【小説】千里眼 キネシクス・アイ

本→千里眼
01 /19 2012
千里眼 キネシクス・アイ 上下
松岡圭祐
角川文庫
千里眼 キネシクス・アイ 上 (角川文庫)千里眼 キネシクス・アイ 上 (角川文庫)
(2009/10/24)
松岡 圭祐

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恐れることはない、わたしたちは独りではないのだから

千里眼 キネシクス・アイ 下』本文より

千里眼10周年作品。
新シリーズ10作目『キネシクス・アイ』。

ノン・クオリアの最新技術を用いた美由紀を倒すためだけに作られたような兵器。

誘拐事件。
的中率が100%の天気予報と、それに関わるノン・クオリアの野望。

アクションに危機一髪の事態に、いつもの空自との協力に、いろんな諭しに。

なんか「いつもの」千里眼だった。

面白くないわけじゃなく。
いや、面白い。

けど、再び世界の最前線で弱者を救うという立場にたった『優しい悪魔』での美由紀。
その美由紀の最前線っぷり。
それはまるで旧シリーズでの「いつもの」感じだ。ただし、美由紀単独での、だけど(笑

ここに嵯峨や一ノ瀬さんが登場してきたら、まさに旧シリーズの迫力だよな。

なんか、最前線復帰第1弾で、ノン・クオリア最強の兵器との対決で終わってしまった感じが、なんだかなぁ。
もうひとひねり欲しかったかも。

この作品を境に千里眼のシリーズの続きが出なくなったのも気になる。

美由紀は最前線に立ち、そして世界を救い続けるというエンディングだったのだろうかとすら思えるねぇ。

【小説】ブラッドタイプ

本→千里眼
08 /08 2010
ブラッドタイプ THE BLOOD TYPE
松岡圭祐
徳間書店
ブラッドタイプブラッドタイプ
(2006/06)
松岡 圭祐

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この女性はB型が不幸な人生を歩むと信じきっている。心を変えさせるには、血液型性格分類が科学的事実に反していると証明せねばならない。難題だった。しかも、たとえ証明が果たされても、それを彼女が聞きいれてくれるかどうかはわからない。
だだをこねる幼児のように騒ぎたてる亜希子を、誰もが無言で眺めていた。
強い無力感が嵯峨を襲った。これは心の問題だ。それも、命を危険に晒すほどの大問題だ。しかし、自分にはどうすることもできない。対処法はまだ、見つかってはいない。

ブラッドタイプ』本文より

まず登場人物の紹介でびくっとする。
わかっちゃいたけど。

催眠」の嵯峨敏也。
千里眼」の岬美由紀。
蒼い瞳のニュアージュ」の一之瀬恵梨香。

このとんでもない奇跡の競演。
特に徳間書店版ではその影響も数多く見られる。
千里眼シリーズに連なることもなく、独立した話。
もちろん過去に美由紀と嵯峨、美由紀と恵梨香は知り合っているという記述はされてる。
けれども、それだけ。
発売された当初は文庫化しないとも言ってたし、かなり特別な1冊。

もしこれを正史に組み入れるとなれば…
タイヘンだろうなぁ。
そんなわけで、角川文庫版でクラシックシリーズに組み入れられた時にはどういうふうになっているんだろうとも気になったりする。


本編はいまよりもずっと血液型での性格判断がブームになっている時代。
その血液型の影響により仕事にも結婚にも、果ては命を左右する事態すら出てきている。
そんな日本の状況に3人の臨床心理士たちが挑んでいく。

果たして血液型の性格診断は非科学的であることを証明できるのか。
その血液型の事件を軸にいくつもの事件が絡み合って、日本の迷信を解き明かし、人の心も解していく。


3人の立ち回りと、愛情と友情の素敵さ。
そして人は変わっていけるという希望に満ちた道筋を辿っていく優しい物語でした。

【小説】千里眼 優しい悪魔

本→千里眼
04 /30 2010
千里眼 優しい悪魔 上下
松岡圭祐
角川文庫
千里眼 優しい悪魔 上 (角川文庫)千里眼 優しい悪魔 上 (角川文庫)
(2008/09/25)
松岡 圭祐

