【ラノベ】溶暗のデカダント・ブラック

ブギーポップ・チェンジリング 溶暗のデカダント・ブラック
上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ブギーポップ・チェンジリング 溶暗のデカダント・ブラック (電撃文庫)
上遠野 浩平
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-11-08)
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「デカダント・ブラックとは人の心の暗闇そのものだ。故に、それに逆らえるものは誰もいない」

『溶暗のデカダント・ブラック』本文より

ブギーポップ19作目『溶暗のデカダント・ブラック』。

人の心の闇、もしくは奥底にある悪の部分。
なんともグレーゾーン。もしくはブラックになりかねない。でも誰にでもある心の一部分。
さてそれをブギーポップが対峙する。
この誰にでも持ちえるのにブギーポップが浮かび上がって対峙するという現象。
悪や闇とはなんぞやというもうほんとあいまいで実にブギーポップ的な答えの出ない問答。
これがブギーポップシリーズの楽しさだよなー。

tag : ブギーポップ 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【ラノベ】螺旋のエンペロイダー Spin1.

螺旋のエンペロイダー Spin1.
The Emperoider Spin1. Worny Empire

上遠野浩平
イラスト:巖本英利
電撃文庫
螺旋のエンペロイダー Spin1. (電撃文庫)螺旋のエンペロイダー Spin1. (電撃文庫)
(2013/04/10)
上遠野浩平

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「可哀想な人たち、可哀想な世界――それらはいずれ訪れる敗北によって、予め準備された運命――それがエンペロイダーを巡る、これからの戦い――螺旋となって、渦動する」

螺旋のエンペロイダー Spin1.』本文より


ブギーポップのスピンオフ3作目。
今度は特殊な能力を持つ者たちの学校の勉強と実践。

ふむ。
X-MENのファースト・クラスみたいな扱いかな。
エンペロイダーという能力なのか能力者なのか背後に確実には「ある」のだけれども、それが一体何を意味してどこに導くのか。
それもまたゆっくりと楽しむとしよう。
いつもどおりならまた数年かかるだろうし。

上遠野浩平作品でもっともまっすぐな能力ものになりそうで楽しみ。

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【小説】コギトピノキオの遠隔思考

コギトピノキオの遠隔思考 ソウルドロップ孤影録
上遠野浩平
イラスト:斎藤岬
ノン・ノベル
コギトピノキオの遠隔思考 ソウルドロップ孤影録 (ノン・ノベル 1003)コギトピノキオの遠隔思考 ソウルドロップ孤影録 (ノン・ノベル 1003)
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上遠野 浩平

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「自分の生命にはどんな価値が、他人との差があるのか――見当がつくか?」

コギトピノキオの遠隔思考』本文より

ソウルドロップシリーズ7作目。
いつの間にやら7作も出てたのか。

まったく誰もが見せ場もなく、派手なシーンがあるわけでもなし。
不気味な閉ざされた研究所、仮装をしているかのごとく誰もが自分の名前を名乗らない舞台での連続殺人事件が発生する。

誰がなんのためにというよりも、なぜいまここで起こってなんの意味があるのか。
殺人自体に意味があるというわけでもなく、そのシチュエーションにこそ隠されている謎が素敵。
このシリーズ自体をあらためてなんなのかを問いかけてくれる少し番外編的な作品だったかと。

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【ラノベ】さびまみれのバビロン

さびまみれのバビロン ブギーポップ・ウィズイン
上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン (電撃文庫)ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン (電撃文庫)
(2013/09/10)
上遠野浩平

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「夢には終わりがある――到達するのか、挫折するのか、そこに差はない。夢が夢だとわかるのは、それの終わり方を人が理解したとき――夢はできあがる」

『さびまみれのバビロン』本文より


『ブギー・ポップ』18作目。

今回の能力者は「忘却」させる人物。

夢とうつつを行き来するかのように、非常に境界線があいまいな話…
ああ、それってなんともブギーポップ的。
忘れる/忘れさせることの行き先としてなぜブギーポップが介入せざるを得ないのか。
なるほど、こうきたか。

現実と妄想をまぜた物語を女子高生という不安定な時期の人物たちを主軸において作ると実にいい物語に仕上がってくるな。

tag : ブギーポップ 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【ラノベ】ヴァルプルギスの後悔 Fire4.

