【小説】ビッチマグネット

メフィスト賞→舞城王太郎
03 /14 2015
ビッチマグネット
舞城王太郎
新潮文庫
ビッチマグネット (新潮文庫)ビッチマグネット (新潮文庫)
(2014/08/28)
舞城 王太郎

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結果はどうあれ理想を掲げるべきだし、私は私のために努力もしたい。

ビッチマグネット』本文より


舞城王太郎の青春小説だった。

ひとりの女の子の中学生が高校生、大学生となり。
恋とか愛なんてそんなんどうでもいいわと家族を大切にしようとしていたところから、いつの間にか流れにのって恋も愛も知ってしまい社会人になるときに生きることをどう生きていくべきか考える。

まさに青春。
誰もがどこかで体験しているかのようなあるあるだらけじゃないか。
しかも結構ド直球。
複雑な家庭環境といわれるような家族であることくらいか、もしくは結構家族想いのブラ

コンとかは普通じゃないかもしれないけれども、これを読むと一つの要素であって、どん

な家族でもなにかそういうことのひとつやふたつあるものかもなぁと思う。
そう思うと誰にでも当てはまる点ってのはあるようになってるのかもしれん。

【小説】スクールアタック・シンドローム

メフィスト賞→舞城王太郎
01 /17 2015
スクールアタック・シンドローム
舞城王太郎
新潮文庫
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)
(2007/06/28)
舞城 王太郎

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死ぬこと、結果、そんなことはどうでもいい。とにかく今だ。今、今、今。そしてその次

スクールアタック・シンドローム』収録『我が家のトトロ』本文より

「みんな元気」の分冊文庫『スクールアタック・シンドローム』。
文庫で再読。

あのころの舞城王太郎だよなぁ。
小説でありながら、どことなく共感できる登場人物たちによる圧倒的非日常っぷり。
突飛なんだけど、ありきたりそうな人たち身近に感じるからこその読みやすさ。
読みやすいのに1ページにめいっぱい詰め込まれた恐ろしい濃密っぷり。
これがいいんだよな。

収録話:
・「スクールアタック・シンドローム
・「我が家のトトロ」
・「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」

【小説】魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD

メフィスト賞→舞城王太郎
01 /26 2012
魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD
原作:越前魔太郎
著:舞城王太郎
講談社ノベルス
魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)
(2010/09/07)
舞城 王太郎

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「一度死んで、こうやって生き返って、私は元の私なの?それとも新しい私なの?

魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD』本文より

魔界探偵冥王星O舞城王太郎による第一期最後の一篇。
越前魔太郎の中でも唯一名前を出している本人というか発起人というかの本という事で、ちょっと異色。

探偵は探偵だけど、かなり特殊。
いや、他の冥王星Oも独特だけど。

平行世界のようであり、いくつもの冥王星Oがいることを前提としていて、そして今回の内容は破壊と再生の中での冥王星O。
おお。
いつもの舞城王太郎だ。
ブレない神話を象ったような破壊と再生のための物語だった。

別に1期の最後だからといって締めくくりというわけでもなく、数ある冥王星Oの中の一編というものだった。
他にもいくつもの世界があるからこそできる芸当の内容だよなぁ。

【小説】獣の樹

メフィスト賞→舞城王太郎
07 /29 2011
獣の樹
舞城王太郎
講談社ノベルス
獣の樹 (講談社ノベルス)獣の樹 (講談社ノベルス)
(2010/07/07)
舞城 王太郎

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ほやけど、アイデンティティって、ほんなに大事なんかなあ?

獣の樹』本文より

舞城はどこへ行くんだ(笑
これはなんなんだろう。
文学っぽいけど、そうではない。
小説だけど、あるべき着地点に向かうわけでもない。
ファンタジーだけど、明らかに現実の問題に向かい合ってる。

とにもかくにも圧倒的なスピード感とけったいな設定で駆け抜けるかのような内容だった。

そしてまた背中に毛が生えた成雄の物語。
でもやっぱり名前だけしか同じじゃない。
シミトモにスピーディーボーイに。この獣の樹、か。
出るたびに「新しさ」っていうのもを見せてくれるよなぁ。

自己とは、アイデンティティとはと疑問を投げかけ、そして樹の根本である生物のはじまり、そして樹の行く先である進化の果て、また人類の果てにまで及ぶ壮大なストーリー。
そこで考えざるを得ない現実という問題に、はっとさせられることも多々。
しかしそう思うのも一瞬で、必死に物語についていかないと振り落とされるかのようなスピード感に酔いしれた。