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新しい日々が始まるとき、古きときに別れを告げねばならない。わたしはもう、過去は振り返らない。わたしは、自分のためには泣かない。誰かの涙を掬いとるために、わたしはいるのだから。

千里眼 優しい悪魔 下』本文より

千里眼新シリーズ第9弾『優しい悪魔』。
『美由紀の正体』『シンガポール・フライヤー』に続く3部作完結篇。

解説を先に読んでなにが三部作だよとか思ってすんませんでしたーー。
新シリーズの中ではあまりに異質なこの『美由紀の正体』から連なる3作。
その最後を締めくくるのにふさわしい一作でした。

あのダビデと美由紀が手を組み、ノン=クオリアの仕組む北朝鮮の核兵器開発を潰しにかかる。


『美由紀の過去』で暴かれたあまりに悲惨な過去から立ち直り、ふたたび世界を救う覚悟を決める美由紀。
平穏な時は終わった。
その終わりの話がこの『優しい悪魔』。

クラシック・シリーズのラストで友里佐和子との対決から、打って変わって普通の人々を救ってきた美由紀。
そこにいままでとのギャップを感じながらも、これが「新」シリーズなんだと納得してきた。
それすらも伏線。
ふたたび最前線へと復帰するための戦いの幕開け。それが自らのルーツを知る「正体」からなる3作だったわけか…


まさかここまで壮大な話になってくるとは予想外すぎた。
世界を救うという名目のメフィスト・コンサルティング。
彼らとはまた違った視点で世界を変えていこうとするノン=クオリア。
大きすぎる組織を相手に、たったひとりだとしても人を信じて、そして人を守るために美由紀は一体どんなものを見て行動して、そして読者になにを訴えかけてくるのか。

ここからが「新シリーズ」の本当のはじまり。そんな気がする。


もうラストの哀しさがただよう美由紀とダビデのシーンに思わずじーんときた。
あぁもう元の平穏な世界には戻れないんだな、と。


このシリーズも恐ろしく長い物語になってきてしまっているから、いろんなところで挫折する人もいるだろうと思う。
もし「美由紀の正体」まで読んでしまってどうしようと思ったときには是非この「優しい悪魔」までは一気に読んでみてほしいと思った。
それくらい素直にオススメできるくらいの面白さでした。

【小説】千里眼 シンガポール・フライヤー

本→千里眼
04 /25 2010
千里眼 シンガポール・フライヤー 上下
松岡圭祐
角川文庫
千里眼シンガポール・フライヤー 上 (角川文庫 ま 26-109)千里眼シンガポール・フライヤー 上 (角川文庫 ま 26-109)
(2008/03/25)
松岡 圭祐

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あきらかに嘘をついている人間が、言い逃れをする。二言目には証拠をだせと騒ぎ立てる。
わたしの目には、茶番はあきらかだ。でも、警察は動かない。証拠がない以上、どんなにしらじらしい嘘でも、根底から覆されることはない。
欺瞞ばかりが横行する。そしてわたしは、犯罪者に太刀打ちできない。何もかも見抜いているのに……。

千里眼 シンガポール・フライヤー 上』本文より

美由紀の挫折と再生の物語『シンガポール・フライヤー』。
新・千里眼シリーズ8作目。

前作の影響によって美由紀の失意のどん底からはじまり、「千里眼」としての復活を遂げるまでの物語。

なにこれ!?
メフィスト・コンサルティングとはまた違う、まったく別の世界を創造しようとする「ノン=クオリア」なる組織の登場。
そして自分自身を責め続け、自分の能力を呪った美由紀が自身を肯定していき再び人々を救う道へと歩み始める過程がものすごく…
そう、なんていうかこれまでの新シリーズと違って旧シリーズみたい。