ヴァルプルギスの後悔 Fire4.
"Repent Walpurgis" Fire 4. "freezing witch"

上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ヴァルプルギスの後悔〈Fire4.〉 (電撃文庫)ヴァルプルギスの後悔〈Fire4.〉 (電撃文庫)
(2011/12/10)
上遠野 浩平

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「でも、走り出せたじゃないの、あんたは。あのときに、それでも走ったのがあんたよ、霧間凪。あんたって結局、そういうヤツなのよ」

ヴァルプルギスの後悔 Fire4.』本文より

ヴァルプルギスの後悔』完結巻。

終わった。
魔女大戦も、統和機構の面々もどんどん出てくる。
しかしブギーポップは出てこない、世界の危機ではない話だが大きな戦いだった。

霧間凪とは、まさにそこに尽きる。
彼女の強さの真髄と本質についての単純でたどり着くべきところにたどり着いた。

そして最後の引用にボン・ジョヴィの『It's my life』を使うところがまたニクイ。
日本語にするとそうなるのか。
まさにこの話にうってつけだよなぁ。

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【小説】アウトギャップの無限試算

アウトギャップの無限試算 ソウルドロップ幻戯録
上遠野浩平
イラスト:斎藤岬
ノン・ノベル
アウトギャップの無限試算 (ソウルドロップ)アウトギャップの無限試算 (ソウルドロップ)
(2011/07/29)
上遠野浩平

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「空が飛べないから、代わりにマジックをして、せめてお客の心の中だけでも、"人間は飛べる"と信じて欲しいのか。それとも他人から"もしかしてあの人は本当に飛べるのでは"と疑って欲しいのか……どっちなんだろうね」

アウトギャップの無限試算』本文より

ソウルドロップシリーズ6冊目。

今回はマジックがテーマ。

マジシャンにとってのマジックとはいったいどのような意味を持つのか。
今回ペイパーカットが盗もうとするのはマジックの何か。

マジックの本質に少しずつ少しずつ迫っていって、そして放り投げられる。
うん、実に上遠野浩平らしい(笑
でも放り投げられてなお、マジックを観察することの面白さに気づかされるのまた確かなこと。


やっぱりこのシリーズのもっとも面白いことといえば「見えない」ものに対しての考察や小説としてのテーマの取り上げ方と消化の仕方だよなぁ。

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【小説】私と悪魔の100の問答

私と悪魔の100の問答
Questions & Answers of Me & Devil in 100

上遠野浩平
カバーイラスト:ウエダハジメ
講談社
私と悪魔の100の問答 Questions & Answers of Me & Devil in 100 (100周年書き下ろし)私と悪魔の100の問答 Questions & Answers of Me & Devil in 100 (100周年書き下ろし)
(2010/10/28)
上遠野 浩平

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「吾輩が信じているとかいないとかはどうでも良いことで、神が実在するかどうかも二の次で、問題は人間の中にしかない。自分が錯覚していて、その混乱を他に押しつけているだけだってことに気づいていないことが問題なんだよ」