【ミステリ】ディスコ探偵水曜日 下

メフィスト賞→舞城王太郎
04 /25 2011
ディスコ探偵水曜日
舞城王太郎
カバーイラスト:KEI
新潮文庫
ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)
(2011/01)
舞城 王太郎

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他人が必要なんだ。
自分というものを人は…少なくとも俺はある程度他人の存在の中で確率させているのだ。今の俺の手の平の崩壊を見る限り、自分の身体の形ですらある程度他人の意識によって固定してもらっているのだ。

ディスコ探偵水曜日 下』本文より

舞城王太郎の『ディスコ探偵水曜日』下巻。

時間と空間と次元を越えて、ついにパインハウスの事件を解決。
そして梢の存在を繋ぎとめた。
これぞ大団円!

清涼院流水の10億人が被害者というビリオンキラーとすら匹敵するような世界を相手にしたような探偵ものだった。
その中でも物理的空間的時空的な究極的な密室も堪能。

ありとあらゆる要素が絡み合った知識の宝庫のようでもあり、ミステリそのものに敵対するかのようなミステリに仕上げたこの作品はある意味舞城王太郎の集大成と言っても過言じゃない小説だったんじゃないだろうか。

とにかくスゴイ!
とんでもなくブッ飛んだ小説を読みたいならぜひこれは読むべき。

【ミステリ】ディスコ探偵水曜日 中

メフィスト賞→舞城王太郎
04 /20 2011
ディスコ探偵水曜日
舞城王太郎
カバーイラスト:KEI
新潮文庫
ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)
(2011/01)
舞城 王太郎

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梢のことだけを考えろ!
ともネイルピーラーは言った。
これのことだったんだ。
「すべてに意味がある」
「ほうや。何つってもあんたはディスコ・ウェンズデイや。人に踊らされてんと、自分で踊ってかなな」
ふ、と俺は笑う。ディスコって名前でいろんなことを言われたけれど、そんなふうに言われたのは初めてだ。
目を開ける。
新しい世界だ。

ディスコ探偵水曜日 中』本文より

舞城王太郎の『ディスコ探偵水曜日』中巻読了。

時間も空間も作品巻もすべてを超越した事件。
梢を救うために孤軍奮闘するディスコ・ウェンズデイ。

過去も未来も作品間さえも飛び越えるメタメタな内容。
推理も名探偵たちもブッとんでる。
もはや最後がどこに着地するのかわからんぜ。


名探偵という名探偵が集っても解けない謎。
ユダヤ教にキリスト教にカバラに魔術が絡む事件も解決したし、残りは梢を救うという目的はどこでどうやって果たされるかだな。

とんでもない博識という博識を披露されてもなお、遠ざかる名探偵に解けない謎の展開は少々辟易もしたけれども、物語の根幹である梢を救うというところがブレないからこそ面白い。

【ミステリ】ディスコ探偵水曜日 上

メフィスト賞→舞城王太郎
03 /12 2011
ディスコ探偵水曜日
舞城王太郎
カバーイラスト:KEI
新潮文庫
ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)
(2011/01)
舞城 王太郎

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人間存在(human being)とはなんだろう?
在るということは生きていることになるのだろうか?そうなれば未来の僕も過去の僕も並行して在り、生きている。

ディスコ探偵水曜日 上』本文より

舞城王太郎の『ディスコ探偵水曜日』上巻読了。
長い。読み終わらん。
しかし、ものっすごい面白い。

時間と空間と人格さえも超越して、謎解きをしていく。
探偵ディスコ・ウェンズデイがある事件で引き取った梢ちゃん。
彼女は時々未来の彼女と姿かたちが入れ替わる。
そんでもって別の人格が移っちゃったもんだから、その人格の謎を解きに探偵たちが殺され続ける館へ。

破天荒。
常識外。
これってミステリなのか。
いや、そもそもこの小説自体がジャンル分け不明のミステリアス小説だよっ(笑

講談社の太田克史は出てくるし、清涼院流水すら実在してる世界。
ぎゃあああ、楽しい。

序盤の未来の梢ちゃんが来たあたりからの存在証明にはじまり、探偵たちが殺される謎しかり、ミステリミステリもしているけれども、この正体不明な小説の行き先を最後まで見てみたい。

【本】NECK

メフィスト賞→舞城王太郎
07 /19 2010
NECK
舞城王太郎
講談社文庫
NECK (講談社文庫)NECK (講談社文庫)
(2010/07/15)
舞城 王太郎

