【小説】水戸黄門 (八)

本→水戸黄門
10 /19 2013
水戸黄門(八) 梅里記(下)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 8 梅里記 下 (講談社文庫 む 1-15)水戸黄門 8 梅里記 下 (講談社文庫 む 1-15)
(1980/04)
村上 元三

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自分の心の友とも言うべき心越を失ったことは、やはり光圀にとって大きな衝撃であったが、それを乗り越えて光圀は、自分の生き方を貫き通そうと努めた。
少しも休むことなく光圀は領内の巡視を続け、大日本史の編纂に力をつくした。

水戸黄門(八)』本文より

水戸黄門最終巻。
臨終のときまでを収録。
晩年の藤井紋太夫が起こす最後の事件をメインに、最後の最後まで水戸と日本を想ってくれていた人だった。

4部での彼が気にかけていたオリジナルのキャラクターたちを立ち回らせて、次世代へとどう水戸黄門の想いを託していったのかという展開が素晴らしいな。
結局彼が何をいま我々に残してくれていたのかっていうのがすごくよく伝わる。

これ読んで水戸黄門像というのがすごく変わった。
いい読書経験だった。

【小説】水戸黄門 (七)

本→水戸黄門
10 /12 2013
水戸黄門(七) 梅里記(上)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 7 梅里記 上 (講談社文庫 む 1-14)水戸黄門 7 梅里記 上 (講談社文庫 む 1-14)
(1980/04)
村上 元三

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「わしも長生きをせねばなるまいな」
上機嫌で、笑い声をたてた。
それは、ただ祖父が孫を可愛がる、というだけではなく、光圀は水戸家の将来、引いては天下のためを思うと、まだまだ長生きをせねばならぬ、と考えているからであった。

水戸黄門(七)』本文より

水戸黄門』最終章開始。
しかも最終章のタイトルが梅里記ときたもんだ。
水戸黄門を知る人物には実にぞくっとわくわく感を湧きあがらせてくれるタイトルだな。

いよいよ隠居後の諸国漫遊…は史実ではないのだけれども、今までほどなにかが起こるわけではない。
今度は当事者たちは光圀を直接は動かさない。
けれどももっと客観的に、そしてなによりリーダーであった光圀自身がいかに頼られていたか、そして人材が集まっているのかを如実に表してきてるな…

もうまさに生き様の集大成へと向かってる。
こんなリーダーいたらついてくわ。

【小説】水戸黄門 (六)

本→水戸黄門
08 /10 2013
水戸黄門(六) 右近龍(下)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 6 右近龍 下 (講談社文庫 む 1-13)水戸黄門 6 右近龍 下 (講談社文庫 む 1-13)
(1980/03)
村上 元三

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「おのれのことは、自身では判断のつかぬことが多い。わしとても同様。ただ、物事に偏せず、わしは、正しゅう人を見ようと心がけておる」

水戸黄門(六)』本文より

いよいよ黄門さまは隠居。
6巻目のラストでついにみんなの知っている水戸黄門だ。

6巻目の権力がもっともあり、上に立つ人物としても素晴らしい。
尊敬できる上司っていうのはこういうのを言うんじゃないかと。
民衆のいうことを考え、政治の中心にもみなのためを考え行動していく。
主に生類憐憫の令を出した綱吉と桂昌院と敵対する立場にありながらも、悪法をただそうとするさまがもうカッコいいとしか言いようがない。

また日本の未来をどう考え行動していったかというのも実に先進的。
目先の利益じゃなくずっとずっと先を見ている。
それが歴史を編纂するという仕事をしながらだからこその目線であり、いまなにが必要かというのを次々に新しいことから感じ取っているよな。

さて、いよいよ60代に突入。
次が最終章だ。
残り2冊。

【小説】水戸黄門 (五)

本→水戸黄門
08 /09 2013
水戸黄門(五) 右近龍(上)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 5 右近龍 上 (講談社文庫 む 1-12)水戸黄門 5 右近龍 上 (講談社文庫 む 1-12)
(1980/03)
村上 元三

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「政治が人を動かすのか、人が政治を動かすのか、なかなかに難しいことでござる」

水戸黄門(五)』本文より

いよいよ水戸のトップの中でももっとも力を持ち、幕府やそのトップでもある綱吉や大奥の桂昌院を相手にして政治に介入が始まった。

悪法も法である生類憐憫の令に対しての話も多く出てきたし、光国もついに自分の身の上を考え光圀と名前を改めた。
誰よりも人や世のことを考え行動する50代か…
いまの50代ではまだまだ人に使われることが多いためにこれほどの行動力を持つ人もいないんだよなぁ。

