐘という点からも、乾くるみはそうとうSFを読み込んでるな…

そういうSFの名作の点を押さえながらも、現代的に、そしてなによりも乾くるみらしさを出してきよった!
もうね、拍手したい。スタンディングオベーションしたい。

古典的SFなのに、そんなのは物語の半ばで終わってしまう。
そこからの二転三転させていく物語と、着地点へのつなぎ方。
いくつもの伏線回収はミステリ作家ならではなのかもしれないけれど、もうそれが見事すぎる。

30年と言う時間軸。
ひとつはアリサのたどった30年後に一気にたどり着く世界。
そして30年という間に何が起こっていたのか。
それと…

物語がすべて重なり合う瞬間にクライマックスを迎えて最後の着地点へと突入していく様がとんでもない。
狂喜乱舞した。
これは面白い!

SF好きとして言ってみる。
めっちゃ面白い。

【ミステリ】セカンド・ラブ

メフィスト賞→乾くるみ
07 /07 2012
セカンド・ラブ THE HIGH PRIESTESS
乾くるみ
文春文庫
セカンド・ラブ (文春文庫)セカンド・ラブ (文春文庫)
(2012/05/10)
乾 くるみ

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春香――そう、君はそもそも、誰なんだい? 本当に「内田春香」なのか?
美奈子――そう呼び掛けてみても、君は反応しないだろう。今は濃い化粧のせいで「美奈子」にそっくりな顔になっていることを、君はわかっているのか?
君はその最大の嘘を、これからもずっと隠し続ける覚悟が本当にできているか?

セカンド・ラブ』本文より

この序章から引用した言葉が、まさかあんだけ強烈な印象を残してくれるとは

乾くるみによる「タロウシリーズ」または「タロットシリーズ」と呼ばれるシリーズのひとつであり、「イニシエーション・ラブ」ともっとも近い作品。
セカンド・ラブ」。
この小説に配されたタロットカードは「(2)女教皇 The High Priestess」。

さぁ、来たぞ。
乾くるみの出世作『イニシエーション・ラブ』にもっとも近いと思われるようなタイトルであり、これもまたタロウシリーズのひとつというものが。
さらには主人公は童貞。これもまたイニシエーションと同じである。

さてさてどんなもんか…
読んだ。
読み終わった。
意味が分からない。
最終章を3度読む。
しっくり来ない。
序章に戻ってみた。
ぶったまげた。

時系列を押さえながら読んでみた。
放心した。
こういう意味なのかよ。

死ぬほど救われんわ。


イニシと同じ様にラスト2行ですべてが変わるというよりはラスト1章ですべてが変わる。
いや、ラスト2章か。
すべて伏線を拾い切れているとラストだけでも十分なんだろうけど。
これは、これはやっぱりもう一度最後まで読んで、登場人物を頭に叩きいれて読んでみると印象がかなり変わる。

イニシエーションの衝撃をもう一度という人にはお薦め。
同じ様な物語ならいいやという人は読まなくてもいいかもしれない(笑

【ミステリ】六つの手掛り

メフィスト賞→乾くるみ
05 /20 2012
六つの手掛り
Six clues

乾くるみ
双葉文庫
六つの手掛り (双葉文庫)六つの手掛り (双葉文庫)
(2012/03/15)
乾 くるみ

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る。

六つの手掛り』収録『一巻の終わり』本文より

この一文字に驚愕したことがこれまであっただろうか。
くっそ。

乾くるみの短編ミステリ集『六つの手掛り』。
探偵役は林サブさん。
手品師。
どうやら兄が真紅郎さんらしい。
この家族の探偵シリーズとかがいつかできるんかもなぁ。

一篇一篇が濃すぎて読むのが疲れた。
しかし面白いなぁ。
ロジックもいいけれども、直球ミステリ勝負みたいな6篇の物語だった。
いや、もうそうとしかいえんな。
謎解きのための謎解きというか。
トリックも様々な方面から出題してくるし、フェアに勝負しようという伏線も、ラストの余韻もしっかりあるしな…

1冊で随分お得な気持ちになれたミステリです。

収録話:
・「六つの玉」
・「五つのプレゼント」
・「四枚のカード」
・「三通の手紙」
・「二枚舌の掛軸」
・「一巻の終わり」

【ミステリ】嫉妬事件

メフィスト賞→乾くるみ
11 /29 2011
嫉妬事件 THE EMPRESS
乾くるみ
文春文庫
嫉妬事件 (文春文庫)嫉妬事件 (文春文庫)
(2011/11/10)
乾 くるみ

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「俺の目が確かなら――あそこの本の上に載っているのはまさしく――ウンコだ」

