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【小説】盲目的な恋と友情

メフィスト賞→辻村深月
06 /24 2017
盲目的な恋と友情
辻村深月
新潮文庫
盲目的な恋と友情 (新潮文庫)
辻村 深月
新潮社 (2017-01-28)
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どれだけ言葉を尽くされても、正論を語られても、そんな高尚なことは、それがどれだけくだらないとわかっても、茂実が私に甘える泣き声一つにすら敵わない。

盲目的な恋と友情』本文より

辻村深月の『盲目的な恋と友情』。
またこれはすごいものを読んでしまった。

どこまでも堕ちていく恋。
どれだけ彼氏が堕ちて行こうが、それに付いていき支え自らも腐っていく様を分かっていながら離れられないその心理。
その恐ろしいまでに寄り添った一人称がすさまじいと思っていたら、またそれを別の視点から見ていた親友の友情パートの奥深さというか、友人とはなんなのか、友情ってなんだっけを突きつけてきた挙句に恐ろしいラストに着地させやがった。
一気読み必須というか、もはや読み始めたラストまで一直線といわんばかりのリーダビリティと再読必須の伏線だらけの素晴らしい小説じゃないか。

【小説】島はぼくらと

メフィスト賞→辻村深月
09 /17 2016
島はぼくらと
辻村深月
講談社文庫
島はぼくらと (講談社文庫)
辻村 深月
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私はここで、生きていく。

島はぼくらと』本文より

辻村深月の『島はぼくらと』。

離島に生きる4人の学生たち。
離島というだけでなんかこう都会から離れたところゆえの風習にしばられたりだとか、抜け出せない感とか、けだるい感じが多そうなイメージがあるけれども、辻村深月はまったく逆をいった。
こんなにも希望も青春もある島に仕上げた。
淡い恋心も未来への希望も、島の人達の暖かい交流も

【小説】水底フェスタ

メフィスト賞→辻村深月
07 /19 2015
水底フェスタ
辻村深月
文春文庫
水底フェスタ (文春文庫)
辻村 深月
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私は、この村に復讐するために帰ってきたの。

水底フェスタ』本文より

辻村深月の『水底フェスタ』。

村への復讐。
なんともおどろおどろしい響きなんだけれども、ここは現代の普通の過疎から立ち直りつつある村。
なんだ普通の村じゃないかと思っていたら、開けた村なんだけどしっかり閉じているところは閉じていて、その村に憤りを感じた人たちの復讐がとんでもない。

村の秘密と過去が暴かれていき、主人公の復讐なんてもはや小さいものに思えてくるような壮大な復讐というストーリーの形が見えてきたときにはびびった。
すんごい構成だ。

【小説】オーダーメイド殺人クラブ

メフィスト賞→辻村深月
07 /12 2015
オーダーメイド殺人クラブ
辻村深月
集英社文庫
オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫)
辻村 深月
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「私を、殺してくれない?」

オーダーメイド殺人クラブ』本文より

これはまたすごいものを書いてきたな。
青春もの、しかも鬱屈、屈折した感じに世界を斜めに見てしまった中二病といえばそれまでだけど、
総いう感じの少年少女の物語として最高じゃないか。

人を劇的に殺して少年Aとして語られる、人に記憶される存在になってみたい少年。
誰の記憶にも残るような死の一瞬を残したい少女。

彼らがどうやって殺して殺されて自分たちを伝説にするのか。
この画策の危うさ、そしてどうやって実行に移してしまうのかという緊張感がすごくよかった。

【小説】サクラ咲く

メフィスト賞→辻村深月
06 /07 2015
サクラ咲く
辻村深月
光文社文庫
サクラ咲く (光文社文庫)
辻村 深月
光文社 (2014-03-12)
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「失敗が許せなくて、苦しんでるんだよ。自分一人でどうにかしようとして立ち直ろうと、一生懸命なんだ」

