【ミステリ】うちの執事が言うことには4

メフィスト賞→高里椎奈
03 /18 2017
うちの執事が言うことには
高里椎奈
角川文庫
うちの執事が言うことには (4) (角川文庫)
高里 椎奈
KADOKAWA/角川書店 (2015-03-25)
売り上げランキング: 24,005

「何を言ったんだ」
花穎が訊くと、衣更月は恭しく一礼を返す。
「口軽な執事は執事に非ず、でございます」

うちの執事が言うことには4』本文より

うちの執事が言うことには』4冊目。

衣更月の若造ぶりが抜けて来て執事っぷりと、そのプロっぷりが良い感じになりつつある。
そして主人である花穎も主人としての力量を見せ始めたので、あ、これはちょっと流れが変わりつつあるな、と。
今までの主人と執事のふたりともがまだ若葉マークだったのが彼らが出会う事件たちによって変わってきたんだなと。
なのでキャラクターたちの成長ぶりが著しく見られ始めたのとそれぞれに愛着が沸いてきたので楽しさが増してきたな。

【ラノベ】迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国

メフィスト賞→高里椎奈
02 /25 2017
迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国
高里椎奈
イラスト:THORES柴本
ビーズログ文庫

「……わたしも、自分を否定しなくても、他人を肯定出来る方法が分かりました」

迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国』本文より

高里椎奈の『迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国』。
なんというか「ここではないどこか」小説のような。
どこから来てどこへいくのか。探し物はなんなのか。
自分探しの小説というような感じの本に仕上がってるなぁ。
そしてまたイラストもまたどこのものでもファンタジー感がまたすごく雰囲気に合ってる。

【ミステリ】なりそこない

メフィスト賞→高里椎奈
10 /02 2016
なりそこない
高里椎奈
イラスト ancou
f-Clan文庫
なりそこない (f‐Clan文庫)
高里 椎奈
三笠書房
売り上げランキング: 764,168

「親ではなく、赤ん坊を連れて来て、疾しくて名乗れないなんて、それじゃあまるでこの中に誘拐犯が--」

なりそこない』本文より

高里椎奈の『なりそこない』。

ティーン向けを目指した新しい文庫での本という事で山中での一夜。
知らない者同士が集まった中に一人赤ん坊を連れた誘拐犯がいるかもしれないという緊張感の中で繰り広げられるミステリであり、ひとりひとりの慟哭にも似たそれぞれの年代の叫びを吐露させ、終わってみればいい話だったなと。
読みやすいし1冊完結だし、丁寧に張られた伏線にもにやっとさせられるものがあった。

【ミステリ】うちの執事が言うことには3

メフィスト賞→高里椎奈
07 /16 2016
うちの執事が言うことには
高里椎奈
角川文庫
うちの執事が言うことには (3) (角川文庫)
高里 椎奈
KADOKAWA/角川書店 (2014-11-22)
売り上げランキング: 232,108

「それでも、貴方は私が執事としてお仕えする、初めての主人でした」

うちの執事が言うことには3』本文より

うちの執事が言うことには』3冊目。

主人のもとをみんなが離れる時、ずっと主人に添い・仕えた彼らは何をもってそうしたのか。
その真意を出した時の主人と執事たちの関係性の深さに思わずにやっとした。
ここまで執事ものに終始凝ってる内容だからこそでシリーズとして成り立った3冊目だからこその楽しさだ。

【ミステリ】うちの執事が言うことには2

メフィスト賞→高里椎奈
09 /19 2015
うちの執事が言うことには
高里椎奈
角川文庫
うちの執事が言うことには (2) (角川文庫)
高里 椎奈
KADOKAWA/角川書店 (2014-07-25)
売り上げランキング: 28,385

お前は烏丸家の執事か? 僕の執事か?

