【小説】 レベル98少女の傾向と対策

メフィスト賞→汀こるもの
01 /03 2016
レベル98少女の傾向と対策
汀こるもの
講談社ノベルス
レベル98少女の傾向と対策 (講談社ノベルス)
汀 こるもの
講談社
売り上げランキング: 436,637

「……いっちゃんって魔法少女じゃなかったの?改造人間なの?」
「両方だ。魔術を究めるのに常人ではいけない。……改造人間というのは何だか。どちらかと言えばデザイナーズチャイルドだ」
何それ格好いい。ガンダムとか乗れそう。

レベル98少女の傾向と対策』本文より

中学生にして戦闘能力は最強。
あらゆる妖怪魑魅魍魎を使役し、でも精神的に普通の中学生の女の子。
痛さは前巻を余裕でしのぐ感じ。
最強魔法少女の憂鬱とでもいわんばかりの。

使役されちゃった側も人間と現代の風習に染まりっぱなりで、ああ、以前あったであろう威厳はいったいどこに(笑

ラストの強烈な怨霊との真っ向勝負では勝負にすらならないけど、結局圧倒的優勢にもっていくさまはこれぞ最強少女、と(笑

楽しい読書であった。

【小説】ただし少女はレベル99

メフィスト賞→汀こるもの
11 /01 2014
ただし少女はレベル99
汀こるもの
講談社ノベルス
ただし少女はレベル99 (講談社ノベルス)ただし少女はレベル99 (講談社ノベルス)
(2014/02/06)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「仲間に入りたくばおぬしも人に化けてトールキンを原書で読むがいい」

ただし少女はレベル99』本文より


最後の参考文献をちらっと読んで辟易し、一度はそっと本を閉じた。
あかん、これはたぶん好きやわ。

妖怪もの、神道に陰陽道に仏教をぶちこみ、京極夏彦世界観すらもねじ込み、シュタインズ・ゲートでいうところの世界線すらも入れ込みよった。

ありとあらゆる意味でカオスだが、こんだけ妖怪をだし、ヒロインはレベル99のもはや人間と呼んでいいものかという存在。
ならば、もちろんラストに訪れる危機はこれだよなっていうところに収束するあたり。

もはやサブカルチャーと映画とアニメと本に毒された人々にとってはニヤニヤするしかないのである。
もーラストがたまらんなぁ。

それにしてももし妖怪や天狗になろうものなら、永遠ともいうべき命を持ってしまったならば。
あの作家とかあの作家とかの輪廻転生後の作品が読めるのを待てるという発想に唖然。
その手があったかw
くっそぅ。この妖怪さん方、妖怪人生を楽しみすぎててどうしてくれよう。うらやましいぞ。

【ミステリ】溺れる犬は棒で叩け

メフィスト賞→汀こるもの
08 /24 2013
溺れる犬は棒で叩け THANATOS
Who is the Monster?

汀こるもの
講談社ノベルス
溺れる犬は棒で叩け THANATOS (講談社ノベルス)溺れる犬は棒で叩け THANATOS (講談社ノベルス)
(2013/07/04)
汀 こるもの

商品詳細を見る

人間が恩を売るのは見返りがほしいから。見返りが期待できない相手は息の根を止めるしかない。――復讐、仇討ち、大いに結構じゃん!

溺れる犬は棒で叩け』本文より

死神タナトスきゅんシリーズ8冊目。もう8冊かよ。

「うちの親戚がこんなに横溝なわけがない。」という帯で爆笑し、旧家で起こる事件の横溝っぷりに対して斜めに構える真樹と相変わらずの美樹の滔々とした語りのギャップが楽しい。

そして今回も「鯉」をテーマに、ほんとなんで鯉をテーマにトリックから今回の事件の彩りから全てが鯉に収束していく。
なんでだよ。
こんなに鯉って濃いテーマなのか。
雑学もそうだけど、Wikipediaにない鯉の事実とはこういうことなのかと思い知らされるほどに濃かった。

【小説】少女残酷論

メフィスト賞→汀こるもの
01 /27 2013
少女残酷論 完全犯罪研究部
汀こるもの
講談社ノベルス
少女残酷論 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)少女残酷論 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)
(2012/12/06)
汀 こるもの

商品詳細を見る

ナムのジャングルも知らない女ごときがちょいと火器を持ったくらいで調子こきやがって、よろしい、ならば戦争だ! 攻城戦の恐ろしさをこのオレが貴様ら大バビロンの淫売の末裔どもにとっくり教えてくれる!