サクラ咲く』本文より


辻村深月の『サクラ咲く』。
進研ゼミで掲載された短編を収録。
まさに中学生向け。ジュブナイルというくくりはあまり好きではないけれども、小中学生に読ませたいような。
そんなあの頃の葛藤とか友情とか、そういうものが詰まりすぎててまさに青春そのもの。
青臭いけれども、輝いてる短編たちだったと思う。

【小説】光待つ場所へ

メフィスト賞→辻村深月
03 /29 2014
光待つ場所へ
辻村深月
講談社文庫
光待つ場所へ (講談社文庫)光待つ場所へ (講談社文庫)
(2013/09/13)
辻村 深月

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私は。
誰かを好きになったり、自分の絵に必死になってしがみつくような、そんな世界の中で生きたい。彼らのようになりたい。
認めた途端、無理だと思った。

光待つ場所へ』本文より


5編の短編集を収録した「光待つ場所へ」。
小学校の合唱コンクールで一致団結しようとする少年少女たち、芸能界の片隅で自分を探す女性、自分の作品とはなにかを掘り下げる女性。

あらゆるところで自分探しがあって、自分の壁を乗り越えようとして。
そんな色んな意味で辻村作品。
ああ、そうだ。
まさに辻村深月の青春ものっていうのはこういうものだという濃ゆーい短編集だった。

迷って迷ってそれでもゆっくり一歩を踏み出していく主人公たちの姿は読んでる側の人生の一部とどこか被るところ、共感できるところがあるからこそ読んでいて自分の人生と比べて考えさせらえるんだよなぁ。

【小説】ふちなしのかがみ

メフィスト賞→辻村深月
09 /15 2012
ふちなしのかがみ
辻村深月
角川文庫
ふちなしのかがみ (角川文庫)ふちなしのかがみ (角川文庫)
(2012/06/22)
辻村 深月

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花子さんなんて、本当は何にも怖くない。学校で本当に怖いもの、それは――。

ふちなしのかがみ』収録『踊り場の花子』本文より

辻村深月のホラー作品集『ふちなしのかがみ』。

まるでデビュー作のようなしんみりと心に沁みて痛くなるようなじんわり怖い短編が多かったように思った。

大人も子供もそれぞれ楽しめるようで、なによりどれも投げっぱなしというわけではなく、落ち着くべきところに向かって行くのも良い。
ミステリ出身だねぇ、という感じが、ね。

「踊り場の花子」での都市伝説や怪談の話をたくさん詰め込みながら、学校の中での花子さん現象に出会う少女と男性の学校という限られた中での葛藤。
そして花子さん自身の謎もまた学校という限定された空間でこそ活きてくる設定との絡みがよかった。

他にも怖いのは自分自身といわんばかりの「ふちなしのかがみ」をはじめ、非常にシュールな世界観を醸し出す「おとうさん、したいがあるよ」にしても、実に想像力をかきたてられる怖さばかりだ。

でも、こう…
ホラーなのはホラーなんだけど、実に文学っぽいねぇ。
モンスターや呪いに出会うわけではなく、結局怖いのは自分自身の中にある、みたいな感じが特にそう思う。


恐怖や強烈さよりも、ぞわぞわくる怖さを求める人や学校の怪談のような感じが好みな人にはいい気がする。



・「踊り場の花子」
・「ブランコをこぐ足」
・「おとうさん、したいがあるよ」
・「ふちなしのかがみ」
・「八月の天変地異」

【小説】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

メフィスト賞→辻村深月
08 /19 2012
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
辻村深月
講談社文庫
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
(2012/04/13)
辻村 深月

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家族だからと何かを許し、あきらめ、呑み込み、耐え、結びついた家。形は違っても、どこも皆、共通に抱える病理のようだ。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』本文より

辻村深月の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』。

友人が彼女の母を殺した。
そこからはじまる。

なぜ彼女は自分の母を殺すに至ったか。

現代のこの社会の生きづらい女性たちの中で少しずつ降り積もっていく感情を淡々と描ききった作品だと感じた。
仕事に結婚に出産に。
その時々で関わる様々な家。家と自分の関わり方のどうにも行き詰まりずっと耐え続けるかのような関係の息苦しさがとても伝わってきた。