例えばアクションに次ぐアクション。
そして大きな謎の組織との対決。

前作で岬美由紀という人物そのものに焦点を当て、再びメフィストという組織が台頭してきた。
さらに今作であらたな敵の登場に加え、千里眼の復活ときたもんだ。

この岬美由紀の復活としての『シンガポール・フライヤー』という物語はただの戦いの幕開けに過ぎなかったんじゃ…
まさに物語としての大きな転換点のように思える。
これはささっと次の『優しい悪魔』を読みにかかった方がよさそうだな…

【小説】千里眼 美由紀の正体

本→千里眼
10 /04 2009
千里眼 美由紀の正体 上下
松岡圭祐
角川文庫
千里眼 美由紀の正体〈上〉 (角川文庫)千里眼 美由紀の正体〈上〉 (角川文庫)
(2007/09/25)
松岡 圭祐

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「わかってくれてると思ってたよ。いや、あのときのおまえは……わかってたはずだった。おまえのほうから拒否したからだ。おまえは一生、孤独を抱えて生きるつもりだった」

千里眼 美由紀の正体 下』本文より

千里眼』新シリーズ7作目『美由紀の正体』。
解説は大塚英志。
まさかこんなところでお目にかかるとは(笑


クラシックシリーズの最終作の感想を書いた折にある方から「美由紀の正体までは読むべし」というコメントをいただいた。
確かに。
千里眼のシリーズの中でも最も特異。
そして根底にある謎に触れた話だったように思う。


事件が次々に起こり、伊吹にダビデ、さらには嵯峨まで話に大きく関わってきた。
もちろん前作「堕天使のメモリー」で触れられた謎も一気に明らかに。
なぜ岬美由紀は岬美由紀という人物になりえたのか。
悪を許さず弱者を救わざるを得ないという人格はなぜ形成されたのか。
そのシリーズの根底にある謎に美由紀や嵯峨、それに元恋人の伊吹が奔走し、ダビデが最後の一押しに現れるときたもんだ。


まるでここまでシリーズを読んできた人へのご褒美のような話でした。
ものすごく読んでいて楽しかった!

【小説】蒼い瞳とニュアージュⅡ

本→千里眼
08 /26 2009
蒼い瞳とニュアージュⅡ 千里眼の記憶
松岡圭祐
角川文庫
蒼い瞳とニュアージュ〈2〉千里眼の記憶 (角川文庫)蒼い瞳とニュアージュ〈2〉千里眼の記憶 (角川文庫)
(2007/11)
松岡 圭祐

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寒気が襲う。恵梨香は呆然としたまま、救命士と猫をかわるがわる見つめた。
いまのは空耳ではなかった。猫が喋った。紛れもない事実だ。

蒼い瞳とニュアージュⅡ 千里眼の記憶』本文より

岬美由紀の千里眼のスピンオフシリーズ『蒼い瞳とニュアージュ』第2弾。
タイトルが千里眼がつくだけにどう結びつくかと思いきや。

メルセデス・ベンツばかりを狙う盗難事件に巻き込まれた一ノ瀬恵梨香。
そこで彼女はPTSDからドリトル現象を発症してしまう。

主人公を一気に追い詰めてきたか。
前作でもPTSDと向き合わせ、今度はさらにその奥底へ。
そしてそれがまた千里眼のシリーズと交差するときたもんだ。

うまいなぁ。
こういうエンターテイメントは本当に安心して読める。

また時系列を考えても千里眼の10作目「トランス・オブ・ウォー」と11作目の「千里眼とニュアージュ」の間を埋め、この「千里眼の記憶」の直後に千里眼シリーズと交差するってのも面白い。

ニュアージュの前作を読んだ時も「うまいことシリーズ間を繋げるもんだなぁ」と思ったものだけど、「千里眼の記憶」はより違和感なく繋がるようになったと思う。

【小説】蒼い瞳とニュアージュ 完全版

本→千里眼
08 /20 2009
蒼い瞳とニュアージュ 完全版
松岡圭祐
角川文庫
蒼い瞳とニュアージュ 完全版 (角川文庫)蒼い瞳とニュアージュ 完全版 (角川文庫)
(2007/09/25)
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「いまのが、臨床心理士の先生」と須藤がいった。
「……冗談でしょう」
「できればそう願いたい」
また扉が開いた。
臨床心理士のお姉ギャルが顔をのぞかせる。