うちの執事が言うことには2』本文より

うちの執事が言うことには」2冊目。
不本意コンビというか、主人と執事なのだけれども、執事のルールの徹底さ、でも徹底しきれない部分と主人のいささか若いがゆえの行動がいい感じに不協和音と、なんとか歩み寄ろうとするところとか。
なんとももどかしくもいい主人と執事になってきたじゃないか。

でも本当に不本意なのはこの上流階級世界だな。
1巻の時も思ったけど、いい感じに構築されてきた。
他の家がかかわってくるといい感じに別世界が押し寄せてきた感があって面白い。

【ミステリ】うちの執事が言うことには

メフィスト賞→高里椎奈
09 /06 2015
うちの執事が言うことには
高里椎奈
角川文庫
うちの執事が言うことには (角川文庫)
高里 椎奈
KADOKAWA/角川書店 (2014-03-25)
売り上げランキング: 78,383

「主人に従い、主人を助け、守り抜くのが執事です」
衣更月は答え、自ら新たな言葉を付け足した。
「--仮令、主人から信用されていなくとも」

うちの執事が言うことには』本文より

執事と主人のミステリ。
上流階級ミステリとはよく言ったもので、いったいどこのお坊ちゃんと執事の話だよ。
お金持ちすぎて、そしてしっかりと家の役割があって、と。
独特すぎて世界観もきっちりしているし、日常の謎の仕立て方、それに衣更月くんの完璧な執事を目指す物語としても面白いじゃないですかー。

【ミステリ】雰囲気探偵 鬼鶫航

メフィスト賞→高里椎奈
03 /01 2015
雰囲気探偵 鬼鶫航
高里椎奈
講談社ノベルス
雰囲気探偵 鬼鶫航 (講談社ノベルス)雰囲気探偵 鬼鶫航 (講談社ノベルス)
(2014/04/03)
高里 椎奈

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オーダーメイドのスーツは三つ揃い、ジャケットのスラックスのセンタープレスは美しい直線を保ち、袖から覗く白いシャツはモザイクタイルを用いたカフスボタンが袖口を留める。
まさに前時代的な探偵の装いだ。

雰囲気探偵 鬼鶫航』本文より


高里椎奈の『雰囲気探偵』。
これはずいぶん気楽に読める日常などのミステリ。
探偵は見た目も職業も探偵すぎるが、これ探偵じゃねぇw

いや、でも事件のひとつひとつの依頼からはじまり解決に至るまでは面白いんだよな。
それにこの探偵と経理のかけあいも読んでて楽しい。

【小説】バラトルムの功罪

メフィスト賞→高里椎奈
03 /16 2014
バラトルムの功罪 天青国方神伝
高里椎奈
イラスト:つよ丸
講談社ノベルス
バラトルムの功罪 天青国方神伝 (講談社ノベルス)バラトルムの功罪 天青国方神伝 (講談社ノベルス)
(2012/07/05)
高里 椎奈

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「一方的に我慢する関係は、共存とは言えない」

『バラトルムの功罪』本文より


邪神探しの旅がはじまった。
天青国方神伝」2巻目。

やっぱりフェンネル大陸のように自国を出て、この世界を説明してくれるような2巻目。
そしてやっぱり主人公のイオン君の頭の機転と、旅でなにを目的とするかが明確に描かれる。

でも似ているんだけれども、世界もまるで違うし行動規範もまた違う。
それが今後どう変化していくかを楽しみにできそう。

そんな海賊退治と周辺の国が抱える問題や、状況がだんだんと見て理解できる2巻目だった。

【小説】アケローンの邪神

メフィスト賞→高里椎奈
02 /16 2014
アケローンの邪神 天青国方神伝
高里椎奈
イラスト:つよ丸
講談社ノベルス
アケローンの邪神 天青国方神伝 (講談社ノベルス)アケローンの邪神 天青国方神伝 (講談社ノベルス)
(2012/03/07)
高里 椎奈

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「お伽噺とは、真実を密かに継承する為の目晦ましです」

『アケローンの邪神』本文より


天青国方神伝』1冊目。
シリーズが完結してから読もうと思ってたけど結局読み始めてしまった。

フェンネル大陸のように故国を出る理由が祖国の裏切りじゃあないけど、正義の在り処を問うような感じ。
またしてもかと思わなくもないけれども、それを補ってあまりある設定。
それにキャラクター。

