【小説】特別法第001条DUST

特別法第001条DUST
山田悠介
文芸社
特別法第001条DUST特別法第001条DUST
(2006/12)
山田 悠介

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そのとき、DEOの人間に言われた言葉が脳裏をかすめた。
『人間を喰ってもいいんだぞ』
あのころはその言葉に怒りを覚えたが……。
「……あんたの言うとおりだったよ」

特別法第001条DUST』本文より

山田悠介の「DUST」。

ニートなど、税金を納めない働きもしないものを隔離して500日間、ある島へと隔離する。
500日経って生き残れれば日本へ帰って来られる。
そんな法律が施行された。

まさにサバイバル。
どうやって生き残るか。
何を食べるのか、育てるのか、奪うのか。
極限状態の中で少年少女たちは何を思うのか。

おおお。
いいサバイバルもの。

いや、だが本質はそこになかった。

90年代にこういった設定のものが流行った。
バトルロワイヤルだったり、東京ミカエルだったり。
最近でも東京島なんかがあるだろうか。

そういったものにはない、「生きて帰ったあと」こそがメインということにびっくり。

うおおすげぇえぇ。
まさかこれは山田悠介の傑作になるんじゃと思って読み進めたら、山田悠介だった。

でも映像化すると面白いかも。
どんでん返しにつぐどんでん返しとか、痛く重苦しい後日談とかが読めるかと思いきや、
うん、山田悠介の小説だった。

設定はすんごく魅力的だったけど、後半があまり楽しく読めなかった。
なんか…ああよくあるよねみたいな。どこかで読んだことがあったり、特に大した伏線の回収があるわけでもなし。
未完成の打ち切りエンドみたいなのがどうも納得いかない。

tag : 特別法第001条DUST 山田悠介

【小説】オール ミッション2

オール ミッション2
山田悠介
角川書店
オール ミッション2オール ミッション2
(2008/08/29)
山田 悠介

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「今日から『新・何でも屋』のスタートだ。みんなよろしく」

オール ミッション2』本文より

オール』続編。

何でも屋再始動。
後輩の男の子と女の子を加え、新体制での何でも屋の事件が描かれている。

中学男子に彼女をゲットさせる/タイムカプセルを探せ!/なにやっても物足りないお嬢様を楽しませる

などなど。実に何でも屋らしい話。

今度は主人公が先輩になり、責任感も必要になってた。
それだからか後輩とのやりとりだったり、今までの仕事で描かれた成功だけじゃなく失敗も描かれたり。

それがいちいちいい描写されてる。
前作も思ったけれども、山田悠介の中でも大人向け。うん、これは楽しい。

tag : オール 山田悠介

【小説】8.1 Horor Land

8.1 Horror Land
山田悠介
角川文庫
8.1―Horror Land (角川文庫)8.1―Horror Land (角川文庫)
(2007/11)
山田 悠介

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『二十年くらい前に若い夫婦がそのトンネルに死んだ赤ちゃんを捨てたらしくて、でもその夫婦は事故で死んじゃうんだけど、捨てたはずの赤ちゃんは、トンネルから消えていたらしい。確かに今までとは違う気がするし、もし噂が本当なら……。ちょっと怖いけど行こうと思う。場所は館山。もう頭の中、明日の事で一杯だぁ~』

8.1 Horror Land』収録『8.1』本文より

8.1』のホラーランド編。
恐怖の遊園地。
心霊ものが収録。

バケトン。お化けトンネルで出会う幽霊。
黄泉の国から死んだ彼女を一度だけ呼び戻す話。
とある墓地にある骨壺の噂話。

軽くホラーを楽しむにはいいのかも。
いい…のか。

原因と結末があって、そこにしっかり怖さがあれば好きなんだけど。
唯一『8.1』の絶望に満ちた終わり方は嫌いじゃない。嫌いじゃないけど幽霊描写がもう少し欲しいな。もったいない。

そう、なんかもったいない話が多くて…
題材は好みのものばかりなのに。

しっかりと幽霊系が集まっているところはGOOD。

収録話:
・「8.1
・「黄泉の怪談」
・「骨壺」

tag : 8.1 山田悠介 角川文庫

【小説】その時までサヨナラ

その時までサヨナラ
山田悠介
文芸社
その時までサヨナラその時までサヨナラ
(2008/04/22)
山田 悠介、Yusuke Yamada 他

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「ええ。一ヶ月前、亜紀さんと久しぶりに会ったとき、彼女はこう言ったんです。『もし自分に何かあったときは、夫と子供をお願いします』って。あのときは冗談で言っていると思ったんですが、それからすぐに事故が起こったものですから……」