蒼い瞳とニュアージュ 完全版』本文より

第3の臨床心理士「一之瀬恵梨香」の物語開幕。

一之瀬恵梨香の単体の話は読むのがはじめて。
「千里眼とニュアージュ」では「お、これはいいキャラじゃないか」とは思ってたけれども、ここまでサスペンス&アクションをやってのけるとは。
できれば「千里眼とニュアージュ」を読む前には、この「蒼い瞳とニュアージュ」を読んでおいたほうがいいかも。
重要な設定で重複してる部分があるんで。

もちろんそれなしでも面白いんだけど。


序盤のキャバクラの火災事件から一之瀬恵梨香独特のカウンセリングと彼女の過去が国家的な事件と絡み合う様は圧巻だった。
かと言って千里眼のように超人的ではなく、むしろ自分の弱さと戦いつつも、強烈な個性を持つ彼女のかキャラクターがいい味を出してる。
ここまでコンパクトにまとまっていながら一気に読み進めることができるのはイイものです。

【小説】千里眼 堕天使のメモリー

本→千里眼
08 /07 2009
千里眼 堕天使のメモリー
松岡圭祐
角川文庫
千里眼 堕天使のメモリー (角川文庫)千里眼 堕天使のメモリー (角川文庫)
(2007/07)
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「あいつらが神様のわけがないわ。人類史に彼らは必要ない。壊滅させて、そのことを証明する」
とてつもなく不可能に近い挑戦に思える。
だが美由紀は、その機会が訪れる日は決して遠くはない、そう感じていた。

千里眼 堕天使のメモリー』本文より

新・千里眼6作目『千里眼 堕天使のメモリー』。
巻末には著者本人による「「千里眼」シリーズを振り返って」を収録。

メフィスト・コンサルティングが手に入れようとする謎の女京城麗華。
自己愛が強く、自らの道をひた走る彼女を手に入れようとするわけは。

ハローワークでの素っ頓狂なやりとりから、一気に美由紀の隠された過去へと物語は展開していく。


おいおい、ここ数巻の千里眼らしくコンパクトに収まってたエンターテイメントはどこへやら。
なにこれ。
もしやシリーズ最大の伏線が張られたというのか…
思わず一気に読み終えてしまった。

こんな美由紀とメフィスト・コンサルティングに関わる過去に触れ、そして最終決戦を思わせる言葉が出てきたり。
その上、次の巻のタイトルは『美由紀の正体』ときたもんだ。

これはもしかして期待してもいいのだろうか。
いや、期待してます。

前にもコメントで『美由紀の正体』は面白いから読んどけ、ってなものももらったしね(笑

【小説】千里眼の教室

本→千里眼
12 /08 2008
千里眼の教室
松岡圭祐
角川文庫
千里眼の教室 (角川文庫)千里眼の教室 (角川文庫)
(2007/05)
松岡 圭祐

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よってわが旧生徒会役員は、氏神高校国行政庁となり、生徒自身による民主的な自治をもって、この高校を国家として独立運営することに決定した

千里眼の教室』本文より

新・千里眼シリーズ5作目『千里眼の教室』。


氏神高校の生徒会がいじめ問題・世界史履修問題などを隠した教職員や教育委員会に反旗を翻し、日本から独立。
自治をはじめる。

彼らの国ではまるでいまの日本を写し取ったかのようだった。
格差社会、公共ギャンブルの現状etc
しかし、そういった暗い側面だけでなく、彼らが彼らだけの力で底辺の学力から全国区でトップクラスまでの実力へ押し上げる様は読んでいてスカッとした。


