【コミック】零落
コミック→浅野いにお浅野いにお
ビッグコミックスペリオール連載
全1巻
小学館 (2017-10-30)
売り上げランキング: 23,138
喜びも悲しみも人としての営みも、
『零落』本文より
全て漫画の中に置いてきた。
自分にはもう描きたい事など 何もない。
浅野いにおの『零落』。
ああ、あの頃とはまた違う背筋のゾクッとする感じ。
10数年前に読んだ「虹ヶ原ホログラフ」とも少し違う感じ。
30代も後半になり、漫画だけで過ごしてきた人生。
連載が終わったからこその空虚感。何者でもないことに対しての何もできない感じ。虚無感だろうか。
あと人生には何が残っているのか、その問いかけと、過去に縛られたラストに再確認させられるある種の呪いだろうか。
原点を確認させられて、それでも生きていかなきゃいけない、それが生活のためであっても、なんにもならなくてもそのまま生きるという。
当たり前なんだけど、その当たり前の虚無感の描き方がゾクッとした。