第1章第2章とふたつの章で構成され、その対比で進む物語の構成もまた巧みな構図だった。

母と子の物語である。
そしてその中でも自分の存在を否定であったり避けられるように接させる子供たちが大人になった時、果たしてどうなっているのか。
そして自分が子供を産んだ時にどうなるのか。

どうにもこの小説の内容はやはり現代が罹っている一種の病理のような気がしてならない。

【小説】ロードムービー

メフィスト賞→辻村深月
12 /11 2011
ロードムービー
辻村深月
講談社文庫
ロードムービー (講談社文庫)ロードムービー (講談社文庫)
(2011/09/15)
辻村 深月

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「お前も大人になればわかる。こういう時は、そんな簡単な方法じゃ解決できないんだ」

ロードムービー』収録『ロードムービー』本文より

辻村深月の『ロードムービー』。

むずがゆい。
青春の苦悩と、友情と。
繊細すぎる心たちの触れ合いを描いたものが多かった。
そういった触れ合いを通しての成長が見て取れるものばかり。
だからまさに『ロードムービー』というわけだ。

ほんとこういう中学生や高校生に大学生。
そういった思春期の子供たちの描写を見ると、まるでその頃をありありと思いだせるかのような感覚にとらわれるから、なんだか読んでいて気恥ずかしいものがあるなぁ。


収録話
・「街灯」
・「ロードムービー」
・「道の先」
・「トーキョー語り」
・「雪の降る道」

【小説】ツナグ

メフィスト賞→辻村深月
09 /19 2011
ツナグ
辻村深月
新潮社
ツナグツナグ
(2010/10)
辻村 深月

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「会って、本当によかった。これで、後悔しなくて済む」
「そうですか」と答えた少年は、無愛想だが、私を見て、最後に微かに笑った。

ツナグ』本文より

一生に一度だけ、使者(ツナグ)に連絡をすることで死者と会うことができる。
死者も死んでから一度だけ生きている人にもう一度会える。
お互いに会いたいと願うことで会い、そこで彼らは何かを得ていく。

死ぬ前じゃなくて、死んだ後に会うということにすごく摂理に反したことだけれども、それだけにこの小説に出てくる人たちはなんらかの想いを持って会う。
生きているときでは言えなかった事、遅かったこと。
それはもう実に色々あるんだけれども、淡々としながらすごく切なくもある。

どこか透き通った想いとでもいうのかな。
想いがまっすぐで、そして想いを投げ合ってる。
その様が心に響いてくるようだった。

素敵な話だった。

死者と使者の話というのも面白いけれども、
使者と会うことで自分の中の何かが未来に「つながる」小説であることもタイトルとかけていてすごく面白い。
また使者自身にとっての現在とここから先に繋がる未来というのも描かれていて…
なんていうのかな。

死は誰にでも繋がっていくものだけれども、死を通して誰かの未来を橋渡ししていたり。
なんというか生きることと死ぬことってそうやってつなげていくものなんだと再確認させられたなぁ。

【小説】太陽の坐る場所

メフィスト賞→辻村深月
07 /01 2011
太陽の坐る場所
辻村深月
文春文庫
太陽の坐る場所 (文春文庫)太陽の坐る場所 (文春文庫)
(2011/06/10)
辻村 深月

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だけど私は、たくさんのものを盗って盗られてここにいる。何もない、あんたたちとは覚悟が違う。好き好んでこの哲学を選び、この背骨で胸を張る。