ファンタジーという楽しさを随分と思い出させてくれるし、この世界をもっと見てみたいぞって気にさせてくれる。
法則世界ってあとがきにもあったけれどもこういうことか。
そもそもが邪神の復活というひとつのテーマからはじまっていて、それがまた邪神って一体なんなんだという問いかけからスタートするのも面白い。


さて、読み始めたからには最後まで楽しめますように。

【小説】祈りの虚月

メフィスト賞→高里椎奈
09 /21 2013
祈りの虚月
高里椎奈
イラスト:ミギー
講談社ノベルス
祈りの虚月 (講談社ノベルス)祈りの虚月 (講談社ノベルス)
(2013/05/08)
高里 椎奈

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一人は自由だ。
しかし、一人は寂しい。
近くにいるのが分かっていて、敢えて互いに背を向けているなら尚更だ。

祈りの虚月』本文より

高里椎奈の『虚月の祈り』。
カバーイラストがミギーさん。しかも深夜の学校で女の子たちの物語。
ふむ。読まねば。

孤独を感じる少女たちが夜の学校で虚月の日に起こるという噂をもとにして、その謎をといていく。

もう、彼女たちの心の移り変わりの優しい事。
表紙からして、それは感じれるくらいなのだけれども、言葉のやり取りと優しい謎がとてもとても素敵なのだ。

彼女たちの孤独が昇華され、ささやかな願いが少しの奇跡によって謎とともに表へと現れていく様はもうほんと。
いいよなぁ、と。

フェンネル以降よく本屋でも見かけるようになったミギーさんのイラストが再び高里椎奈の本で見ることができたのもとてもよかったです。

【小説】来鳴く木菟 日知り月

メフィスト賞→高里椎奈
01 /26 2013
来鳴く木菟 日知り月 薬屋探偵怪奇譚
高里椎奈
講談社ノベルス
来鳴く木菟 日知り月 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)来鳴く木菟 日知り月 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)
(2012/11/07)
高里 椎奈

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「選ばずに諦めれば傷付かないけれど、忘れられないなら、納得が行くまで考えないといけないね」

『来鳴く木菟 日知り月』本文より

薬屋探偵第2部6冊目『来鳴く木菟 日知り月』。

夢で見たことが現実世界で事件となる。
妖怪の仕業か、それとも。

おお。
薬屋探偵らしく、探偵をしつつ、妖怪か人間か事件を調べて、
そしてリベザルが葛藤する。

ものすごくスタンダードに薬屋探偵じゃないか。
外伝だったりが間にあったのと、薬屋さんはなかなかでないのでなんだか久しぶりのこの感じ。

世の中の理不尽や幸せといいきれない人の行動に憤って色々考えてしまうリベなんて久しぶりすぎる。
以前みたいに憤って悲しんで終わりじゃなくて、それでも行動しようと考えようとするあたり彼は成長したよなぁ。

童話風味で少し不気味な事件も素敵でした。

【小説】童話を失くした明時に

メフィスト賞→高里椎奈
04 /24 2012
童話を失くした明時に 薬屋探偵怪奇譚
高里椎奈
講談社ノベルス
童話を失くした明時に 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)童話を失くした明時に 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)
(2011/09/07)
高里 椎奈

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「追いかけたくても追いかけ方が分からなくて、追い付けた時を想像すると、嫌がられるのが怖くなって、要らないって言ってしまえたら楽なのに、本当は欲しいんです。手を放したくないんです」

『童話を失くした明時に』本文より

薬屋探偵怪奇譚の5冊目。

いつもと違った視点からはじまる物語。
秋とは別の探偵を通して、語られる「本が書き換わる」謎についてを追いかける。

薬屋の3人って傍からはこう見えるのかという新しい発見とともに、
昔懐かしい、古き良き探偵小説の雰囲気と怪談のような怪しい語り口が非常に魅力的だった。

そして視点が薬屋視点に戻っても、それはそれでいつもの3人が見られて満足。
特にリベザルの引用した言葉がすごく彼の今までの思いを吐き出していて、そして今回の事件に関して言葉足らずだけどすごく説得力のある言葉を伝えられるようになってて、なんかいいな、と。