その時までサヨナラ』本文より

山田悠介の『その時までサヨナラ』。

うああ。山田悠介の本で立て続けにハズレをひいてただけに、これの幸せな内容はすごくよかった。
ゲームや理不尽なことはない。
父と子の純愛の物語である。

福島の大地震で妻が巻き込まれて死亡した。
残されたのは仕事にいそしみ家庭を顧みなかった夫と子供。
彼らのもとに妻の親友が現れたときからすべては変わっていく。

仕事ばかりの人間が家庭を見ていく流れ。
特に子供との距離感がまったくわからなかった状態から、はじめて子供と関わる父親という構図の面白さ。
突然現れた謎の妻の親友はなぜ世話を焼くのか。
なぜ妻は福島へ行ったのか。

伏線もひとつひとつ丁寧に回収していき、すばらしいまでのハッピーエンドを読むことができた。

時々こういうのを書いてくるから山田悠介はあなどれない。

tag : その時までサヨナラ 山田悠介

【小説】ニホンブンレツ

ニホンブンレツ
山田悠介
文芸社
ニホンブンレツニホンブンレツ
(2009/03/05)
山田 悠介

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ついに西に入ることに成功したぞ。どれだけこのときを望んだことか。もう少しで恵実に会える。そう思うといてもたってもいられなくなった。博文は自分の気持ちを静めた。

ニホンブンレツ』本文より

山田悠介の『ニホンブンレツ』。
ちょっとした一言から東日本と西日本が対立。
完全に違う国となり、一色触発の危機。

小競り合いの戦闘の最中に西日本の兵士になりすまし、最愛の人に会いたいがために西日本に潜入する主人公。
彼が西日本で見たものは驚愕の世界だった。

純愛は非常に面白い。

独特な世界観も面白い。
主人公が西日本と東日本に挟み撃ちにされ、そこからどんな展開が生まれるのかというのも面白い。


が、
だがしかし。
主人公のうかつすぎる行動の数々。
本来ならあっという間に捕まってもおかしくないのに、なぜかばれない不思議。
高速道路を使って逃げたら確実に挟撃されるのに、なぜか追う事しかしない軍のおかしさ。
そもそも逃走ルートおかしい。
重大な伏線であったはずの超強力な兵器はどこへいったのか。それを使わずなぜにあんなラストを迎えたのか。
そういえば西日本はすべて河内弁になっていたのも不思議。
日本が分裂した時点で、そして西日本の政策からすると明らかに食糧事情が西日本は切迫しているはずなのに、いったいどうやって賄ってたんだろう。

疑問や不思議な点がいっぱいあって、本編に集中できないよ。

tag : ニホンブンレツ 山田悠介

【小説】魔界の塔

魔界の塔 Tower of the Devil
山田悠介
カバーイラスト:長野剛
幻冬舎
魔界の塔魔界の塔
(2008/02)
山田 悠介

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二人が昏睡状態に陥ったのは魔界の塔が原因だとは思っていないが、思わずそう尋ねたのは、魔界の塔が気になりだしている証拠だった。

魔界の塔』本文より

長野画伯のカバーイラストが秀逸。

ゲームをプレイした人間が二人続けて昏睡状態に。
原因を探るべく、ゲームをプレイしていく。

ゲームをやっていて昏睡状態。
有名なところで「.hack//」や「ナナシノゲエム」があると思う。
二番煎じの上でどんなんが語られるのかわくわく。


このゲームがおかしいという噂などもほぼなく、昏睡状態に陥ったゲームを取り囲んだ真相もお粗末。
ゲームのプレイ描写も一昔以上前っぽかったり、主人公が最初はゲーム素人だったはずなのに昔の杵柄をとっているのか、自分は玄人だといわんばかりのことを言いだしたり。
そもそも主人公がRPGを本当にやったことがあるのか疑問な行動の数々だったり。