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首藤「実験、何だったんですか。目的は?」
杉奈「う~ん。私の予想では、このネックマシーンの中にお化けが生まれるはずやったんやけどなあ……」
首藤「………!?」

NECK』本文より

舞城王太郎の『NECK』。
舞台の原作や映画の原作を含めた4つの『NECK』に関わる話。
冥王星Oが登場したり、越前魔太郎が出てきたりもしたり。

小説もあり、脚本もあり。
ただの脚本だけじゃなく絵コンテがあったり、挿絵ありだったり。

どこへ行くんだ
舞城王太郎は。
文学でもライトノベルでもなく、
どこかなんか別の場所へ行こう突っ走っているような本でした。
本は本なんだけど既存のジャンルですら分けることが不可能な。
そんな感じ。

【小説】SPEEDBOY!

メフィスト賞→舞城王太郎
05 /16 2010
SPEEDBOY!
舞城王太郎
イラスト:舞城王太郎
講談社BOX
SPEEDBOY! (講談社BOX)SPEEDBOY! (講談社BOX)
(2006/11/01)
舞城 王太郎

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何かを一緒にやる仲間を友達というなら、それは無理だ。誰も僕についてこれない。誰も僕に追いつけない。
それにみんなちょっと背中に毛が生えてるくらいで僕をバカにするような奴らばっかりなのだ。ちょっと変わってるくらいで受け入れられない、度量とか器量の狭い奴らばっかりなのだ。
そんな奴らと友達になれるはずがない。
孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行ける。

SPEEDBOY!』本文より

講談社BOX創刊ラインナップのひとつ『SPEEDBOY!』。
ってあれ???
これ毛が生えた成雄って獅見朋成雄じゃないの?(笑

音速で走って人間の限界をとっくに越えてしまった成雄が見た世界とは。


シミトモと設定こそ同じだが、話はまるで違う。
毛が生えてて音速で走れて。
だから特殊で変わった奴で。
孤独を愛してるけど、そのくせ色んな奴に好かれてる。

そうだ。いいやつなんだコイツは。

世界を突破しちゃったからこそ特殊にならざるを得なくって。
だから世界との付き合い方が分からなくなっちゃって。

どのぐるぐるした思考の描き方が実に舞城らしくて。
久々に舞城作品を読んだもんだから懐かしさを感じてしまった。

青春だねぃ。

【小説】熊の場所

メフィスト賞→舞城王太郎
05 /10 2007
熊の場所
舞城王太郎
講談社ノベルス
熊の場所 (講談社ノベルス)熊の場所 (講談社ノベルス)
(2004/12/07)
舞城 王太郎

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でもどんなに祈っても、そこに神の存在は感じられず、僕の祈りが届けられたとは思えない



舞城王太郎の短編集『熊の場所』。
マンガ版『ピコーン』を読んだら、読み直したくなって再読。



熊の場所
この短編集のどれにもいえることだけど、濃いよな。
最初の話からどんどんひねくれていって最後になってようやくテーマに戻ってくる、みたいな。

この熊の場所も父親の話があって、猫殺しのマー君の話があって、そしてようやく最後の"熊の場所と"いう話に戻っていく。
一見ものすごく現実から離れた話で「ふんふん」読みながら読み進めていたのに急にラストで「どうよ!?」と物語の中から外へ向けて急に話しかけられるような、または決定的証拠を見せ付けられた犯人みたいな気分。

もうYESかNOか、とにかく何かを発言しないといけないみたいな雰囲気。
心当たりありまくり。
そりゃ誰だって熊の場所は持ってるだろうよ。

そして立ち向かった記憶なんてのもないしさorz
いつかは向き合わなきゃいけないんだろうけど…。



バット男
そういや、これって舞台化されたんだっけかなぁ…

これまたどこにでもある話。
実際のバット男は存在しないかもしれない。
けれども社会的弱者はどこにだって存在している。
そりゃもう学校、職場。
人が集まればどこかには必ず発生してしまう。

なんで自分より弱いものへ弱いものへと暴力が連鎖していくのか。
人は人を愛せるのにさ。
そんなテーマのようなものを感じた。



ピコーン
可愛い表紙につられて買ったらこの短編はエロかった(笑
そんな人もいるんじゃないだろうか。

性的描写は、それを通じて一つの救いを生み出しているという点では稀有なものな気がする。

そんな前半。
そして後半にはよくあるようなテレビで放送される猟奇事件の批判だろうか。
確かにみんな誰しもがより不可解なものを求める。
裁判でも被告がなんかよくわからない意味不明なものを言ってメディアが熱狂。

なぁ、見ててバカバカしくね?ってーか人間としての本質がおまえら間違ってるよな

ってことをこの作品から暗に感じた。


熊の場所 熊の場所
舞城 王太郎 (2006/02/16)
講談社

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【コミック】ピコーン!