……というようなことをそんなに感じることもなく。
終始「ないわ…」となぜか小説の内容に少々ひきながら読んでいました。

社会派でもあるし、近年ドラゴン桜などのような特殊な勉強方法での学力アップという比較的記憶に新しいものをどんどん取り入れている様はわかるんだけどなぁ。

でもどうしてそう思うのか。
やはり若者だけの閉鎖社会の描き方がヌルく感じてしまったからだろうか。

アニメだと『無限のリヴァイアス』、
マンガだと『チャイルド・プラネット』、
ドラマだと『ぼくらの勇気 未満都市』、
映画だと『ぼくらの七日間戦争』。

などなど、実にいろんな若者だけの閉鎖社会を描いたものがあった。
どれもかなりヘビーな内容だった。
意見のぶつかりや、暴力、性的なことも含めて重くズシリとくる様な絶望的な描かれ方がされていた。

確かに千里眼シリーズではそういった重苦しいものは似合わないけれども…
どうにもご都合主義すぎって思えたのも事実。
たとえ彼らが理性的にすべて物事を考えられる状況であったとしても、さすがにこれはないだろう…

今作はきっと合わなかっただけ。
前作はたしかに面白かったし。
とりあえずなんとか「美由紀の正体」までは読んでみようと思います。

【小説】千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮

本→千里眼
11 /23 2008
千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮
松岡圭祐
角川文庫
千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮 (角川文庫)千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮 (角川文庫)
(2007/03)
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痛みなど感じなくてもいい。由愛香は、取り乱しているだけだ。彼女を助けられるのなら、わたしが傷ついたかどうかなど関係ない。

千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮』本文より

新・千里眼シリーズ第4弾『ミッドタウンタワーの迷宮』。

自衛隊の基地際で起こった核爆弾投下事件を発端に次々に起こる事件。
盗まれたヘリコプター。
突然裕福になった男。
すべては六本木に聳え立つ「東京ミッドタウン」へと、そして大きな陰謀へと繋がっていく。


言ってしまえばただの「観光スポット」。
しかし、それにあれやこれやのいろんな要素を詰め込んだのが新千里眼4作目。

アクション全開!
そして手に汗握る展開も怒涛のように進んでいく。

博愛主義者の岬美由紀がついに打ちのめされ、絶体絶命の危機が訪れる。

人はどこまで人を信じられるのかというテーマで岬美由紀という人物についてさらに掘り下げ、さらには今まで以上のアクション満載の内容だった。


まるでアクションを前面に押し出したハリウッド映画みたいだ。
これ映像化したら絶対おもしろいだろうなぁ。

【小説】千里眼の水晶体

本→千里眼
11 /17 2008
千里眼の水晶体
松岡圭祐
角川文庫
千里眼の水晶体 (角川文庫 ま 26-103)千里眼の水晶体 (角川文庫 ま 26-103)
(2007/01)
松岡 圭祐

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「そのまさかです」美由紀は航空幕僚長を見つめていった。「空自への一時復帰をお願いします」

千里眼の水晶体』本文より

新・千里眼シリーズ3作目『千里眼の水晶体』。

やっぱり美由紀がF15に乗るときって盛り上がるよな。

3作目は山火事から起きる大規模テロを描いている。

大規模も大規模な事件のハズなのだが、文庫で300ページに収まっているのは驚異的。
旧シリーズならここまでなら上下巻で700ページくらいになってもおかしくないくらいなのに(笑


また大きな事件にも関わらず、スペクタクルな展開になりすぎずに読者にとっても身近に読めるのも興味深いところ。
冒頭から潔癖症という読者にとっても身近なことが本編にどんどんと関わってるしなぁ。

そのほかにもあれやこれやと、かなりタイムリーなネタを投入しているのは相変わらずです。


面白いんだけど、新シリーズを読んでいると随分と話がコンパクトにまとまりすぎているんじゃないかと感じてしまう。
シリーズ3作目だけにまだ、美由紀の自己紹介っぽいところもあるし、やっぱり盛り上がってくるのはもうちょいあとなんだろうなぁ。

【小説】千里眼 ファントム・クォーター

本→千里眼
09 /26 2008
千里眼 ファントム・クォーター
松岡圭祐
角川文庫
千里眼ファントム・クォーター (角川文庫 (ま26-102))千里眼ファントム・クォーター (角川文庫 (ま26-102))
(2007/01)
松岡 圭祐