少女残酷論 完全犯罪研究部』本文より


実にファッキンな小説だった。
完全犯罪研究部の面々がおおはしゃぎすぎるぜ。

友人(?)が妊娠したから学校にたてこもる女子生徒たちの籠城戦を学校側の許可ありきで攻め落とそうとする彼らのたのもしいことと正論といったら。

一応一貫して「女の子」を巡る、そう、タイトルに関しているような「少女残酷論」が適しているないようなのだけれども。
それらが痛快愉快。
こんだけはっちゃけてると読んでてうきうきしてくる。

Twitter炎上の犯人を捜すミッションといい、天使ちゃんまじ天使な件といい、4文字もえタイトルといい、ああもう実に現代を生きる作家だな、もう。

しかも作者と同年代なのか、彼女の出すネタというネタが面白い。
少なくとも高校生というオタたちとはいえ、まず飛び出すことはない「あかほりさとる」ネタとかさ。
彼らぜったいしらねーよw


終始はじけまくりな内容が非常に楽しかったでございます。

【ミステリ】立花美樹の反逆

メフィスト賞→汀こるもの
10 /05 2012
立花美樹の反逆 THANATOS
Victim for Emptiness

汀こるもの
講談社ノベルス
立花美樹の反逆 THANATOS (講談社ノベルス)立花美樹の反逆 THANATOS (講談社ノベルス)
(2012/04/05)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「……どうして新興宗教団体に潜入する前に高田崇史か京極夏彦を読まないんだ!」

立花美樹の反逆』本文より

激しく同意。

タナトスきゅんシリーズ7作目。
『涼宮ハルヒ』っぽいタイトルだなと思ってたら、やっぱり触れられてた。
ですよねー。

表紙がピラルクーということで、しかも鳥羽水族館が提供だと。
そんなピラルクーへの愛だったり、ピラニア談義、もちろん「ピラニア3D」を含むおさかな愛もいっぱい感じた。
というより、まさかピラルクーからあんなトリックをひねり出してきたのにはもうびっくりだよ。

ってかもいうネタと言うネタが楽しすぎて、
特に小説読みでアニメ好きで映画もドラマも特撮からゲームまで好きですよ。もちろんサブカルもお魚もという愛と言う愛が溢れるヲタ臭まみれ雑学まみれの中で発揮されるミステリとして、そしてこの物語の真相とこれまでのシリーズが積み上げてきた設定を使ったトリックこそが神髄。

くそうくそう。
やられた。

あまりに面白い地の文や、明らかに意図的に並べ替えられた章にミステリ読みとして過剰反応していたら、びっくりするほどの真相を見せつけられてびびった。


個人的に作者が同郷というのとネタを楽しむ世代が似通ってるのも読んでて楽しいです。

【ミステリ】空を飛ぶための三つの動機

メフィスト賞→汀こるもの
12 /07 2011
空を飛ぶための三つの動機 THANATOS
No Motive, No Life.

汀こるもの
講談社ノベルス
空を飛ぶための三つの動機 THANATOS (講談社ノベルス)空を飛ぶための三つの動機 THANATOS (講談社ノベルス)
(2011/10/06)
汀 こるもの

商品詳細を見る

常識的な解決ができたのはナリタ死亡直後まで。もうそれは望めない。空でも飛ばなければ逃れられないぞ

空を飛ぶための三つの動機』本文より

タナトスきゅんシリーズ6作目。
安定した双子だなぁ。高月も湊もいつもどおりで安心。
ああ。なんか久々のこのシリーズだったから楽しくて仕方ない。

双子が以前遭遇した事件を推理する話。
実際の話には登場人物たちは巻き込まれていない。
いかにすれば美樹のもつ「死神」の能力に巻き込まれても生き残れるのかを刑事たちが模索する。

…という話だったはずなのだがなのだが。

メタミステリでありながらも、現実でも事件が進行して。
そんでもって実際の解決方法、そしてタイトルの「空を飛ぶための三つの動機」というタイトルがついている理由にびびった。
かなり特異な分野のミステリだなーと思ってたら、真っ向勝負のミステリを挑まれたような感覚に陥って思わず参りましたと降参したいくらい。
やられた。
そして面白かった。