太陽の坐る場所』本文より

辻村深月の『太陽の坐る場所』。

高校卒業から10年のクラス会。

このタイトルともなっている「太陽」とされる人気女優となったキョウコ。
彼女を中心として元クラスメイトたちが語るクラス会と過去のお話。

どろどろの悪意や嫉妬。
「友達」というものではあるけれども、どこか気持ちのわるい感じが抜けきらない。

高校というみんなが共通して踏み出していった時とは違う。
もうみんな社会人で別々の道を歩んでいるからこその、不揃いな、そうだな…もうあのころとは違うのだと言わんばかりの記述に戦々恐々とした。

辻村深月がこんなにどろっとしたものを、とびっくりした。

【小説】名前探しの放課後

メフィスト賞→辻村深月
01 /02 2011
名前探しの放課後 上下
辻村深月
講談社文庫
名前探しの放課後(上) (講談社文庫)名前探しの放課後(上) (講談社文庫)
(2010/09/15)
辻村 深月

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「お前の言葉を借りるなら、それは、絶望やそれに類する経験をきちんとしたことがあるやつの実感の論理だよ。派手な絶望や衝突の感情がわからないから、日常に何の変化も起こらないことただそれだけがもう苦痛だっていう奴もいる。何もないからこそなんだ」

名前探しの放課後 上』本文より

辻村深月の『名前探しの放課後』。
3ヵ月後からタイムスリップしてきた主人公のいつき。
彼が覚えているのはこれから3ヵ月後に誰かが自殺する。
それを止めるために読書好きの女の子のあすなに協力を依頼するところからはじまる作品。

デビュー作『冷たい校舎の~』と似たような感じだな。
SFの要素をさりげなく出したり、自殺した誰かを止めるために行動したり。

主人公の周りだけで話が完結するのも非常に分かりやすい。
学校だけで完結し、非常に狭い地域の中を主張する代わり映えしない世界の中で淡々と話が進むのもどこかに閉じ込められたかのような気分になってくる。
それ以上に今時の高校生ならではのひとりひとりの違った世界と死生観を演出しているのも、巧いなぁ、と。
そりゃもう自殺をテーマのひとつに据えているわけだから、なぜ自ら死ぬのかという議論もまた瑞々しい。

主人公たちが高校生だからきゃぴきゃぴした青春というわけでもなく、淡々と自分の世界を作り上げていっている人物描写こそがこの本の持ち味だよなー。

【小説】V.T.R.

メフィスト賞→辻村深月
07 /22 2010
V.T.R.
チヨダ・コーキ(辻村深月
イラスト:倉花千夏
講談社ノベルス
V.T.R. (講談社ノベルス)V.T.R. (講談社ノベルス)
(2010/02/05)
辻村 深月

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アールは見た目も内容も文句のつけようのないエリートだったから良かったけど、俺はよく言われた。今でも言われる。どうしてお前みたいなヤツがテストに受かったのか。マーダーになれたのか。そもそも何故、マーダーになりたいと思ったのか。お前は弱い、腰抜けなのに。

V.T.R.』本文より

辻村深月の『スロウハイツの神様』の登場人物チヨダ・コーキのデビュー作という設定の『V.T.R.』。

ハードボイルドだけれども優しさの垣間見える暗殺者たちの話。
チヨダ・コーキのせいで人が死んだ、そんな一文からはじまった物語のスピンオフ。
まさに彼の書いた本という設定だけに、なんだか彼の優しさがにじみ出る。
いってみれば作者が垣間見えるような本だった。

かといってスロウハイツを読んでなくても問題なく、むしろこれを読んでから読んでみたらどんな風に「チヨダ・コーキ」という人物に見えるんだろうと思う。

【小説】スロウハイツの神様(下)

メフィスト賞→辻村深月
01 /25 2007
スロウハイツの神様 下
辻村深月
講談社ノベルス
スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)
(2007/01/12)
辻村 深月

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あれだけ求めたきた、小説にできること、その可能性。その欠片を見たように想った。