私と悪魔の100の問答』本文より

上遠野浩平の『私と悪魔の100の問答』。

本当に問答をしているだけ。
悪魔のささやきに対して応えるだけというか。
それなのに面白い。

ひとつひとつの疑問の投げかけが、人間とは何か。
暗部であったり、普段気づかないようなことにすら焦点を当ててくる。

そして「悪」とはなんであるか、「自分」とは、「他人」とは。

悪魔のささやきに乗るかのように疑問を持ち、思考をしてしまう。
ああ、なんてその人間らしいことか。

神の元から追放され、神と悪魔の間で問答する人間の面白さが描かれていたと思う。
今までに読んだことのないようなタイプの本ですごく楽しめた。

tag : 私と悪魔の100の問答 上遠野浩平 ウエダハジメ

【小説】騎士は恋情の血を流す

騎士は恋情の血を流す
The Cavalier Bleeds For The Blood

上遠野浩平
カバーイラスト:椋本夏夜
富士見書房
騎士は恋情の血を流す    The Cavalier Bleeds For The Blood騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood
(2009/08/06)
上遠野 浩平

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「あんたは負けるのが怖い?」
と言う。
「――――」
孝士が返事をしなくても、ほのかは言葉を続ける。
「あたしは怖い。怖くて怖くてたまらないわ。だから負けられない――あんたはどう?」

騎士は恋情の血を流す』本文より

しずるさんシリーズ4弾『騎士は恋情の血を流す』。
富士見ミステリー文庫がなくなったからソフトカバーだったのか。

……しずるさんシリーズなんかなぁ。
一応出てくるけど。
もはや安楽椅子探偵ものですらない気がする(笑

「勝負にかけるプライド」というテーマ。
まぁなんとも上遠野浩平らしくないテーマだが…
やっぱり上遠野浩平の世界に染まっちゃうんだよなぁ。
ブギーの世界観とも見事にマッチしてるし。

タイトルロゴや章タイトルが恐ろしくインパクト強いんだけれども、すごく内容は静かで内面が強固。
強固どころか揺るがない強さをもっているくらいだった。
これが勝負への負けれない強さ、か。
いいねぇ。
ぐっときた。

tag : 騎士は恋情の血を流す 上遠野浩平 椋本夏夜

【ラノベ】壊れかけのムーンライト

壊れかけのムーンライト ブギーポップ・アンノウン
上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト (電撃文庫)ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト (電撃文庫)
(2011/01/06)
上遠野浩平

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「危険なのは世界の方であって、ぼくらには関係がない。ぼくらはただ、消え去るだけですむ。しょせん誰も知らない世界のちっぽけな存在に過ぎないのだから」

『壊れかけのムーンライト』本文より

ブギーポップ』17作目『壊れかけのムーンライト』。

テーマがなんとも難しい。
希望。
しかし心の奥底にある希望。
かといってそんな希望は実のところなんでもない日常こそがの望みなのかもしれない。

希望と日常の狭間での男女6人の物語。
女性3人組の中には宮下藤花もいる(笑
藤花が話に積極的にからんでくるのが珍しい気すらする。


思春期の楽しい時期だからこそ、誰と付き合いたいだの友人との馬鹿やる関係とか。
そういった青春ものにブギーポップならではの統和機構の人間達を絡ませることで、超能力ものでありつつ、しっかりと読者を悶々とさせてくれる答えの出ない問いの投げかけっぷりが相変わらず効かせまくりです。

tag : ブギーポップ 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【ラノベ】ヴァルプルギスの後悔 Fire3.

ヴァルプルギスの後悔 Fire3.
"Repent Walpurgis" Fire 3. "Dozing Witch"
上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ヴァルプルギスの後悔〈Fire3.〉 (電撃文庫)ヴァルプルギスの後悔〈Fire3.〉 (電撃文庫)
(2010/08/10)
上遠野 浩平

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「知るか、そんなもん――オレはオレだ。だが強いってのは間違いだ。オレは誰よりも弱いから、他人よりも強がる必要があるだけだ」