ああもう。最初から最後までいろんな場面が気になってくるとこばかり。
山田悠介の本は20冊ほどは読んでるけど、ここまでイラっとさせられっぱなしなのははじめてだ。

ごめん。
無理。

tag : 魔界の塔 山田悠介

【小説】8.1 Game Land

8.1 Game Land
山田悠介
角川文庫
8.1―Game Land (角川文庫)8.1―Game Land (角川文庫)
(2007/11)
山田 悠介

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「それではこれより、レースを行います。ルールは簡単。今から、座席部分が全て外れます。皆様には安全装置にぶら下がっていただき、限界まで我慢してもらいます。尚、安全装置の上に乗っかるのは違反です。射撃隊により射殺されます。ずっとぶら下がっていてください。レースは最後の一人になるまで続きます。皆様、ご協力お願いします」

『8.1 Game Land』収録『ジェットコースター』本文より

短編集。

理不尽ないつものサバイバルものの「ジェットコースター」など3本収録。

あれ。ジェットコースターがつい昨日読んだ「スピン」とオチが酷似しているような。
あの長編みたいな伏線はなかったけど。

猿の惑星のような「人間狩り」だったり。

なんかどこかで見たようなものが多かったので、個人的にはあんまり…


収録話:
・「ジェットコースター」
・「写真メール」
・「人間狩り」

tag : 8.1 山田悠介 角川文庫

【小説】スピン

スピン
山田悠介
角川書店
スピンスピン
(2006/07)
山田 悠介

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「俺たちは前代未聞の事件を起こしているんだ。むしろワクワクしてるよ」

スピン』本文より

同時多発バスジャック事件が発生。
犯人は子供たち。
彼らは同時に東京タワーを目指す。

山田悠介の『スピン』。

設定が非常に面白い。
社会に対してむしゃくしゃした若者たちの犯行の行方は。
誰が生き残って東京タワーまでたどり着くのか。

……ん?
いつものサバイバルな山田悠介になっとるー
思わずくすっとなった。


しかしラストがどうにも気に入らない。
確かに伏線もしっかり描かれてるんだけど、あの唐突さがどうにもあんまり好みじゃない orz

tag : スピン 山田悠介

【小説】パーティ

パーティ
山田悠介
角川書店
パーティパーティ
(2007/11)
山田 悠介

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「本気にしなくてもいいだろう。あの山は昔から、頂上に神がいると言われていて、罪を犯した多くの人間が神の許しを得るために登ったという、地元では有名な山なんだ。しかし今では坊さんの修行の場とされているがね。一般人はほとんど登らないよ」

パーティ』本文より

山田悠介の『パーティ』。

この罪を犯した者が登る山。
その「現在」と罪に至る「過去」が交互に語れる。

もうこのわくわく感がたまらなかった。
一体彼がなにをして、どうなったのか。
山の上で何が待っているのか。


だが、…
いや、これはまったく好きじゃないわ。
登場人物の行動も理解できないし、山に登った先で待っていたこともげんなりしたし、
登ることになった理由にもっと頭をかかえた。


導入部は好きです。

tag : パーティ 山田悠介

【小説】モニタールーム

モニタールーム
山田悠介
角川文庫
モニタールームモニタールーム
(2008/10/31)
山田 悠介

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「いいかお前たち、ここで動かなければ一生この村で生活することになるんだぞ」
そう言われても四人は勇気が出ず、返事ができなかった。
「それでもいいのか? 自由の世界へ行きたくないのか?」
おじさんの声は段々と生き生きしたものに変わっていった。

モニタールーム』本文より

山田悠介の『モニタールーム』。

15歳まで社会を知らずに、地雷原に囲まれた村で生活していた子供たち。
はじめて外の世界があることを知り、地雷原の外にでるために撤去して外にあるという「日本」へ向かう。
そしてそれをひたすらカメラを通して見る一人の看守の話。


いつもの日本の刑と、いつものサバイバルでした。

最後の本に仕掛けられた謎もうーん、と。
なんかいまいち好きになれる展開じゃないな…

tag : 山田悠介 モニタールーム

【小説】オール

オール
山田悠介
角川書店
オールオール
(2007/06)
山田 悠介

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「答えはこれだ。この仕事は稀に、他の仕事にはないスリルと、大金を手にする快感を味わうことができる。だからだ」