嫉妬事件』本文より

少し前に誕生日だったので乾くるみから新しい年齢をはじめるのも悪くないと思い、これを一瞬読もうと思ってやめて正解だった(笑
だってウンコだもん。
京大ミステリ研究会で起きた通称「ウンコ事件」。
竹本健治の『ウロボロスの基礎論』などで全国のミステリ好きが知るようになったあの事件を描く。

天童太郎が登場するタロットのシリーズのひとつ。
この本につけられているカードは『THE EMPRESS(女帝)』。
数字は「3」。「2」の『セカンドラブ』の直後で「6」の『イニシエーションラブ』よりも前の話。
正位置では「豊穣」や「繁栄」、逆位置では「嫉妬」「情緒不安定」などを表すカード。

読んだ後ではなるほどな。
読んでる最中に明かされる意味もニヤニヤした。
このカードとのからめ方がうますぎる。

延々と1冊使って推理合戦が行われるのも京大的だし、なによりも本格ミステリらしい内容。

推理合戦もよかった。
げんなりするラストもよかった。

しかしホント最初から最後までウンコの話だった。
ああっもうげんなりに至るラスト数ページで非常に不意を突かれた上で、真相に対してイヤなものを見た気分になるラストはとても素晴らしいのにウンコだらけの話なので人に薦めにくくてどうしようと思う1冊でした。

【ミステリ】蒼林堂古書店へようこそ

メフィスト賞→乾くるみ
06 /18 2010
蒼林堂古書店へようこそ
乾くるみ
本とも連載
徳間文庫
蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)
(2010/05/07)
乾 くるみ

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最初の被害者が残したノートは、だからそんなふうに連作短編として発表された一話一話を、最後に長編としてまとめ上げるのに、非常に重要な役割を果たしていますよね」

蒼林堂古書店へようこそ』本文より

乾くるみの連作短編集でありながら長編でもあり、ミステリ案内でもある『蒼林堂古書店へようこそ』。

ミステリとしての面白さっていうものにあらためて気づかされた。

そりゃ一話一話の日常の謎、それに絡めたミステリ案内。
通な読み方であったり、いろんなミステリ談義もからめながら進んでいく12ヶ月の話。
それが非常に心地いいのだ。

常連さんたちのミステリを読む感想や談義。
それに日常の謎のなんと素敵なことか。
それでいて最後にはちゃんと短編が積み重なっていつのまにか長編になっているという驚き。


またちょうど舞台となっていた時がミステリを読み始めた時期だったので新刊の話とか、つい最近でた本の話とかしていた時に、そうそうと頷きながら読んでた(笑


読みたい本の幅っていうのはさらに広がったし、いろんなところで共感したりと楽しい本でした。

【ミステリ】カラット探偵事務所の事件簿 1

メフィスト賞→乾くるみ
10 /13 2009
カラット探偵事務所の事件簿 1
乾くるみ
カバーイラスト:マナカッコワライ
PHP NOVELS
カラット探偵事務所の事件簿 1 (PHP NOVELS)カラット探偵事務所の事件簿 1 (PHP NOVELS)
(2009/09/01)
乾 くるみ

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「《あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決したします》。うん。いいですね。それにしましょう。……じゃあどうせなら、事務所の名前も《カラット探偵事務所》にしましょうか」

カラット探偵事務所の事件簿 1』本文より

乾くるみの『カラット探偵事務所の事件簿』が新書落ちしてる!?
よし買っちゃおう。
…ん?PHP NOVELS!?
そんなんできたんだ…

カラット探偵事務所に舞い込む数々の事件。
旧家に残された暗号文の謎や、家に打ち込まれた3本の矢の謎。
急に電車でGO!に興味を持った夫の浮気調査などなど。

日常の謎オンパレード。
ただし本格ミステリ仕様(笑

乾くるみらしさの「あっと驚かせる」ミステリじゃなく、読者も一緒になって考えたくなるような感じの謎が満載でした。
途中で名探偵からの挑戦状とかがあってもいいんじゃないってなくらいに。


乾くるみの本なのに「1」とついているあたりが非常に不安になるのはなぜだろう(笑
本当に「2」とか出るんだろうか。


収録話:
・File1 「卵消失事件」
・File2 「三本の矢」
・File3 「兎の暗号」
・File4 「別荘写真事件」
・File5 「怪文書事件」
・File6 「三つの時計」

【ミステリ】林真紅郎と五つの謎

メフィスト賞→乾くるみ
11 /07 2008
林真紅郎と五つの謎
Hayashi Shinkurou et les cinq mysteres

乾くるみ
カッパノベルス
林真紅郎と五つの謎 (カッパ・ノベルス)林真紅郎と五つの謎 (カッパ・ノベルス)
(2003/08/21)
乾 くるみ

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手が滑ったのではない、と真紅郎は言葉には出さず、心の裡で考える。彼女はあのとき何かを目的したのだ。そして驚きのあまり、トレイから手を離してしまったのだ。