メフィスト賞→舞城王太郎
05 /03 2007
ピコーン! PICCCCCOHHHNNN!
原作:舞城王太郎
漫画:青山景
講談社
IKKI連載
ピコーン! (IKKI COMICS)ピコーン! (IKKI COMICS)
(2007/02/27)
舞城 王太郎青山 景

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「生命力というのは尊敬に値する。
わたしは生きている。
哲也亡き後も生きている。」

舞城王太郎の『ピコーン!』と『スクールアタックシンドローム』をコミカライズ。
IKKI COMPLEXの第1弾。


B6番のコミック、しかも200Pで1200円はないだろ orz
…なんて思って買わずにいたら古本で出会ってしまったので購入。

果たして舞城王太郎の本をマンガ化して楽しめるものなんだろうか、とは思っていた。
ただでさえ情報がものすごく多いし、人物描写も事細か。
じゃあ文章で表していることをそのままマンガで表すことができるのか。
しかも「バット男」や「熊の場所」などではなく、「ピコーン!」をマンガ化ときたもんだ。

後半に収録されてる「スクールアタックシンドローム」は親子の微妙な感情をマンガで表したら面白いとはおもうけれども、「ピコーン!」である。
セックス描写が多い上に、主人公の内面の葛藤をメインとしているやつである。

読んで思ったのは、こーゆー表現方法もありなのか。
智与子と哲也が少しずつ変わっていく描写にしても、犯人捜しにしても、「あ、これは分かりやすいな」と思えた。


舞城王太郎の小説は読みづらいが興味はあるって人は読んでみてもいいかもしれません。


が、やっぱり1200円は敷居が高すぎだと思います。

ピコーン! ピコーン!
舞城 王太郎、青山 景 他 (2007/02/27)
小学館

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【小説】世界は密室でできている。

メフィスト賞→舞城王太郎
03 /17 2007
世界は密室でできている。
THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS.

舞城王太郎
講談社文庫
世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS (講談社文庫)世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS (講談社文庫)
(2005/04)
舞城 王太郎

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「何たるアンチクライマックス。まあいいわ。おっしゃー!」




舞城王太郎の「世界は密室でできている。」。
講談社ノベルスの20周年企画「密室本」の1冊。


文庫って安いよな…
舞城王太郎のは。

とりあえず2回目の再読。


近所のお姉さんが飛び降りて死んだ。
あっけなく。
そんなプロローグからはじまり、ミステリーらしい事件なんて起こらなくて
ただ、主人公と名探偵ルンババ12の冒険がはじまる。
15のとき、修学旅行で風変わりな姉妹と出会い、それから19歳に至るまでに彼らの前に現れる意味不明な密室殺人事件たち。



密室でありながら、密室なんかじゃない。
ミステリー好きはなにを持って密室に期待するんだろう。
名探偵の推理か、突拍子もない展開か。
そんなことをこの本を読んだら考えさせられる。

密室なんてただの事件。
確かに事件はあるし、解決もする。

けれどもこの本においてはそこが問題なんじゃないんだろう。

それはきっと(以下反転)
本を読んだ瞬間に現れる涼ちゃんの死と彼らが抜け出すべき涼ちゃんの死との葛藤から抜け出すこと
なんじゃないだろうか。

これこそが彼らの密室で、それを彩る事件たちこそがミステリーでいうミスリードのような気すらする。
ミステリーのような装いでありながら、本格ミステリに反していて、けれども
これは密室そのものの本だと思う。


なにはともあれ、この本はとてつもなく面白い。
ってか大好きだ(笑


世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS / 舞城 王太郎

【小説】みんな元気。

メフィスト賞→舞城王太郎
01 /15 2006
『みんな元気。Cuckoos & The Invisible Devil』
舞城王太郎
新潮社
みんな元気。みんな元気。
(2004/10/28)
舞城 王太郎

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表題の「みんな元気。」を含む短編集。

収録
みんな元気。
Dead for Good
我が家のトトロ
矢を止める五羽の梔鳥
スクールアタック・シンドローム

いずれも「新潮」掲載(Dead for Goodのみ書き下ろし)