オール』本文より

山田悠介の本ではじめて続編が読みたいと思った。

何でも屋の話『オール』。

舞い込む依頼は運び屋、片付け屋などなど多岐にわたる。
時に面白く、時にほろりとし。

うお。なんだ。
山田悠介の本なのに爽やかだ。
いつもの読みやすさに加えて、こうも爽やかでドタバタものになるとは。

軽いテイストでありながら、しっかり楽しめる。
読後感も「まだ読みたい」と思わせてくれる内容でした。

tag : オール 山田悠介

【小説】ライヴ

ライヴ
山田悠介
角川文庫
ライヴ (角川文庫)ライヴ (角川文庫)
(2009/06/25)
山田 悠介

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読み終えた司会者は眉間に皺を寄せ、しばらく考え込む。そして、口を開いた。
「他にもまだまだこのような声が寄せられています。人の命が奪われたことに対しては何も書かれていません。私は、日本の将来に不安を感じてしまいました。」
司会者は、再び仕事の顔に戻る。

ライヴ』本文より

今回は死のトライアスロンの話。
感染したら死に至る病が蔓延した日本。

その特効薬を得るために128kmのトライアスロンに参加する人たちと、彼らを追うマスコミが描かれる。

次々に起こるハプニング。
死んでもおかしくないハードなトライアスロンに加えて、次々に出てくる参加者を陥れるトラップ。
そして参加者を殺す参加者。

どれだけ凄惨な事故が起ころうとも警察は動き出さない。
ただマスコミが白熱した声で全国に中継するのみ。


とまあ、いわゆる死のトライアスロンな内容なわけだけれども。

レースの参加者、仕組んだ側、マスコミに視聴者といういくつもの視点を交えながらの物語が進行していく。
そしてそこに仕掛けた作者の意図が面白かったです。
重厚さなく、ささーと読めて楽しめるのもやはり山田悠介の持ち味だなぁ。

tag : ライヴ 山田悠介 角川文庫

【小説】ドアD

ドアD
山田悠介
幻冬舎文庫
ドアD (幻冬舎文庫)ドアD (幻冬舎文庫)
(2009/08)
山田 悠介

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夢……?
そうでなければおかしいこの風景。
だが違う。夢がこんなハッキリしているはずはない。これは現実だ。

ドアD』本文より

山田悠介の『ドアD』。

気付くと知らない場所で閉じ込められた8人。
扉を開けて外に出るには1人の犠牲が必要だった。

ドアに「D」の文字が書かれた部屋。
Dとはなにか?
誰がなんのためにこの部屋を作ったのか。

もはやそんなことなどどうでもよくて、仕掛けられたいくつもの罠に対して、誰が生き残るのか、どう生き残るのかが描かれる。
もう単純な生き残りをかけた戦いである。

謎は謎のまま。作者には意図はあるのかもしれないけれども、描かれることはなく、圧倒的なスピード感でもって話が進んでいく。

完璧なクローズドサークルと、死んだ友人に対しての感慨も冷めやらぬまま、次の部屋へと進んでいく。
そして最後には…


これはいい。
このラストはたまらない。
山田悠介の本の中でもっとも好きかもしれない。

そしてこのゲームの中で猜疑心の描写がたくさんあったけれども、そのなかで「全員が力を合わせないと。一人で行動したって、助からないよ!」と言わせたのは面白い。
もしかしたら「全員で生き残る可能性」があったかもしれない、ってことだよな。
それを示唆したうえでのあのラストなんだから、読後感がもんもんとするほどに印象に残る本です。

tag : ドアD 山田悠介 幻冬舎文庫

【小説】ブレーキ

ブレーキ
山田悠介
角川ホラー文庫
ブレーキ (角川ホラー文庫)ブレーキ (角川ホラー文庫)
(2008/05/24)
山田 悠介

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半年に一度行われる最大のお祭り行事がもうじき始まろうとしていた。この日のために、全国各地から様々な人間が選手としてやってくる。目的は金。それ以外何もない。大金を得るために、彼らは命を張って戦う。巷では今日の試合をこう言っている。
闇のサッカー、と。