世の中をよくする、ってどういうことだろうというのを考えさせられる。
そして息子に孫ができ、世代を繋いでいく中で次の世代へ繋ぐための政治とはなんだろうとか。

加えて巻を重ねるごとに着実に年齢を重ねていくさまも老いるということはどういうことなのかをあらためて突き付けられる。
年齢を重ねる中で何ができるだろう、と。

【小説】水戸黄門 (四)

本→水戸黄門
05 /19 2013
水戸黄門(四) 中将鷹(下)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 4 中将鷹 下 (講談社文庫 む 1-11)水戸黄門 4 中将鷹 下 (講談社文庫 む 1-11)
(1980/02)
村上 元三

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「わしは年老いて後も、役に立つ限り働こうと思う。上様より疎まるることがあるやも知れぬが、政道の上に立つ者たちの中に、さようなる人物が、何人かは居ったるほうがよいのではないかな」

水戸黄門(四)』本文より


父もなくなり、実質的に水戸のトップに立ち民を導くとはこういうことか。
孤高だよな…
息子もなくし、光圀自身に親類がいないからこその、民全てそして日本という国すべてをよくしようとできたのかもしれない。

孤高であるが、彼の志があったからこそ朱舜水との出会いしかり、これほど若くしてここまでの境地に立つことができているのかもしれない。

【小説】水戸黄門 (三)

本→水戸黄門
05 /18 2013
水戸黄門(三) 中将鷹(上)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 3 中将鷹 上 (講談社文庫 む 1-10)水戸黄門 3 中将鷹 上 (講談社文庫 む 1-10)
(1980/02)
村上 元三

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「人というのは、強いものだ。一時は魂を失うたるようになっていた者たちも、災いの中から起き上がっている。生きようとする力は、強いものだな」

水戸黄門(三)』本文より

光圀30代。
まさか3巻でもう30代。
いやいや、ここからが光圀が人の上に立つものとしてどんどん歴史に名を残していく。

江戸の大火に、息子との関わりに、父の死に。
どのようなことがあろうとも民を想い、いかに国を良くしていくか、そして自らも歴史を編纂する者として歴史と向き合い何を想い何を学ぶか、そして何を伝えようとするのかが伝わってくるかのよう。

まさに光圀の歴史を客観的に見る時代絵巻がこの村上版だねぇ、って気がしてきた。

【小説】水戸黄門 (二)

本→水戸黄門
02 /24 2013
水戸黄門(二) 葵獅子(下)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 2 葵獅子 下 (講談社文庫 む 1-9)水戸黄門 2 葵獅子 下 (講談社文庫 む 1-9)
(1980/01)
村上 元三

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「もっと徹してみよう。右手に盃、左手に書物、という生き方に。その後に、何か得るものがあるやもしれぬ」

水戸黄門(二)』本文より

ゆえに知の人なんだよな。
遊び人のように見えるがどこまでも知を求める人。

水戸黄門』2巻目。
最初の話だからせいぜい20代前くらいまでかと思ったらめっちゃ進んだぞ。
びっくりした。
光圀伝で兄弟や松姫との延々と描かれた青春時代はなんだったのかというくらいにすっ飛ばしてた。
ああ。そうか。本来上記のようなところはそんなに描く必要のないところで、遊び人で知識を求める求道者であるというところこそが本来描かれる黄門様だったのか。

様々なエピソードごとの短編のようでもある内容にもいろいろ思わされる。
というか人の人生ってこんだけエピソードがあるもんなんだよな。
そりゃ誰しもあるけれども、こうやって有名でありながらもその人の歴史はなかなか知りえない。
たとえていうなら教科書にも載らない。でもTVではよく見かけるという人だけにその様々なエピソードは実に興味深いもんです。

さて、初期のエピソードは終わり。
ここからが政治にガンガン関わっていきそうなだけに楽しみ。

【小説】水戸黄門 (一)

本→水戸黄門
02 /17 2013
水戸黄門(一) 葵獅子(上)
村上元三
講談社文庫
水戸黄門 1 葵獅子 上 (講談社文庫 む 1-8)水戸黄門 1 葵獅子 上 (講談社文庫 む 1-8)
(1980/01)
村上 元三

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「木は強く、そして、美しい花を咲かせる。わしもこのような人間になりたい」

水戸黄門(一)』本文より

水戸黄門』1巻目。

ああ。そうか。
冲方丁の光圀伝はキャラクター小説だったんだ。
そしてこれは歴史小説。

幼年期から青年期の水戸光圀を描く。

歴史の上で彼がどのように生きてきたかが描かれるわけだから、光圀自身の心情や葛藤といったものとはまた別のもの。
当時の世俗や政治も見て取れ、その中でどう選択し、どんな者たちがまわりにいたのか。

歴史・時代小説の面白さっていうのがようやくわかってきた気がする。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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