【小説】ロード&ゴー

メフィスト賞→日明恩
10 /20 2012
ロード&ゴー
日明恩
双葉文庫
ロード&ゴー (双葉文庫)ロード&ゴー (双葉文庫)
(2012/09/13)
日明 恩

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「確かによ、至らないことばっかりだよ、救急隊は。けどよ、これだけは判って欲しいんだ。救急隊員の誰一人、苦しんでいる人を助けたくないなんて思っている奴はいない。もっと苦しめ、酷い目に遭えなんて思ってる奴はいない。みんな助けたいと思ってる」

ロード&ゴー』本文より

日明恩の『ロード&ゴー』。
今度のお仕事小説は救急隊。
警察、消防、そして今度は救急。

お仕事小説だけじゃない。
救急車ジャックという窮地に陥ることで、より光る救急隊員たちの勇ましさ、そして誰よりも人を助けたいと思っている熱さを感じた。

もう冒頭50Pで救急隊員たちの日常ぶりを細かく描き、彼らの大変さと人を救うことの難しさを目の当たりにし、そこからの急転直下の事件へ至る過程なんかものすごく熱い!

まさかの救急と犯罪のコラボレーション。

今までの警察ものや消防もので培ってきた日明恩の経験がこれほどまでに生かされる内容になるとは。
もちろんメインは救急。
だけれども消防や警察の描かれ方も実に丁寧だし、いままでどんだけ取材や調査をしてきたのだろうと思わせられる見事な作家と言うお仕事ぶりを目の当たりにすることになった。

これは面白い。
事件の刻一刻と迫るタイムリミットに対する彼らの活劇はまるで映画のようで、スリリングで、そして謎解きでもあり、なによりこれはエンターテイメントそのものだ。

【小説】ギフト

メフィスト賞→日明恩
06 /18 2011
ギフト
日明恩
双葉社
ギフトギフト
(2008/06/17)
日明 恩

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――幽霊や殺人鬼や悪魔や化物よりも、やっぱり一番怖いのは人間ですよね。

ギフト』本文より

日明恩の『ギフト』。
埋み火以来なかなか見かけないなと思ってたら双葉社の方に行ってたのか。

幽霊の見える少年が出くわす事件。
幽霊たちは何を思ってここに残っているのか。

レンタルビデオ店で少年が借りていく様々な映画のタイトルと共に、語られていく物語。
「シックスセンス」に「ゴースト」に「スーパーナチュラル」に「天国から来たチャンピオン」にetc

その映画と物語のからめ方が映画好きにとってはたまらない。
メインとなっている映画も映画好きならラストを疑ってかかること間違いなしだけれども、いやいや、いい意味でラストを裏切ってくれてよかった。
ずっと淡々と幽霊と少年の話をひとつひとつ丁寧にするからあっけなく、やっぱりそうか、って終わり方になるもんだとばかり思ってたから。

【小説】そして、警官は奔る

メフィスト賞→日明恩
11 /08 2005
そして、警官は奔る
日明恩
講談社
そして、警官は奔るそして、警官は奔る
(2004/02/26)
日明 恩

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あらすじ

刑事課所属の武本は不法滞在者である外国人の子どもが売買されている事件を追うことになった。
不法滞在、児童ポルノ法、日本国籍取得問題、棄児問題…
日本における法律というボーダーラインの狭間で起こる物語。

武本&潮崎の警官シリーズ第2弾。



感想とか

日明恩ってどんな作家?と聞かれたら今もどこかで起こっている問題を問い掛ける作家って答えると思う。
日明恩の本を読んでいる時に、新聞の記事やニュースで取り上げられていた事件を思い出したりする。
小説を読んでいるのでそこにあるのはフィクションのはずなんだけど、いつの間にか実際にあった出来事を小説化したものを読んでいるような錯覚に陥ったりしてしまう。
今のところ全てそういう作風だよなぁ、今までの4作。


例年どおりなら来年は「警官」シリーズの方がでるんかな。
さてキャリアになった潮崎はどうやってどんなふうに警察という組織を変えていくのかが気になるところ。

【小説】埋み火

メフィスト賞→日明恩
09 /02 2005
埋み火
Fire's Out

日明恩
講談社
埋み火埋み火
(2005/08/19)
日明 恩

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鎮火報シリーズ第2弾。
9月には1作目「鎮火報」の講談社ノベルス版が出るらしい。

消防士の大山雄大は鎮火後の現場の状態から不審な点に疑問を抱く。
調べていくにつれ失火から放火自殺ではないのかという疑いを持つようになり……。

父親が殉職した消防士で、人助けが原因で死んだ父親に対していい印象をまったく抱いていない
けれども自身も消防士選んだ主人公。
別に頭がいいわけでも体力バカでも、ものすごく機転がきくわけでもない。
消防士という職業を選んだただの22歳。
けれどもその彼が言う『あまりにもまっすぐすぎる言葉』がえらくカッコいい。

物語も現代の親と子、死と遺産と子供の問題に読者も考えさせられる。
現代特有の社会問題だよコレは。

誰にとっての世界も自分を中心に回ってるけど、自分の周りにいる人たちがいてはじめて成立する世界。
そう考えると親とか周りにいてくれる人って大切な存在だなってあらためて思えた。




次作が出るんだったら女っ気をちょっとでもいいので出してほしいなぁ(ボソッ

【小説】鎮火報

メフィスト賞→日明恩
08 /24 2005
鎮火報
Fire's Out

日明恩
講談社
鎮火報Fire’s Out鎮火報Fire’s Out
(2003/01)
日明 恩

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消防士の父を火災現場で亡くした大山雄大。
消防士になりたての彼は火災現場の最前線で日本の制度や日本の国家性がもたらす様々な問題に直面する。

鎮火報シリーズ1作目。
2作目の埋れ火は最近出た模様。


消防士と市民の関係。
消防と警察。
不法滞在者問題と入国管理局。
物語の中で描かれる対立する立場の人同士の本音のぶつけ合いは背筋にゾクゾクきた。
そしてそれがえらくカッコいい。
特にラストの雄大の慟哭が。

現場から人を救助する消防士や救急隊員。
しかしそれを救助される側から見たらどうなんだろう。
助けてくれるのが当然だと思ってはないだろうか。
だが救助する側は命がけの時もあり、その仕事は仕事だからという理由だけではやっていけないものなのかもしれない。

∀ki(あき)

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