林真紅郎と五つの謎』本文より

ちょっと再読。

乾くるみの著作の中でももっとも目立たない作品(笑
だって日常の謎だし、ものすごい衝撃のラストがあるわけでもない。
むしろほわわんとできる短編ぞろいの連作短編集だと思う。

確かに衝撃はないかもしれない。
けれどもありふれた日常の中にある謎がなんとも素敵である。

コンサートの会場のトイレで姪っ子がなぜ極端に出てくるのが遅かったのか、
駅のホームでなぜ持っていたカメラがなくなったのか、
レストランでウェイトレスはなにに驚いてトレイを落としたのか、
小学生の頃作った暗号文を解いてみよう、とか。

それらの謎をひとつひとつ解いて終わり、というんじゃなくていくつもの謎を一気に混ぜ合わせて出来上がった不思議な日常の謎を解いていくところが面白いと思う。

また主人公の人柄もスゴクいい。
林真紅郎も名探偵というよりは、つい物事の真実について考えてしまう「いいひと」だし。
だから真摯に謎に向き合ったりするわけか(笑


さらっと読むにはいいミステリです。

【ミステリ】塔の断章

メフィスト賞→乾くるみ
07 /20 2008
塔の断章
THE TOWER

乾くるみ
講談社文庫
塔の断章 (講談社文庫)塔の断章 (講談社文庫)
(2003/02)
乾 くるみ

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「俺はどうしてもそのことを考えてしまう。考えずにはいられない。どうして彼女は飛び降りたのか。……おまえはどう思う?」

塔の断章』本文より


乾くるみのタロウシリーズのひとつ『塔の断章 THE TOWER』。
『イニシエーション・ラブ THE LOVE』や『リピート THE WHEEL OF FORTUNE』と同じシリーズの本。
文庫版は作者による解説つき。


作家辰巳まるみの原作をゲーム化するために湖畔の別荘にあつまるゲーム関係者。
しかしその夜ひとりの女性が別荘の塔から飛び降りる。


再読。
あらためて読むと伏線が恐ろしく仕組まれた本だよな。

犯人も十分に予想できるんだけれども、どんどん読者がその予想に振り回されるというか…
この本の特殊な構造と、小説ゆえに仕掛けられるトリックを存分に堪能できるかと(笑


明らかに事件に関係ない記述もなぜ存在するかという疑問を持ったり、なんか時系列がときどき前後するよなぁと思ったらそういうことか、と orz
『イニシエーション・ラブ』のように短めながらしっかりとラストで驚ける内容っていうのはこの初期から確立されてたのかもなー。


あとは次がいつ出るか、なのですが(笑
もう随分と長編の新作が出ていないような。

タロウシリーズもタロットの数と同じだけ出るとすると、まだあと19冊でるはずだし(笑
たまに再読しながらゆっくり待ちます。

【ミステリ】クラリネット症候群

メフィスト賞→乾くるみ
05 /30 2008
クラリネット症候群
clarinet syndrome

乾くるみ
徳間文庫
クラリネット症候群 (徳間文庫)クラリネット症候群 (徳間文庫)
(2008/04/04)
乾 くるみ

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ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない

まったくあの歌のとおりではないか。僕の場合、正確には、音が出ないのではなくて、言葉が聞き取れないのだが。

クラリネット症候群』本文より


乾くるみの『クラリネット症候群』。
マリオネット症候群』も収録。

マリオネット症候群』は気がついたら自分の体が誰かにのっとられた女の子の話。
SF風味だけど、やっぱり乾くるみの本という感じの作品。
これは2001年に徳間デュアル文庫で出ていたもの。
(いわゆるライトノベルというレーベルかもしくはSFレーベル)。
感想は3年ほど前に書いたので割愛。
SF好きにはたまらんです(笑


今回文庫で初登場の『クラリネット症候群』。
マリオネット症候群』とはさっぱり関係のないタイトルだけ韻を踏んだ作品。
リピート以来の新作なんだよな…

さてこれまた変わった作品。
クラリネットが壊れちゃったときを境にドレミファソラシという音が聞こえなくなった男の子が主人公。

突然居なくなった養父の暗号を解いていくうちにとんでもない真相が明らかになるというもの。

乾くるみで暗号ものといえば『匣の中』や『林真紅朗』が思い浮かぶんだけれども、これまた実によくできた暗号。
簡単に解けるわけでもないけれども、解けてしまえるものであるものなのがミソ。
もうホント相も変わらず凝った暗号を作るよなぁ。