スロウハイツの神様」下巻。

小説家チヨダ・コーキの小説が人を殺したと騒がれた事件。
それからの長い年月。
再び作家として復帰してからの様々なクリエイターが一つ屋根の下で行った共同生活。


登場人物の誰もが自分の作品、作るものに対して悩み、道をふさがれ、それでも進んで。
人と人との関係に悩んで決断して。

そんな一人一人のエピソードが次第にひとつの終着点へと向かって伏線を回収していく流れが見事。

いい青春小説を読めたなぁと思う。


みんなが集まって、そして楽しい共同生活も終わりを迎える。

そのあとのエピローグがすごい読んでて心地よかった。
登場人物たちがあのチヨダ・コーキを中心とした共同生活の中でなにを感じ、どう自分と向き合っていったか。
彼らのあとが見れたことがなによりよかった。

【小説】スロウハイツの神様(上)

メフィスト賞→辻村深月
01 /23 2007
スロウハイツの神様 上
辻村深月
講談社ノベルス
スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)
(2007/01/12)
辻村 深月

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チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ



辻村深月の5作目。

本を読む人なら、誰もが経験する「~の本の所為で事件が起こった」そんな類の事件。
でも読んでる人からすれば絶対にそんなことはないし、それを報道してるメディアに対して違和感を覚えたり嫌悪感を抱いたりする。


まさにそんなことを小説で読むことになるとは。
そのきっかけとされた作家と作家のまわりに集まるクリエイターたちの話。
まるでトキワ荘のような。


メディアに対する不信感や盗作疑惑など、本にまつわる話が次から次へと出てくるのが面白い。


さて、次は「スロウハイツの神様」下巻。

【小説】ぼくのメジャースプーン

メフィスト賞→辻村深月
04 /14 2006
僕のメジャースプーン
辻村深月
講談社ノベルス
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
(2006/04/07)
辻村 深月

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あらすじ
ぼくの幼馴染のふみちゃんが登校拒否になってしまった。
原因は学校でふみちゃんが可愛がっていたうさぎが惨殺してしまったからだった。
しかし、犯人は捕まるもそれほど重い罪には課せられないという。
ふみちゃんのためにぼくは犯人に対して罰を与えようとする。



感想

罪と罰。
人間を殺すと重い罪になるが、動物を殺してもたいした罪にはならない。
じゃあどんな罪ならば、いいのか。
相応の刑を自由に執行できてしまう可能性を秘めている能力を持った「ぼく」が主人公というのがおもしろい。

事件があったことを忘れてしまえばいいのか、被害者と同じような目にあわしてしまうのか、それとも…

【小説】凍りのくじら

メフィスト賞→辻村深月
11 /09 2005
凍りのくじら
辻村深月
講談社ノベルス
凍りのくじら (講談社ノベルス)凍りのくじら (講談社ノベルス)
(2005/11/08)
辻村 深月

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あらすじ

藤子・F・不二雄を人生の目標にかかげる父が失踪してから5年。
病気の母親と二人で暮らしている理帆子。
彼女は世界を冷めた目で見ながら生きていた。
そんな理帆子のSukosiFuhaiな元彼氏が日常を少しずつ狂わせていく…

SukosiFusigiな物語。




感想とか

辻村深月この3作目で大化けしたかもしれない……

友情と愛情と親子の物語。
けれどもそれは決して爽やかなものじゃなく、いつ毀れてもおかしくない儚い関係。
それに"ドラえもん"というスパイスが加わってより美味しくなってます。


お互いに意思疎通が完璧にできているなんて人はいない。
だからといってお互いがお互いを理解できるように努力に努力を重ねるなんてことはきっとしないだろう。
どこかで妥協する点があったり、相手を認めたりする終止符がどこかにあるもんだと思う。
でもそれらを探して頭の中をぐるぐると回転させたあげく迷走する。
けどそれでいいんじゃない。
楽しめたモン勝ちなんだよ、うん。
少なくとも人を"こんな人"っていうラベルをつけてしまって付き合うよりはいいと思う。
と言いつつ間違いなくやってるよなぁ。


あとドラえもんを全巻読みたくなります。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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