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ここで敗北などしない。美由紀はその思いを胸にきざみこんだ。この国には、人の数と同じだけの人生と、未来と、希望がある。断じて失わせはしない。

千里眼 ファントム・クォーター』本文より

新生『千里眼』2冊目。

ファントム・クォーターという幻の町へ拉致された美由紀。
彼女はなんのために連れてこられたのか、そして背後でうごめく完全なステルス機能を持つトマホークミサイルの計画。
見えない敵に対して岬美由紀が立ち向かう。


1冊目で身近に思える内容になった、と書いたら2冊目からいつもどおりじゃないか(笑

見えざる敵との戦い。
確かに盛り上がるし、少しずつ見えてくる真の敵の存在があるところも、今後どうなるかが気になるところ。

また美由紀を頼りやってくる一人の少女の話が同時に平行しているのも面白いところ。
彼女の話に関しては臨床心理士としてのリアリティを与えてくれている。
前シリーズまでの超然とした強さと慈愛を持ちながら自らに悩む存在から、
まさに人を守るという側面も大きく意味づけされてきたと思う。

彼女は今後もシリーズに出てくるんかなぁ。

【小説】千里眼 The Start

本→千里眼
09 /24 2008
千里眼 The Start
松岡圭祐
角川文庫
千里眼The Start (角川文庫 ま 26-101)千里眼The Start (角川文庫 ま 26-101)
(2007/01)
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人の感情が見えるようになって、わたしにはわかる。人の本質はそんなに闇にばかり閉ざされてはいない。誰もが信頼を求めてる。信じられる前に、まず信じようと努力してる。

千里眼 The Start』本文より

千里眼シリーズの最終巻『背徳のシンデレラ』を読んでから1年半。
ついに手を出してしまったよ orz
また長々とお付き合いすることになるんだろうなー。
楽しみではあるんだけど(笑
きっかけはたぶん最終巻の時の感想をくれた方の影響です(笑


千里眼』新シリーズ始動。

「The Start」というだけでに岬美由紀のカウンセラーとしての最初の一歩が描かれる。
前シリーズまでは一体なんだったんだよ、と最初は思いながら読んだけど、今までと違った新しさを感じた。

前シリーズは世界を舞台に壮大に描かれる内容だったが、今度の千里眼はより身近に感じるというか…
あとがきなどによるとより実際の臨床心理学に基づいた内容にも変更されているらしい。
実際読んでいて今まで岬美由紀が人の表情から読み取るシーンでも今までの方法が覆っているのにびっくりしたもんです(笑

また、今作は岬美由紀の人物紹介が主だったけれども、新たな敵や伏線も散りばめられていたように思う。

千里眼にはじめて触れたり、この物語へと再び足を踏み入れるには最適の1冊。
さぁて、
1年半ちょっとの間シリーズから離れている間にたくさん出たようなので、ちょっとずつだけど読み進めていこうと思う。
(いや、ホント出るペース早すぎだろw

【小説】イリュージョン:マジシャン第Ⅱ幕

本→千里眼
05 /26 2008
イリュージョンマジシャン第Ⅱ幕
松岡圭祐
小学館文庫
イリュージョン:マジシャン第2幕 (小学館文庫)イリュージョン:マジシャン第2幕 (小学館文庫)
(2004/09)
松岡 圭祐

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マジックにだまされたのは相手じゃなかった。演じてたわたしたち自身だった。

イリュージョンマジシャン第Ⅱ幕』本文より


松岡圭祐の『イリュージョンマジシャン第Ⅱ幕』。
里見沙希の「マジシャン」シリーズ2冊目。
『千里眼 マジシャンの少女』を含めれば3冊目。


……あれ?
読んでも読んでも里見沙希がほとんど出てこない orz
重要なキーパーソンではあるんだけれども。
これはもしかしたら「マジシャン」シリーズはこの「イリュージョン」の主役と里見沙希のシリーズだったりするのかも。