そういった暗号解きがメインの中篇なんだけれども、それよりも他のどうでもいい真実の方に驚いた。
驚いたというより意外な展開にちょっと呆然としたくなった。


主人公目線で語られる話だけになんかがっくりきて「それはないわ orz」という気分になった。
そりゃ理解は出来るけどっっ。


毎度の事ながら乾くるみの本の読後感はある意味格別でした(笑
乾くるみの中でもSF要素を入れた2編が入っているのも魅力です。

【ミステリ】イニシエーション・ラブ

メフィスト賞→乾くるみ
02 /14 2006
イニシエーション・ラブ
乾くるみ
原書房ミステリーリーグ
イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)
(2004/03)
乾 くるみ

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タロウシリーズ2作目。
時系列にすると4作目だけど、まぁそれは別に気にしなくてもいいシリーズだし。
今回は天童太郎もほとんどでてないし。


大学四年生のたっくんは合コンの席で出会った繭子とつきあうようになる。
しかし就職した会社から言い渡された東京勤務。
繭子と過ごせるのは週末だけ。
この恋は冷めていってしまうのか。


最後の2行だけで今まで読んだこの本の構造がすべてひっくり返ってしまうというトリック付。
いや、これこそが醍醐味。

/////////////////////////////////////////////
感想とか

ラスト2行を読んだ感想
(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)
こんなんアリかよっ

ネタバレなしには語れません
以下反転
二股だったのかよ
同じ苗字の鈴木君、ただし下の名前は違うが同じように「たっくん」と呼ばれている。
A面とB面では恋人になる過程と恋人になったその後が書かれているから同一人物である必要性はない。
同じような恋愛の過程さえ辿っていれば問題はない。
呼び名を同じにしておけば、間違って呼んでしまってもなんら問題はないわけだし。
同じプレゼントにしても渡された時期が違ったりだとか、指輪の気に仕方だったり、男女7人夏物語がA面B面ともにいままさにブレイク中でありどちらも時期的に同じ時期であったりだとか
やられたなぁ

乾くるみに完敗、もとい乾杯な本でした。

【ミステリ】マリオネット症候群

メフィスト賞→乾くるみ
06 /04 2005
マリオネット症候群
乾くるみ
徳間デュアル文庫
マリオネット症候群 (徳間デュアル文庫)マリオネット症候群 (徳間デュアル文庫)
(2001/10)
乾 くるみ

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1日1冊書評を書いてみよう。
無茶だなぁ、と思いつつもいつまで続くかやってみるのもまた一興。


ある晩、目覚めると自分の体が勝手に動いている。
どうやら、誰か別の人に体をのっとられてしまったらしい。
そして、体をのっとった人はバレンタインにチョコをあげた憧れの先輩だった。

結末まで読んで呆然としましょう。
この結末は誰にも予想できない。
伏線もちゃんと張られてるんだけど、まず気付けない。
そういやこんなこと書かれてたよなぁ…ってこう来るかっ、という感じ。
よく分からない文章でごめんなさい。
けど少しでも何か言った途端にネタを割ることになってしまうので
説明も出来ないし……。
とにかくオススメ

【ミステリ】リピート

メフィスト賞→乾くるみ
06 /04 2005
リピート
乾くるみ
文藝春秋
リピートリピート
(2004/10/23)
乾 くるみ

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明日6月4日に同志社大学にてミステリ作家の乾くるみの講演会があるということで、予習もかねて「リピート」を読んでました。


もし記憶を持ったまま10ヶ月前の自分に戻れるとしたら。
同じような世界だけれども、自分のとった行動によって
確定されていたはずの世界が少しずつ変化していく。
変わっていく世界の中で、もう一度10ヶ月前の世界へと戻るのか
今の世界に残って前回と違った人生を送るか。
その選択を決定しなければいけない運命の日は刻一刻と近づいていた。
そんな中、自分と一緒に過去へと戻ったメンバーが次々に不可解な死を遂げていく…。

読んでる途中で、「天童」という登場人物に引っかかりを覚えたので
読了後に調べてみると乾くるみの3作目「塔の断章」の登場人物だった。
なるほど、この本はタロウ・シリーズと言われるものの一つだったのか。
塔の断章の「The Tower 16」
イニシエーションラブの「The Lovers 6」
リピートの「The Wheel of Fortune 10」
1年に1作、そして時系列はタロットカード順なので、塔の6年前の話か…。
携帯電話がまったく出てこなかったのも頷ける。

今までに読んだ乾くるみの本の中でも最も疾走感があるように思える。
読んでてぐいぐい引き込まれたし、読後感がまたなんとも…。
読後感はいつもどおりと言っちゃいつもどおり。
ラスト数ページの驚愕はいつもどおり存在してますw
正直なところ、なによりも驚愕したのは表紙のイラスト。
読後に見てみるとため息が出るくらいにスゴかった。

さて明日はどの本にサインをもらってくるか悩みどころである。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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