【小説】遠に呱々泣く八重の繭

メフィスト賞→高里椎奈
05 /07 2011
遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚
高里椎奈
講談社ノベルス
遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)遠に呱々泣く八重の繭 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス)
(2011/02/08)
高里 椎奈

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「完全が存在しないという事を、完全に証明することは出来ない」
「パラドックスね」
「アカシックレコードは無能を知る全能だ」

遠に呱々泣く八重の繭』本文より

こういう詩的なやりとりが大好きだ。
さすが秋さん。

薬屋探偵怪奇譚4弾『遠に呱々泣く八重の繭』。

ある人物にかかわると不幸が降りかかるという噂の真相を探るために座木が学校に入り込む。
教師で白衣な座木って。
萌える。

人と妖怪を繋ぐ存在としての探偵としての役割。
そんな原点そのものを描いたかのような事件だった。
現代に通じるものも取り入れ、どことなく悲しさがぬぐえない話だよなあ。


それにしてもこの2期になってからのカバーやフォントや配置といい、ものすごく素敵だ。

【FT】天球儀白話

メフィスト賞→高里椎奈
11 /28 2010
天球儀白話 フェンネル大陸外伝
高里椎奈
イラスト:ミギー
講談社ノベルス
天球儀白話 フェンネル大陸 外伝 (講談社ノベルス)天球儀白話 フェンネル大陸 外伝 (講談社ノベルス)
(2010/09/07)
高里 椎奈

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願いに届くか否かで迷ってたら、届くものも届かなくなるぜ

『天球儀白話』収録『ロカ』本文より

サチのこの言葉がぐさっとささった。
おお。
いい言葉だ。

フェンネル大陸最後の1冊は短編集。
11の短編を収録。

フェンにロカにサチの話にetc
フェンネル大陸偽王伝」以前から「フェンネル大陸真勇伝」ラストまでの間に起こった本編からこぼれ落ちた優しい話をすくいあげたような物語たちでした。

そして表紙と裏表紙の素晴らしいことこの上ない。
涙でそうになった。
これが本当に最後の最後なんだなって。
そして表紙のひとりひとりがひとつひとつの話の主役で。

この物語たちあってのこの表紙だよなぁ。


素敵な古の物語をありがとうございました。

【FT】星々の夜明け

メフィスト賞→高里椎奈
07 /12 2010
星々の夜明け フェンネル大陸真勇伝
高里椎奈
イラスト:ミギー
講談社ノベルス
星々の夜明け フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)星々の夜明け フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)
(2010/07/07)
高里 椎奈

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フェンには力がない。
だが、フェンは独りではない。
「誰か助けて!」
この声が届くなら喉が嗄れて潰れても良い。フェンは両手の爪で土を抉り、大地に捕まって力の限り叫んだ。

『星々の夜明け』本文より

フェンネル大陸真勇伝の最終巻『星々の夜明け』。
これにてフェンの冒険は終幕。

すべてが決着した。
あぁ。
最後のページまで読み終わってしまった。
読み終わってからしばらく呆然としてた。

ラストシーンは一体どういう意味で描かれたんだろう、と。

少なくともそれが悲劇であれ、ほんの少しの希望であれ。
この物語におけるフェンがになった偽王としての役割と人々に与えた影響の大きさは測り知れないものだろう。
再び人が人として生きていけない世界が来てしまったとしても、彼女のような人物が再来するであろうことは予想が十分にされるほどのフェンの影響っていうのはあると思える。

世界に対しての抵抗と和解という手段をふっかけたフェンとその仲間たち。
彼らのひとりひとりの力が集まっていき、世界を変えたという様を最後まで見届けることができて本当によかった。