ヴァルプルギスの後悔 Fire3.』本文より

上遠野浩平のブギーポップシリーズのスピンオフ『ヴァルプルギスの後悔』第3弾。
ビートのデュプシリン以上の超人バトルでオールスターみたいな内容になってきたぞ。

ブギーポップが登場しない、世界の危機ではないにせよ戦いは苛烈になってきてるしなぁ。

統和機構の設定もどんどん膨らんでるし、なにより凪の描き方がこれまで以上に深い。
あとはだんだんとスピンオフからどんどんブギーポップ本編の世界へと踏み込んでいくドキドキ感がたまらんです。


でもとりあえずは本編/ヴァルプルギスの世界観。
およびビートの世界をもう1回読み返したくなるほどの濃さ。
じゃないと着いていくのがいっぱいいっぱいすぎる(笑

tag : ヴァルプルギスの後悔 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【小説】クリプトマスクの擬死工作

クリプトマスクの擬死工作 ソウルドロップ巡礼録
上遠野浩平
イラストレーション:斎藤岬
ノン・ノベル
クリプトマスクの擬死工作 (ノン・ノベル)クリプトマスクの擬死工作 (ノン・ノベル)
(2010/02/09)
上遠野 浩平

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「映画の中でどんなに感動的なことが起こっても、それは本当のことじゃない。演出されて、誇張されて、整理されて、巧妙に偽装されている。嘘をついている。問題はなんのために嘘をつくかってことよ」

クリプトマスクの擬死工作』本文より


ペイパーカットのシリーズ第5弾『クリプトマスクの擬死工作』。

テーマは未完の映画。
未完成映画はなにを語るのか。
そして生き残った者たちが監督不在の中、その映画になにを想うのか。

最初から最後まで映画づくめ。
映画好きとしてはニヤニヤしながら読める力作。
そもそもなんで映画なんてものに没入しようとするのか、という問いにすらほんの少しの解答をもらえた気がする(笑


現実と虚構である映画の関係性が交じり合い絡み合い、謎がひたすらに深くなっていく構成に惚れた。
雰囲気に押されまくりました。

tag : クリプトマスクの擬死工作 上遠野浩平 斎藤岬 ノン・ノベル

【ラノベ】化け猫とめまいのスキャット

ブギーポップ・ダークリー
化け猫とめまいのスキャット

上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)
(2009/12/10)
上遠野 浩平

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「何をしたらいいのかわからない」
と言ったら、彼女は、
「なるようにしかならない」
と投げやりなようで、でもまっすぐな言葉を返してくれた。その通りだと思う。やれることをやるしかないのだ


ブギーポップ』16作目『化け猫とめまいのスキャット』。

テーマは「あいまい」と「認識」。
ほほぅ。
こう来たか。

少年少女たちの学校生活という自由の中、流されなんとなく、決定的なもののないまま進む毎日。
この「あいまいさ」というのがなんともモラトリアム的でよいものだ。
普遍的で、さ。
なんか普通を目指しているようで、そういうものから逸脱すると杭を打たれて。

そんな日常のあいまい・普遍さをブギーポップとして特殊な能力として見せてくれる描き方には脱帽。

まぁなんにせよ。
閉ざされた学校という世界の中の中の時間って素敵だよな。

tag : ブギーポップ 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【ミステリ】酸素は鏡に映らない

酸素は鏡に映らない
No Oxygen, Not To Be Mirrored

上遠野浩平
イラスト:toi8
ミステリーランド
酸素は鏡に映らない (MYSTERY LAND)酸素は鏡に映らない (MYSTERY LAND)
(2007/03/30)
上遠野 浩平

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「僕は――世界の支配者だ、だ」
その声には大袈裟なところも、ふざけた様子も皆無だった。真顔で、静かにそう言った。