/////////////////////////////
感想とか

「スクールアタック・シンドローム」の印象が強烈すぎた。

高校の学校の生徒や教師600人を次々に殺していく小説を書き綴る息子と自称精神病で病んでいるから自堕落な生活をしている親の話。

子供が一体なにを考えているのかさっぱり分からない、という親がいっぱいいる。
そして世間を騒がすニュースは中学生だか高校生だかが犯罪を実行したとかいうニュースの影響もあってか余計に分からなくなる。
もはや「自分の子は大丈夫」なんて悠長なことは言えないのかもしれない。
今はそんな時代らしい。

けれどもそんな親たちだって子供だった時代があったわけで。
その子供時代になんかいも直面したんじゃないだろうか「親は分かってくれない」っていう事態に。

ただただ親も子もお互いに棘にでも触るような関係でいるんじゃないのかな、と思う。
とりあえず「話」をはじめるところからスタートしなきゃ、いつまでたっても分かり合うことなんてできない。
そりゃあ人間はテレパシーなんか通じないし、アイコンタクトでも意思の疎通がはかれるようになるには信頼関係だとか様々なことが成り立たないとできないものなんだし。

そんなことを考えされられる短編でした。

【小説】好き好き大好き超愛してる。

メフィスト賞→舞城王太郎
01 /09 2006
好き好き大好き超愛してる。
舞城王太郎
講談社
好き好き大好き超愛してる。好き好き大好き超愛してる。
(2004/08/07)
舞城 王太郎

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あらすじ

愛は祈りだ。
僕と好きな人たち、そして僕以外のすべての人に幸せになって欲しい。
だから祈る。
だから祈ること、それ自体が愛なんだ

作家の僕の彼女は病魔に侵され、身体の一部分、そして確実に死へと向かっていっていた。


ファウストVol.1に掲載された「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」も収録。
イラストギャラリー付。

芥川賞候補作

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感想とか

メフィスト賞作家からついに芥川賞作家がついに出るか!?と本気で思ったことこともあった。
さて、作者は舞城王太郎。
賞の候補となったからと言って作風ががらりと変わるわけでもなく。

「九十九十九」ほどメタメタはしてないけどメタな小説です。
そして愛に満ち満ちた小説でもあります。


ラストの方にあるパスカルの引用「愛しすぎていないのなら~」になんとなく納得したような、よくわからんような。
間違ってもすれ違いまくろうとも、どれだけバカやろうともいっぱいいっぱい愛せばいいんだ。
愛なんてきっとそんなもんだ、そう思うことにしよう。

【小説】山ん中の獅見朋成雄

メフィスト賞→舞城王太郎
12 /10 2005
山ん中の獅見朋成雄
舞城王太郎
講談社、講談社ノベルス
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)
(2005/12)
舞城 王太郎

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あらすじ…か?
いつもの西暁に住む中学生の獅見朋成雄には毛が生えていた。
鬣のような毛が背中に。
それがコンプレックスに思えてならない成雄には友人がいた。
友人のモヒ寛はじじいで世間から離れているような人物で相撲好きが高じて自分の家に土俵まで作ってしまう変人。
そんな二人が織り成す実に変で純真でどういえばいいのかよく分からない世界。


感想とか
ただ、ただ単におもしろいなぁ舞城は。
そんでもってスゴイ。
最初のページから物語の世界へ引き込ませ、ラストはラストで一気に現実まで引き戻してくる。
この疾走感がなんとも心地いい。


やはりシミトモを語るにはカニバリズムについて書くべきなんだろうなぁ。
"盆"に乗せる"人盆"という形で人を使った料理で出てくる。
そしてその味を絶賛する。
けれどもあのなんとも独特な擬音を使っての料理の表現はほとんど出てこない。
数行だけで食べるところを説明してる。
それともう一点。
食べるために殺すということ。
成雄が鬣のような毛を剃ったあと、人が変わったように人を殺してしまう。
そして殺した人を盆として出してみんなで食べる。
美味を追及した先にある料理としての人料理か、倫理としていかなる理由があれ人を殺してはいけないのか。
こんな問題を残して成雄たちは元の世界へと帰っていった。

はて取り残された読者たちはどう考えたんだろう。
別に人を殺す食べるなどの禁忌だけじゃなく色んな風にとれるんじゃないかな。
科学の追及としてのクローン人間はどうなのか、とか薬の研究のための人間を使っての実験だとかetcetc

世の中って難しいもんだね。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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