ブレーキ』収録『サッカー』本文より

こういう出だしを見ると山田悠介の世界だな、と。
ニヤニヤしながら読み進めてしまう。

山田悠介の短編集。

短編なのでものすごいいつもの長編を凝縮したような内容。
そうこの死と生がまじりあうゲームのような内容なのに緊迫して死が付きまとう。これこそが山田悠介だよ。

これくらいの分量だと山田悠介のゲームのような設定がものすごい活きてくるような気がする。
スピード感があって楽しかった。

特に『ババ抜き』の社会派っぽく見せながらもどんでん返しのように見せたり、サッカーのとんでもない殺し合いのあとのあまりに軽すぎる終わり方だったりは特に面白く読めたかなっと。


収録話:
・「ビンゴ」
・「サッカー」
・「ババ抜き」
・「ゴルフ」
・「ブレーキ

tag : ブレーキ 山田悠介 角川ホラー文庫

【小説】スイッチを押すとき

スイッチを押すとき
山田悠介
角川文庫
スイッチを押すとき (角川文庫)スイッチを押すとき (角川文庫)
(2008/10/25)
山田 悠介

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「最初は十五人もいたのに、アッという間に……。仕方ないよね。こんな寂しい所で毎日毎日。悪いことなんてしていないのに、ずっとずっと同じ生活。生き続けるなんて辛いにきまってる。何が自殺抑制プロジェクトよ。何の意味もないじゃない。私たちは、国のオモチャだよ」

スイッチを押すとき』本文より

たまに読みたくなる山田悠介の本。

スイッチを押すとき』。
政府の自殺抑制プロジェクトのため、子供はなぜ死ぬのかを実際に監禁してどのタイミングで自殺するかを調べようという中での話。

確かに年間3万人が自殺する日本の極端な未来像の設定は面白い。

毎日同じ時間に起床。
ドクターの回診。
同じ時間の食事、そして終身。

なにもできない。ただスイッチを押して自殺するだけの世界に閉じ込められた少年少女たちとの交流部分は面白い。
そして逃亡劇がはじまってからの、何もない世界から出て何がしたいかという命題も面白い。
何か大切なことを忘れてしまった日本人向けの本だよなぁ。

構成や要素は非常に好みなのに、読んでいて好みじゃなかったことだけが心残り。

tag : スイッチを押すとき 山田悠介 角川文庫

【小説】×ゲーム

×ゲーム
山田悠介
幻冬舎文庫
×ゲーム (幻冬舎文庫)×ゲーム (幻冬舎文庫)
(2007/08)
山田 悠介

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「リーダーだったあなたには、よくひどいことをされたわよね。大声で笑いながら私をいじめ続けていたもんね。今は全く逆ね」
クックックと蕪木は満足げに笑みを浮かべる。
「分かる? どれだけ私が辛かったか、あなたに分かる? 私の痛みや苦しみが」

×ゲーム』本文より

ときどき読みたくなるので再び山田悠介の本を読んでみた。
今回は『×ゲーム』。

小学校の時のいじめの対象になった女が幾年もの時を経て復讐を行う話。
昔されていた×ゲームを、陰惨なことこの上ない方法で行い加害者たちを追い詰めていく。


うあああ。
山田悠介の本を読んでスプラッタに遭遇するとは。
読後感は別になにもないけれども、読んでいる最中は次が気になって仕方なかった。

えぇ。単にこれは「怖い」です。
復讐に加えて、精神的におかしくなっている思考の復讐だけにぞっとした。

tag : ×ゲーム 山田悠介 幻冬舎文庫

【小説】Fコース

Fコース
山田悠介
幻冬舎文庫
Fコース (幻冬舎文庫)Fコース (幻冬舎文庫)
(2005/06)
山田 悠介

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発表以来、若者に大きな衝撃を与え、全国のアミューズメントパークに導入されてから早くも半年が経とうとしていた。病院を舞台にした『Aコース』から始まり、次々と新ゲームが誕生。

Fコース』本文より

山田悠介の『Aコース』の姉妹編『Fコース』。

Aコースも半端ない出来だったが、これもそうとうな…
いや、もう…ため息しかでないわ…

フィクションに対してリアルの価値観を持ち出して言うのもなんだけど、「これはないわ」。

けれども山田悠介の本の残念感も楽しめているので、これはこれでよし。
だからこそ、たまに面白いというものに会えたときには歓喜できるってなもんです(笑
(いや、それもどうかと思うけど。

tag : Fコース 山田悠介 幻冬舎文庫

【小説】あそこの席

あそこの席
山田悠介
幻冬舎文庫
あそこの席 (幻冬舎文庫)あそこの席 (幻冬舎文庫)
(2006/04)
山田 悠介

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「言葉どおりさ。三年B組のある席に座った生徒が呪われてしまうんだ」