酸素は鏡に映らない』本文より

上遠野浩平の『酸素は鏡に映らない』。

ミステリーランドだけに子供も大人も楽しめる内容…だと思う。
子供による大人の世界への冒険なだけに。

子供のときって、大人の世界はこういうふうに見えていたよなぁと思いながら読んでた。

宝探しに強盗との対決にetc
いくつもの冒険を経ての成長も魅力的だが、もっとも謎だらけのオキシジェンと名乗る男の存在も非常に魅力的。

彼のいくつもの意味ありげな答えのないなげかけ。
それに対してどう受け取るのかっていうのはこれを読んだ子供に聞いてみたいよなぁ。

「世界って何?」とか「オキシジェンの語る酸素ってどんなものがある?」とか。
悶々としながら読むのってあとで考えるといい読書体験になりそう。


そしてラストの本で語られない謎に対して興味を抱いたら是非とも、本という本にぶつかって読破していって欲しいものです(笑


読書って面白いだろ、と問いかけたきたような、そんな本だったと思う。

tag : 酸素は鏡に映らない 上遠野浩平 toi8 ミステリーランド

【ラノベ】ヴァルプルギスの後悔 Fire2.

ヴァルプルギスの後悔 Fire2.
"Repent Walpurgis" Fire 2. "Spitting Witch"

上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ヴァルプルギスの後悔〈Fire2.〉 (電撃文庫)ヴァルプルギスの後悔〈Fire2.〉 (電撃文庫)
(2009/08/10)
上遠野 浩平

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同じ相手と延々と戦い続けるということは結局、誰よりも敵のことを理解し、同質化することにしかならない。自分が確信できるものは相手も確信している。だから――うまく行くかどうか自分でもわからないような奇策でないと、まったく通用しない――そういうものなのだろう。
魔女同士の戦いというものは。

ヴァルプルギスの後悔 Fire2.』本文より

出るたびに前ってどんな内容だったっけと思わせられるものの、一気に引き込まれるので上遠野浩平作品は読みやすいと思う。
ヴァルプルギスの後悔」の新刊出てたことにすら気づかなかったよ orz


炎の魔女の話第2巻目。
前巻の感想で炎の魔女霧間凪の奥深いところまで導いてくれそうで楽しみと書いてみたが、本当にそうなってびっくりだ。
ブギーポップは出てこないが、霧間凪の謎が次々に出てきてはふっとはぐらかされる。
結局彼女はいったい何者なのか。
つかブギーポップのシリーズがこんだけ続いててもなお謎が多すぎる存在ではあるだけにページを次々にめくりたくなる。

霧間凪、ひいては魔女と呼ばれる存在同士の決められた戦い。
その先にはなにがあるのか。
統和機構の面々とのやりとりも楽しいのだが、前スピンオフ作品の主人公ピート・ビートまで物語に絡んできたとあっては楽しまざるを得ないです(笑

tag : ヴァルプルギスの後悔 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【ミステリ】残酷号事件

残酷号事件
the cruel tale of ZANKOKU-GO

上遠野浩平
イラスト:やまさきもへじ
講談社ノベルス
残酷号事件 the cruel tale of ZANKOKU-GO (講談社ノベルス)残酷号事件 the cruel tale of ZANKOKU-GO (講談社ノベルス)
(2009/03/06)
上遠野 浩平

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知らぬ、知らぬ、
親も知らぬ、故郷も知らぬ
問われて答える心も知らぬ
只その異形をを以て示すのみ
種別は怪人、名は残酷なり
知らぬ、知らぬ
その死の意味を誰も知らぬ――

残酷号事件』本文より


上遠野浩平事件シリーズ5作目『残酷号事件』。
4作目の禁涙境から4年ぶりか…
もはや設定とか忘れたと思うも、すぐに作品世界に没頭できた。

どこの国のものでもない中立地帯に降り立つ強大すぎる力を持つ怪人「残酷号」。

残酷号という伝説をめぐり様々な国・人物の思惑が交錯する。


もうね…
善と悪というものさしで測ることのできない物事をテーマにしていて、それを上遠野浩平が描くというのだから面白くないわけがない。

正義とは力とは。
個と国とは。

これらの相関関係の描き方も実に壮観でした。


さて、そのうち一度一気に読み返す必要もあるなと思ったのも事実 orz

tag : 残酷号事件 上遠野浩平 やまさきもへじ 講談社ノベルス 事件シリーズ

【ラノベ】ヴァルプルギスの後悔 Fire1.