最後まで素敵な物語でした。

【FT】黄昏に祈る人

メフィスト賞→高里椎奈
06 /10 2010
黄昏に祈る人 フェンネル大陸真勇伝
高里椎奈
イラスト:ミギー
講談社ノベルス
黄昏に祈る人 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)黄昏に祈る人 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)
(2010/06/08)
高里 椎奈

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「子供なら駄々を捏ねれば良いんだ。拗ねれば良いんだ。なのに、誰もいないのが当然って顔して」
「その癖、自分は誰にでも味方する」
アシュレイが面白くないという風に口許を歪める。ロカは悔しくて、フェンにも腹が立って、止まらない涙を袖に押し付けた。

『黄昏に祈る人』本文より

フェンネル大陸真勇伝4作目『黄昏に祈る人』。
舞台は再びはじまりの地であるストライフ王国へ。

フェンを島流しにした兄や家族たちと再び再会する。
自分自身が王族であると同時にストライフ王国にとっては偽王を名乗った敵でもある。

自身の秘密を知るために故郷へ戻る。
この時を読者として待ち望んでいた。
フェンは最初はたったひとり。けれどもシリーズを通して諸国を巡り、仲間も増え、理解してくれる友人もたくさんできた。
その上での凱旋。あるいは知るべきではない真実を知ってしまうのか。

この凱旋こそが最後の最後に語られるであろうことはシリーズがはじまってから分かっていた。
いったいここで何が明かされるのか。
すごく楽しみにしてた。

いざ読んでみると…
なんとも言えない気持ちになった。
この明かされた真実は…
なんとコメントしたもんか悩むくらいに。

着地するべきところに物語は着地した。
まるで運命がフェンを試しているかのような感じすらする。


泣いても笑っても次で終演。
フェンにとって幸のあるラストが待っていますようにと祈るような気持ちで最終巻を待ちます。

【小説】ミラーサイト・ドロップス

メフィスト賞→高里椎奈
04 /27 2010
ミラーサイト・ドロップス mirror-sight drops
高里椎奈
講談社ノベルス

「戦場に出たら、一人でも多くの敵を殺せと命じられる。しかし仮令、敵国でも、罪もない誰かを殺した上に成り立つ平和に、私は慣れることが出来ない」

ミラーサイト・ドロップス』収録『遠く近い君へ』本文より

こういう気概の持ち主だからフェンが、そしてフェンの物語が好きなんだよなぁ。

高里椎奈10周年の講談社ノベルス全プレ本『ミラーサイト・ドロップス』。
すごく丁寧なつくりの本でびっくりした。
そしてなにより10周年を記念するかのように様々なシリーズの短編が収録されていて、それもまたすごくいいです。
これでもか!ってなくらいに高里椎奈さんの文章を堪能させてもらいました。

やっぱりどのシリーズもすごく思い入れも思い出もあるものだなぁと再認識。
これからも着いていくぜっ(笑


収録話:
・「←薬屋の正しい使用法入門」<薬屋探偵妖綺談>
・「兄と弟と」<薬屋探偵妖綺談>
・「reason why」<薬屋探偵妖綺談>
・「孩児の夢」<フェンネル大陸 偽王伝>
・「遠く近い君へ」<フェンネル大陸 偽王伝>
・「urtext」<ドルチェ・ヴィスタ>
・「[v]onus track」<玻璃月蜻蛉縁物語>

【小説】ダウスに堕ちた星と嘘

メフィスト賞→高里椎奈
10 /12 2009
ダウスに堕ちた星と嘘 薬屋探偵怪奇譚
高里椎奈
講談社ノベルス
ダウスに堕ちた星と嘘 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス タT- 30 薬屋探偵怪奇譚)ダウスに堕ちた星と嘘 薬屋探偵怪奇譚 (講談社ノベルス タT- 30 薬屋探偵怪奇譚)
(2009/10/07)
高里 椎奈

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想いという不確かな代物は、質量を持つ物質と異なり、取り出して相手に見せる事が出来ない。
存在を疑われ、信じる者がいなくなった途端に消えてしまう妖精の様に、相手の中にあると信じなければ、消えてしまう儚いものだ。
無形だから信じられない。
信じないから消えて失う。