前作『マジシャン』はミステリ風味だったが、今作では犯罪劇。
両親の不仲から家を飛び出した15歳の少年の唯一の趣味はマジック。
彼は万引きを見破る万引きGメンにあこがれ、結果天職を得る。
だが、万引きGメンとして成功していく一方で自らもマジックを使った万引きに手を染めていく。

成功と堕落。
その両方を描きながらも未成年である少年の心の葛藤の描き方にハラハラした。
大人であろうとするも、少年に他ならない彼の行動にはどこか説得力があった。

またラストで前作『マジシャン』里見沙希自身との繋がりが示されたことも素晴らしかった。
単独の作品で名はなく、あえて「マジシャン」というシリーズにしたのはこのためだったのか、と思えた。
こんなの書かれたら3作目が気になるじゃないか(笑


さて3部作の2作目がこの『イリュージョン』だったわけだけれども、どうやらもう1作『フィナーレ』なるものが作中によると構想されているようなのだけれども…
2作目のラストがあまりに衝撃的だったので3作目に期待。
彼らのいく先が見てみたいです。

【小説】千里眼 背徳のシンデレラ(下)

本→千里眼
02 /21 2007
千里眼 背徳のシンデレラ 下
松岡圭祐
小学館文庫
千里眼背徳のシンデレラ (下) (小学館文庫)千里眼背徳のシンデレラ (下) (小学館文庫)
(2006/04/03)
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「正と邪の決着は、人類がみずからつけねばならんのだよ、美由紀。」



千里眼シリーズ旧12部作最終作。


千里眼「友里佐和子」との対決からはじまり、世界を裏から牽引する組織メフィスト・コンサルティングとの戦いを描いてきたシリーズもついに最後。
ついに友里佐和子の後継者との対決。


世界の様々な場所へ出向き、色んな人の心を救い、時に誰かを守るために戦い…

荒唐無稽な話ながらもどこか現実とリンクしているようなストーリーたち。
そんな現実にあってもおかしくない事件の中でで活躍する岬美由紀たちの物語を読み進めていくのは非常に楽しかったなぁ。


機会があれば角川文庫の新シリーズの方も読む…かな。

千里眼背徳のシンデレラ (下) / 松岡 圭祐

【小説】千里眼 背徳のシンデレラ(上)

本→千里眼
02 /17 2007
千里眼 背徳のシンデレラ(上)
松岡圭祐
小学館文庫
千里眼背徳のシンデレラ (上) (小学館文庫)千里眼背徳のシンデレラ (上) (小学館文庫)
(2006/04/03)
松岡 圭祐

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わたしは友里が生きた道をそのまま辿っているだけなのか。



千里眼旧12部作最終作「背徳のシンデレラ」。
ついに友里佐和子の後継者である鬼芭阿諛子との対決が描かれる。


冒頭から世界の半分が沈没し、呆然とする人々がいるシーンからはじまり、耐震偽装事件へ。
それには裏に陰謀が隠されていた。
陰謀を辿ることで友里佐和子の過去と美由紀が対峙する。


1作目からの謎とついに美由紀が対峙する。
600ページの半分は友里佐和子に関することと言ってもいいくらい。
当然メフィストに関することも出てきているし、若き日のダビデもベロガニアも登場してた。
読んでて、ラストがどんどん近づいていくのが感覚として分かるよなぁ。

残り下巻だけ、か。

千里眼背徳のシンデレラ (上) / 松岡 圭祐

【小説】千里眼の死角

本→千里眼
02 /14 2007
千里眼の死角
松岡圭祐
小学館文庫
千里眼の死角 (小学館文庫)千里眼の死角 (小学館文庫)
(2004/07)
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「わたしはどんな人でも救いたい」


千里眼旧12部作8作目「千里眼の死角」。

こんなターニングポイントの本を読み飛ばして「ヘーメラー」「トランスオブ」「ニュアージュ」を読んでしまってたのか。
不覚(笑


物語冒頭から謎の人体発火現象が世界各地で多発。
そしてその事件に嵯峨が巻き込まれ。
事態を収拾するために岬美由紀が、そしてメフィストコンサルティングに裏切られたダビデが奔走する。