ヴァルプルギスの後悔 Fire1.
"Repent Walpurgis" Fire 1. "Warning Witch"

上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫)ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫)
(2008/08/10)
上遠野 浩平

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奴は結局は悪党だった。そして俺も悪党だ。だがそんな悪人でも、自分の心を救ってくれるひとと出会えることもあるんだ。俺には救世主が必要で、そして―悪党こそ、それを絶対に裏切ってはいけないんだ。俺はそう思っている―

ヴァルプルギスの後悔 Fire.1』本文より

上遠野浩平のブギーポップシリーズのスピンオフシリーズ第2弾。
いまさら、ついに。
炎の魔女の話が開幕。

ブギーポップは世界を救う。
それに対して炎の魔女の凪は人間のために戦おうとする。
その価値観は非常に近いようで平行線の関係でもある。
そして今回の凪を巻き込んだ事件は決してブギーポップが介入することはない。


だからこそ、ブギーポップのシリーズの中でも核をなす統和機構をまただいぶ違った視点から見れたりだとか、凪のルーツの奥深いところまで見せてくれそうな気配がこの1巻からですらひしひしと感じた。

こいつは実に面白そうなシリーズになりそう。

tag : ヴァルプルギスの後悔 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【小説】トポロシャドゥの喪失証明

トポロシャドゥの喪失証明 ソウルドロップ彷徨録
上遠野浩平
イラスト:斎藤岬
NONノベル
トポロシャドゥの喪失証明―ソウルドロップ彷徨録 (ノン・ノベル 841)トポロシャドゥの喪失証明―ソウルドロップ彷徨録 (ノン・ノベル 841)
(2008/02)
上遠野 浩平

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「知的な興奮とか、数学の純粋な美しさとかよく言うが――それってどういうものなんだろうな」
本当に不思議そうに、彼は言った。
「世界をパズルのようなものに見立てているのか。それでぴったりと填ると気分がいいのか。しかしそれにしては――」

トポロシャドゥの喪失証明』本文より

ペイパーカットのシリーズ4作目。
位相幾何学なオブジェを作る芸術家のもとに届いたペイパーカットからの予告状。

いつものように「生命と同等の価値を持つもの(キャビネット)」をめぐる話なのだが、テーマは「位相幾何学(トポロジー)」。
証明をすることすら難しい数式や現実に対して果たしてどのようにイコールを求めていくのか。
そもそもそんなに難しく考える必要性すらあるのか。

難しそうに見えて、結構単純だったりすることなんて多々あるものだからこそ、幻想的な話も分解されて本質が見えると意外と現実的な話だったりする。
今回は実にそうゆうような話だよなぁ。


最初は「またブギーポップと関連のあるような単語とかいっぱいだしやがって。ここまでついてきたんだからどこまでもついてってやるよ」みたいな感じで読み始めたけど、最近はこのシリーズ単体だけでも十分楽しんで読めてるような気がする(笑

tag : トポロシャドゥの喪失証明 上遠野浩平 斎藤岬 NONノベル

【ラノベ】沈黙ピラミッド

ブギーポップ・クエスチョン
沈黙ピラミッド

上遠野浩平
イラスト:緒方剛志
電撃文庫
沈黙ピラミッド―ブギーポップ・クエスチョン (電撃文庫)沈黙ピラミッド―ブギーポップ・クエスチョン (電撃文庫)
(2008/01/10)
上遠野 浩平

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人は……ほとんどの人は一生かかっても、上にも下にも行けない。ものすごい達成感とか、どうしようもない絶望とか、そういった上下の起伏のどちらでもないような、中途半端なところをふらふらして、一生を終えるのだ。