あそこの席』本文より


山田悠介の(たぶん)ホラーの『あそこの席』。
文庫版の解説は長澤まさみ。

転校生を襲った恐怖。
それは呪われていると言われている席に座ったことからはじまった。


…………
……

確かにページをめくらせてくれる本ではあると思う。
さくさく読める。
そこは非常によかったと思います。
あと、学校内での生徒同士にしか分からない空気というのは感じられたと思う。
それゆえの疎外感みたいなものとかね(笑


これはホラーなのか。

だとしたらホラーとしての追い詰め方、感覚的にぞっとさせる要素が甘いような気がする。
追い詰められている描写がなんだかなー。
主人公が怖いと感じていることを主張しているのは分かるんだけれども、それ以上のものは感じられなかった orz

真相も個人的に肩透かしをくらったような感じなんでちょっと残念。

tag : あそこの席 山田悠介 幻冬舎文庫

【小説】パズル

パズル
山田悠介
角川文庫
パズルパズル
(2004/06)
山田 悠介

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「もちろん、ゲームをやるやらないは自由だ。今すぐに家に帰ってもいい。だが四十八時間経ってもパズルを完成させられなかった場合、この教師の頭をぶち抜く。タイムリミット前に不審な動きをしても、即ゲームオーバーだ」

パズル』本文より


ときどき読みたくなる山田悠介の本。
今回もある意味でどきどきしながら読んでみた。
面白かったら儲けもん、げんなりな内容でもそれはそれできっと本を楽しんでるってことになるハズ。


超秀才の学校にテロリストが乗り込んでくる。
生徒と先生の2人を人質に秀才クラスに対してゲームを仕掛けてくる。
失敗すれば人質は殺害。

ゲームは学校内に隠された2000ピースのパズルを完成させること。
人を見下し、蹴落としてきたクラスメイトたちがはじめて一緒に共同作業することになった。


パズルを組み上げることがゲームって。
しかもルールからして orz
さらにみんなが同じクラスでありながら、互いのことをまったく知らないという設定って orz

無茶しやがって(笑
なんて強引な設定。
なんて強引な緊張感の出し方。


普段本を読まない人にはある意味読みやすいものかもしれない。

本に慣れすぎた読書家の人には「これはないな orz」という反応になりそうな気がする。
最初の設定だけで最後が十分に予想可能なよーな…

示したいテーマはよくわかるんだけどなぁ…

tag : パズル 山田悠介 角川文庫

【ホラー】@ベイビーメール

@ベイビーメール
山田悠介
角川ホラー文庫
yamada-babymail.jpg

「そうだそうだよ。あのメールが原因なんだ。あのメールが届いた瞬間、お腹の中に子供が宿る。そして死ぬんだ」

山田悠介の『@ベイビーメール』。
たぶんホラー。

時々、ものすごくいいんじゃないかと思えるものを出す山田悠介
好きなものは少ないが、なぜか時々読みたくなる(笑


ホラーによくある女性による怨み。
その怨みがどのように拡散していくか。
ホラーの真髄のひとつはそこにあると思う。

確かに、不特定に見せかけた特定の人物に呪いは伝わる。
しかしなぁ。
なんかあと一歩足りないんだよなぁ。

「怖い?」と聞かれると「怖いと感じる前にそれはないわって展開…」とたぶん答えると思う。


母親の怨みと乳児という恐怖。
そんな怖いと感じられる要素はしっかりとあるはずなんだけど…。

どうもこの本とは合わなかったような気がする orz
親指さがしは面白かったんだけどなぁ。
Aコースもとんでもさが面白かったんだけどなぁ。


@ベイビーメール @ベイビーメール
山田 悠介 (2005/07)
角川書店

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tag : 山田悠介 角川ホラー文庫 @ベイビーメール

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∀ki(あき)

  • Author:∀ki(あき)
  • 自由に生きてます。
    色々読んだり見たりしてます。

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