なんだこの千里眼シリーズと豪華メンバーな顔ぶれはっ。
事件の不可思議性といい。
主役級のメンバーはみんな活躍する場面が容易されてるし。
とにかく豪華。


誰もを救おうとする岬美由紀とその根本的な解決方法である世界から一切の暴力を恐怖政治によってなくそうとするメフィストコンサルティング。
根っこは同じ考え。
その両者の対決。

ついに屈する岬美由紀、その立ち直る過程とか。
なんだろう。
この「千里眼の死角」が最終回と言われても納得する展開だった。
ましてエンディングも壮観。



さて、次は旧12部作のうち読んでいない最後の1冊「背徳のシンデレラ」を読もうかな。

千里眼の死角 / 松岡 圭祐

【小説】千里眼とニュアージュ

本→千里眼
08 /22 2006
千里眼とニュアージュ
松岡圭祐
小学館文庫
千里眼とニュアージュ(上)千里眼とニュアージュ(上)
(2005/11/05)
松岡 圭祐

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元自衛隊パイロットで臨床心理士の岬美由紀が活躍するシリーズ。
今作から文庫書き下ろし。
そして今回は「蒼い瞳とニュアージュ」の主人公一ノ瀬恵梨香とのコラボレーション。


序盤から日本に「ニートが住む県」が出てきたり、その県の人たちが同じような悪夢にうなされて5時に起きるという謎の現象が勃発。
そしてその謎を解いていくととんでもないことが発覚する、という内容。

今回一ノ瀬恵梨香が出てきたのは前作の「トランス・オブ・ウォー」の回想シーンがあったからこそなんだろうなぁ。
でも、それより楽しかったのがやはり「ダビデ」が一時的にとはいえ美由紀と手を組むというところだろう。
いままでの敵役という印象がっっ(笑
まさかあそこまでの楽しいやつだったとは。


ヘーメラー以降どんどん話が長くなってきてるな…
次の「背徳のシンデレラ」に至っては1200pか
……がんばって読むか

【小説】千里眼 トランス・オブ・ウォー

本→千里眼
06 /06 2006
千里眼 トランス・オブ・ウォー
松岡圭祐
小学館文庫
千里眼トランス・オブ・ウォー 上  小学館文庫千里眼トランス・オブ・ウォー 上 小学館文庫
(2005/07/06)
松岡 圭祐

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千里眼シリーズ10作目。

舞台はイラク。
アメリカ合衆国が攻撃をしかける直前に武装勢力によって拉致された岬美由紀は戦争を回避する手段を模索する。


今回の相手は「戦闘によって理性を失った人たち」。
人類史において回避されることがなかった戦争という問題に対してどう立ち向かうのか、というか宗教的な問題も含めて解決が可能なのかどうか。
少なくとも「Trance of War」という精神的な異常事態に対してさまざまなアプローチがされてるなぁ。
戦争において平気で人が殺せたり、理性を抑えるために脳が働きかけて見えてはいけないものを見えないようにしたり...


しょっぱなからのアクションシーン、そして自衛官時代になぜ救難ヘリの隊員になろうとしたのかなど見所も多かった気がする。


約一年積んでたこの本までようやくたどり着いたー。
長かったw

【小説】ヘーメラーの千里眼

本→千里眼
05 /31 2006
ヘーメラーの千里眼
松岡圭祐
小学館文庫
ヘーメラーの千里眼 (上) 小学館文庫 ま 2-15ヘーメラーの千里眼 (上) 小学館文庫 ま 2-15
(2005/03)
松岡 圭祐

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千里眼シリーズ9作目

航空自衛隊の演習中に誤って一人の少年を"蒸発"させてしまう事故が発生。
事故を起こしたパイロットを精神鑑定にかけることになり、岬美由紀が指名される。


『ヘーメラー』は今までよりも群像劇の要素がえらく濃い。
恋愛や友情、信念、家族愛、自衛隊という規律の中での現場と役人。
それに加えてミステリ要素にアクションからドッグファイトまで。
お腹いっぱいに満足できる内容でした。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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