ダウスに堕ちた星と嘘』本文より


高里椎奈の『薬屋探偵怪奇譚』3冊目。

枕石公園で起きる怪異。
人が地中に引き込まれ埋められるという事件をリベザルは請け負うことに。

リベザルの責任感ある事件への態度がかわいい (*´Д`)
柚之助と共に事件の調査をしていたから余計にかもしれないけど(笑

秋や座木の背中を見て、その視線を描いた前シリーズ。
今度は秋たちと同等の立場に立って行動しているだけに自らの背に乗っかる責任。
それをしっかり感じながら一歩一歩成長していってるよなぁ。

また様々なキャラクターたちとの再会やさりげない助けの手が非常に温かいところもよいです。
まったく…
リベザルはいい縁に恵まれて、そして愛されてるよな。


この薬屋探偵怪奇譚の3冊目とフェンネル大陸真勇伝の3冊目で応募券が揃ったので、全プレの書き下ろし短編集に応募しますか。
楽しみ。

【FT】雪の追憶

メフィスト賞→高里椎奈
08 /10 2009
雪の追憶 フェンネル大陸真勇伝
高里椎奈
イラスト:ミギー
講談社ノベルス
雪の追憶 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス タT-)雪の追憶 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス タT-)
(2009/08/07)
高里 椎奈

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あたしが眠っている間に何処かへ行こうとしたら、決して行かせないでね

雪の追憶』本文より

フェンネル大陸真勇伝第3巻「雪の追憶」。

フェンとともに旅を共にしていたサチが消えた。
彼が口にしていた「英雄の弟を探す」という言葉とかかわりがある地で。
フェンネル大陸偽王伝からの大きな伏線がついに明かされた。

サチの謎。
多くの旅路を経てついにこの時が来た、まさにそんな感じだったんじゃないだろうか。

彼がここまで誰にも語らなかったサチの過去。
北国トラリオンでの神を信仰する人々の祈りと国の英雄。
いや、英雄などいないとされていたというべきか。

サチの過去とサチのいた国の物語がゆっくりと動き出し、そしてフェンたちとのこれまでの旅路でサチが得たものが収束していった。

それはまるでついに旅路の終わりが見えてきたような展開のように思えました。


もう今までの長い旅路があったからこそのしんみりと来る話だよなぁ。

ラストの、そう最後へのラストスパートを思わせる引きも次巻への期待を膨らませてくれます。

さて再来月は薬屋さんの久々の新刊。
そっちも期待してます。

【小説】小説 レッド・クリフ 下

メフィスト賞→高里椎奈
03 /19 2009
小説 レッド・クリフ
高里椎奈
脚本:ジョン・ウー/カン・チャン/コー・ジェン/シン・ハーユ
講談社
小説レッドクリフ(下)小説レッドクリフ(下)
(2009/03/11)
高里 椎奈ジョン・ウー (脚本)

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「周楡。認めたくはないが、今回はお前にまんまと騙された」
月に語りかけるように、曹操が呟く。川に向かって風が吹き、彼の裳の裾が乾いた音をさせてはためく。唇を引き結んで対岸を見据え、曹操は身を翻した。
「三日以内に全軍、川を渡り、赤壁に総攻撃を仕掛ける!」
遂に、最後の命令が下された。

『小説レッドクリフ 下』本文より

高里椎奈による映画『レッドクリフ』のノベライズ下巻。

いよいよ赤壁の戦い。
策略と策略がぶつかりあい、友情や愛情も戦いを通して育まれていく中で赤壁へと突入していく様が見事だ。

確かにレッドクリフはアクションが見ものだが、心の葛藤も十分に面白いじゃないか。
特に下巻では女性陣の内面が多く描かれており、物語も女性達の動きによってある場所では悲劇に、ある場所では男性人に決意を促していく。

こういう描き方は小説版ならではなのかもしれない。
でも脚本をベースにしているわけだから、これを読んでからだと映画の「PART2」をより楽しめそうな気がする。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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