上遠野浩平沈黙ピラミッド』本文より引用

随分久しぶりのブギーポップシリーズ。

友情とは恋愛とは世界とは生とは死とは。

そんな漠然としながらも答えられない数々の疑問を通り過ぎながらも、時間は止まることなく進んでいく。
おいおいちょっと待てよ、とまれ時間とか言った所で止まっちゃくれない。
まぁそんな壁のような疑問も後から振り返ってみれば実は些細な真実だったりするんだけれど。

そんな疑問という「壁」にぶち当たった人や統和機構の人たちが主役のこの『ブギーポップ・クエスチョン』。

そりゃあかつありえない設定の小説でフィクションなんだけれども、今までのシリーズに比べて彼らが感じた疑問ってのは結構身近なものに思えた。

久々に読んだブギーポップは確かに面白い要素はたくさんあったんだけど、一体このシリーズをどこに連れて行く気だーーともちょっと思ってしまった(笑


章ページの扉の可愛さは新鮮。
二頭身かよっ(笑


(それにしてもなんとも説明しづらい話だよなぁ、ブギーポップシリーズは。まぁそれがブギーポップってやつなんだって

tag : 沈黙ピラミッド ブギーポップ 上遠野浩平 緒方剛志 電撃文庫

【小説】メイズプリズンの迷宮回帰

メイズプリズンの迷宮回帰 ソウルドロップ虜囚録
上遠野浩平
詳伝社
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メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録 (ノン・ノベル)メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録 (ノン・ノベル)
(2006/11)
上遠野 浩平

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「あなたがどこに行こうが、それを止める者はいない―監視もされていないし、罰を与える者もいない。どこに行こうが、あなたの自由―そうじゃないんですか?」



上遠野浩平の「ソウルドロップ」シリーズ第3弾。

脱獄囚と出あった家出少女の有香の話。


迷っていた。
まさに誰もが迷っていた。
人生という迷路そして牢獄に。


ペイパーカットの絡みも絶妙のタイミングだったし、最後のオチも最高によかった。
全部が全部、合理的に説明されるわけでもないんだけれども、最後へ至る物語の流れがあるからこそ、こんな終わり方でもいいんだよなと思える。


毎度毎度、上遠野浩平の本は読むたびに「このシリーズは久しぶりだなぁ」と思えてしまう。
しっかりとシリーズを覚えてるのなんてないし(汗

でもよく考えたら別に大丈夫な気がせんでもない。
どれもシリーズ途中だろうとも楽しめるのばっかな気がする。

メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録 メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録
上遠野 浩平 (2006/11)
祥伝社

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【ラノベ】しずるさんと無言の姫君たち

しずるさんと無言の姫君たち
The Silent Princess In The Unprincipled Tales

上遠野浩平
富士見ミステリー文庫
しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales (富士見ミステリー文庫)しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales (富士見ミステリー文庫)
(2006/12)
上遠野 浩平

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「基本的に物語というのは身勝手と独善と、そして抑圧が絡み合っているものだけど、白雪姫というのはその中でも特に欺瞞が多い種類に入るでしょうね」



安楽椅子探偵モノであるしずるさんシリーズ第3巻。
今度はまるで童話のような殺人事件が4つ。
白雪姫、人魚姫、眠り姫、赫夜姫。
……あ、全部「姫」だったのか。

一見すると謎に満ちている。
けれども紐解いてみるとそんなことはない。

にしても副タイトルはよくできているよなぁ。
この本のことそのものじゃないか(笑

語られざる物語の黙する姫君、といったところか。


物語自体も少し動いたようだし、もしかしたら次が出る頃にはさらにしずるさんという物語自体が動くことになるかもなぁ。

tag : 上遠野浩平

プロフィール

∀ki(あき)

  • Author:∀ki(あき)
  • 自由に生きてます。
    色々読んだり見たりしてます。

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