それにしてもサブカルというサブカルのネタが楽しくて仕方ない。
どんだけ雑学入れてるんだよ(笑

あと合法ロリミニスカポリスがすごくいいキャラだった。


なにげに買おうとしたらサイン本だったので確保できて満足。
さすが大阪府の某本屋。

【小説】動機未ダ不明 完全犯罪研究部

メフィスト賞→汀こるもの
12 /02 2010
動機未ダ不明 完全犯罪研究部
汀こるもの
カバーイラスト:一橋真
講談社ノベルス
動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)
(2010/11/03)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「『アンカット特装版魍魎の匣』は東條のアニキが買ったんだろうが!引き取れよ!」
「ヤだよあれ切らなきゃ読まねーんだろ」
「じゃ買うなよ!」
「積ん読は文化です」

『動機未ダ不明 完全犯罪研究部』本文より

あんなの魍魎の匣は切れない。
切れないよぅ。
そしてふと思ったアンカット版に関わらず、京極堂シリーズは自炊したら読みやすし本棚にも優しいんじゃ!?
あとスカイ・クロラを自炊するかの議論で分解は不可とした佐竹には同意せざるを得ない。
あの装丁は芸術。

まさか2冊目が出るなんて思わなかった。
こるものさんの『完全犯罪研究部』2冊目。

ありとあらゆるサブカル知識を披露しながら現代に生きる高校生ミステリ愛好家たちの実際にあんなことやこんなことやっちゃった的なはちゃめちゃ群像劇っぷりが痛々しくて大好きだ。

いかにしてマクガイバーのごとくいまある持ち物を使って格子を切って脱出するかというところなんてげらげら笑った。

【ミステリ】完全犯罪研究部

メフィスト賞→汀こるもの
05 /12 2010
完全犯罪研究部
汀こるもの
カバーイラスト:一橋真
講談社ノベルス
完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)
(2010/03/05)
汀 こるもの

商品詳細を見る

密室が好きだ、クローズドサークルが好きだ、物理トリックが好きだ、アリバイが好きだ、叙述が好きだ! 館で、列車で、学園で、戦場で、シェルターで、無人島で、閉ざされた村で、この地上で行われるありとあらゆる殺人事件が大好きだ!

完全犯罪研究部』本文より

汀こるものの『完全犯罪研究部』。
タナトスシリーズにもちょいと触れてる、ってか真樹ちょこっと出てきてる。

タイトルのとおり「完全犯罪研究部」が高校生の闇に触れた事件に首を突っ込んでいく話。
不倫やレイプに自殺や学校闇サイトもどんとこい、完全犯罪で迎え撃つと言わんばかりの内容。
明るく楽しく高校生活なんてクソ喰らえ。この昏さこそがむしろこの本のポップでクールな雰囲気を醸し出してるんだと思う。


青春だなぁ。
痛いなぁ。
いいなー。実に高校生的だなぁ。

ミステリが好きで、海外ドラマのCSIなんかのマネというかそのものをやっちゃったりとか実際に犯罪を計画したり、世界そのものが死んじゃえばいいのに発言みたいなものとか、どんだけ高校生的なんだ(笑
そもそもがあれだ。
「この国には死が足りない」なんて名セリフも震えるほどにクールだ。
大人には絶対真似できねー。
真正面からこんなことを書いてのけてくれる汀こるもの氏の姿勢が素晴らしい。

かなり痛々しい感じの内容なんだけど、高校生なら仕方ないなと見てるこっちが恥ずかしくなる不思議な本でした。
もうなんだよこの部員たちのはっちゃけ具合は。
正直この原動力がすごく羨ましい(笑
そしてミステリへの傾倒具合もたまらなくよいです。

【ミステリ】リッターあたりの致死率は

メフィスト賞→汀こるもの
05 /10 2010
リッターあたりの致死率は THANATOS
kill on purpose per liter

汀こるもの
講談社ノベルス
リッターあたりの致死率は THANATOS (講談社ノベルス)リッターあたりの致死率は THANATOS (講談社ノベルス)
(2009/04/08)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「この現世は喰うか喰われるか、殺すか殺されるかです。君は何を信じますか?」

リッターあたりの致死率は』本文より


双子探偵THANATOSシリーズ4作目。
傑作。
あぁ。まさかここまでのものが読めようとは。
先に5作目を読んでから、この4作目でなにかとんでもないことが起こったのはわかっていたけれども、ここまでインパクトのあるものとは思わなかった。


美樹きゅん誘拐事件やその誘拐の巧みなこと。
犯人側のネットなど現代的な手段であるデジタル/アナログ手段を用いて警察をかく乱する劇場型犯罪。
この身近な手段でもって現実的に起こすことが可能なのではないかとすら思わせてくる。

また表紙にもなっている「闘魚」にまつわるダーウィニズムや海の中などの生態系の戦いを背景にしながら、それになぞらえた内容にも驚愕した。
本のテーマと本の中で記される雑学とも思える内容が一致した時、特に「生き残る」テーマが本の最前線まで姿を現した時の高揚感。
「いまスゴイものを読んでるかもしれない」とすら思ってしまった。

そりゃ闘魚が表紙の時点でなんとなくそうなるだろうなとは予想したけど。
予想以上のものでした。

もちろんミステリ部分も十分に楽しかったです。


ミステリ×劇場型犯罪×死神タナトスきゅんの面白さが凝縮された至極の1冊です。

【ミステリ】赤の女王の名の下に

メフィスト賞→汀こるもの
12 /27 2009
赤の女王の名の下に THANATOS
The Blind Watchmaker

汀こるもの
講談社ノベルス
赤の女王の名の下に THANATOS (講談社ノベルス)赤の女王の名の下に THANATOS (講談社ノベルス)
(2009/11/06)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「湊さん。自分ではうまく生きてるつもりかもしれないけれど。貴方、眠っていても起きているときと同じように仕事ができるんですよね?――貴方の存在において、貴方の魂と精神は必要なんですか? 貴方は」
からかうように、美樹は笑った。
「本当にこの世界に適合しているんですか?」

赤の女王の名の下に』本文より

双子探偵THANATOSシリーズ5作目。
赤の女王の名の下に』。
さぁ今度はルイス・キャロルにちなんだタイトル。


これは知識という知識が刺激される本だ。
もはや館の中で起きる殺人事件と、それを隠蔽しようとする一族のミステリとしての話なんてほとんど興味はない。
それはそれで面白かったが。

それよりも進化という言葉についての深い議論が人の深層心理を浮かび上がらせるところがぐぐっと引き込まれた。
科学的に、進化論的に。
さまざまな文学やミステリにマンガにテレビなどの考証を経て、それが実にどうでもいい話でありながらも、実はどうでもよくなく。
散りばめられた雑談がひとつの構造を成した時にこそ、この本のもっとも深い場所へと誘ってくれる。


軽快な雑談の楽しさもさることながら、あまりに深い知識をどんどんと出してこられるような面白さもしかり。
読んでいてページをめくる手がとまらないというのはこのことか。

素直に楽しかったです。

【ミステリ】フォークの先、希望の後

メフィスト賞→汀こるもの
10 /10 2008
フォークの先、希望の後 THANATOS
Hedgehog's Dilemma

汀こるもの
講談社ノベルス
フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス ミI- 3)フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス ミI- 3)
(2008/10/07)
汀 こるもの

商品詳細を見る

ここでは誠意のない者、狂気に囚われた者こそが信頼に値し、愛と正義を信じるものほど危険なのです。善意などまやかしです。目に見えるもの、指で触れるものは何一つ信じてはいない。

フォークの先、希望の後』本文より

THANATOSシリーズ3作目『フォークの先、希望の後』。

あぁ。まただよ。
副題が「Hedgehog's Dilemma」だよ。
前作が「まごころを、君に」だっただけに確信犯だな。
これ確実にエヴァンゲリオンの第4話「雨、逃げ出した後 Hedgehog's Dilemma」だよな…

などと思っていたところ本文中に同じようなセリフがあったのでびっくらこいた。

エヴァをよく知ってる人がいたら、きっと非常に楽しい本だと思う。
本文中にどんだけネタが含まれていたことかw
また、作者なりのエヴァの解釈を本筋に絡めなているかのような内容が読めるのも面白いところ。
そんなわけでまたタイトルに釣られました。
ちくしょう。


今作はミステリというよりも死神「タナトス」の絶望と希望を描いたもの…かな。

周りにいる人を次々に死に至らしめる不能犯であるタナトス=美樹。
誰のせいでもない。
ただ周りの人が死んでいくため。
それゆえに周りから疎まれるだけの存在。

そんな彼の心に迫っていくわけだが。

これがまたいいのだ。
随分ひねくれたラブストーリー。
いや、ラブストーリーではないな。
近いんだが遠いような(笑

さながらハリネズミのジレンマのごとく、タナトスとの交流は非常に厄介極まりないもの。

それを随分と遠まわしに事件の謎と解きつつゆっくりと心を解きほぐしていく。

まったく…
これまでのひねくれた少年像が今作でさらに変わったかもしれない。
くっそ、また面白いものを書いてきやがって。
巻を進めるごとに最初に感じた狙いすぎの双子美少年探偵しかも中2病っぽいミステリという印象が変わってきたなぁ。

ミステリではなかったかもしれないけど、非常に面白いものが読めました。


もちろんこの記事執筆中のBGMは新世紀エヴァンゲリオンのDVD-BOXにあった音声特典の「Hedgehog's Dilemma」と「THANATOS」をループして聞いてます(笑

【ミステリ】まごころを、君に THANATOS

メフィスト賞→汀こるもの
05 /17 2008
まごころを、君に THANATOS
sweet to sweet

汀こるもの
講談社ノベルス
まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス (ミI-02))まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス (ミI-02))
(2008/05/09)
汀 こるもの

商品詳細を見る

一瞬の美のために生まれて死んでいく。一瞬のために

まごころを、君に』本文より

THANATOSきゅんシリーズ2冊目。
美少年双子探偵もの。

一人は探偵でもう一人は死神。
ともに美少年でナマイキ(笑
それにプラスして二人の子守である刑事が語り部。

相変わらずのアクアリストっぷりを見せ付けられ、またこの延々と続く講釈を読み続けなければいけないのかよ…
今回はグッピーの生態と遺伝について、メンデルの法則をメインに語られる。

というのが今回の魚マニア=アクアリストの死神が語ってくれるメインなんだけれども、それが関わってくる後半が面白すぎた。

認めたくないというか、なんだか気に喰わないけれども面白かった。


最初は「まごころを、君に。かよっ。エヴァかっ。今度はエヴァなのか!?美少年探偵でそれ系の属性の人たちにウケがよかったからってエヴァかよ」なんて思った。
で、やっぱりエヴァに影響を受けた世代としては気になって買った。
前作は正直うんちくは面白かったくらいにしか思ってなかったら期待しなかった分おもしろかったのもあると思うんだが。

グッピーもメインなんだけれども、今作では随所にシェイクスピアからの引用が見られる。
(正直「マクベス」と映画「ハリー・ポッター」の共通点なんてはじめて気づかされた。

その引用の量とその引用が後半にかかって来るまるでシェイクスピア作品らしき「悲劇」を描かれたとあっては興奮せざるを得ない。


なんでグッピー談義から悲劇が生まれてしまったのか謎である。
確かにグッピーなくしては、今回の話は成り立たない(笑
しかもしっかり悲劇。

それに今回の事件がシェイクスピアの「ハムレット」や「マクベス」「テンペスト」などの内容を織り込むことで、ミステリというよりも明らかに「悲劇」としか言えない展開に次から次へとつながっていったことに驚愕した。


前作より明らかに面白かったです。

【ミステリ】パラダイス・クローズド

メフィスト賞→汀こるもの
01 /23 2008
パラダイス・クローズド タナトス
Paradise Closed THANATOS

汀こるもの
講談社ノベルス
パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)
(2008/01/11)
汀 こるもの

商品詳細を見る

彼はこの中で一番プロに近いアマチュア名探偵。日本一死体に詳しい高校生。刑事よりも詳しいのだ。
高校生名探偵。彼の本当のリングは孤島の館などではない。彼の得意ジャンルは"本格"ではなくバリバリの社会派なのだから。

汀こるものパラダイス・クローズド』本文より引用

第37回メフィスト賞受賞作。
双子の美少年探偵。
ひとりは周りに死者を次々に呼び出し、ひとりは名探偵。
ミステリ作家が集まる孤島の館で起こる殺人事件がこの『パラダイス・クローズド』。

帯の推薦文は有栖川有栖。

ラストが気が抜けないというか、薀蓄を頑張って読んでよかったと思えた。
あの膨大な量の水棲生物についての文を読んだら「こう関わってくるのかっ」と。



さりげなく挿入されてる様々なネタにもくすっと笑わしてもらいました。
遊戯王やロマンシング・サガ、ナウシカにキューブリック、バトロワもキル・ビルも、さらには夏目漱石などの文芸作品まで。
どんだけ元ネタ多岐にわたってるんだよっ(笑

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

リンクやトラックバックは自由にどうぞ。