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【ミステリ】幼虫旅館

メフィスト賞→赤星香一郎
06 /20 2011
幼虫旅館
赤星香一郎
講談社ノベルス
幼虫旅館 (講談社ノベルス)幼虫旅館 (講談社ノベルス)
(2011/03/08)
赤星 香一郎

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「そうだ。翡翠の勾玉の霊力を操る幼虫様は毎年生贄を欲しがっている。今年の生贄はこの旅館の主人ってわけさ」
糸川はそう言うと、さも愉快そうにケタケタと笑い出した。

幼虫旅館』本文より

ホラー×ミステリの『幼虫旅館』。
前作の『赤い蟷螂』のあとの話。
けど、これ単独でもOK。

さて、どこから話したものか。
前作は典型的なまでにホラーの様相、そして新たな恐怖描写が見られた。

今作はホラーを踏襲としながらも、ミステリ面への力の入れ具合がすさまじかった。

不気味な虫を配した旅館。
自殺テープを聞いた者が錯乱して死に至るという噂。
幼虫様の伝承。
都市伝説や変死体に都市伝承などオカルトの題材をこれでもかと詰め込んで、かつ凄惨残虐な事件も絡んでくる。

事件に巻き込まれるのは前作でも恐怖に遭遇した男性とその一家。
その一家というところがまた絶妙。
恐怖を語るには「家族」が適任。
その効果もあって家族が遭遇した今回の事件には実にぞっとさせられた。

たった1冊で何粒もおいしい。
怖いもの好きにとっては飛びつくのが吉(笑

しかし、圧倒される筆力で描かれるホラー描写には耐性がないとキツイのではないかと思われるくらいなので注意かも(笑



てっきりホラー方向へ進むのかと思いきや、ミステリ方面もしっかり描いてきたことには予想外。
でも予想外もいいもんです。

【ホラー】赤い蟷螂

メフィスト賞→赤星香一郎
01 /21 2010
赤い蟷螂
赤星香一郎
講談社ノベルス
赤い蟷螂 (講談社ノベルス)赤い蟷螂 (講談社ノベルス)
(2010/01/08)
赤星 香一郎

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斉藤はいったん立ち止まり、振り返ると真剣な表情で赤井に言った。
赤い蟷螂には、絶対に近づいちゃ駄目だ」

赤い蟷螂』本文より


It's a J-Horror!

これがジャパニーズホラーだ!と言わんばかりの出来だと思う。
もともとホラーっていうものは好きだし、その見せ方のパターンでももっとも好きな呪いの元凶を辿っていくパターンなもんだから楽しくて仕方なかった。

20年前に流行った「セツコさん」というこっくりさんのような遊び。
その時の呪いを解くために「赤い蟷螂」というキーワードと「セツコさん」の真相へと迫っていく。


不気味な「赤い蟷螂」という言葉に関わった人物の不審死。
50年前のセツコさんの呪い。

もうこの描写がすさまじい。
ぜひとも映像化しておどろおどろしさを見てみたいと思えてならない。

もちろんそれ以上に驚愕のラストはたまらないものがある。
最後の最後まで気が抜けない小説でした。


1作目のミステリ×ホラーの「虫とりのうた」のホラーっぷりにも喜んだもんだけども、それ以上に本格的にど真ん中のホラーが出てきやがった。

【ホラー】虫とりのうた

メフィスト賞→赤星香一郎
09 /23 2009
虫とりのうた
赤星香一郎
講談社ノベルス
虫とりのうた (講談社ノベルス)虫とりのうた (講談社ノベルス)
(2009/08/07)
赤星 香一郎

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この童謡には裏解釈があり、都市伝説が存在します。裏解釈では、「虫とりのうた」が、子供を誘拐し殺害する唄であるということになっています。

虫とりのうた』本文より

第41回メフィスト賞受賞作『虫とりのうた』。

おそろしく出来がいいんだが…
思わず再読してしまうほどのものって久しぶりなような気がする。

「虫とりのうた」。
この唄の5番を知ってしまうと殺されてしまうという都市伝説。
この唄を追う主人公の作家志望の男はの周りで唄の通りに一人、また一人と唄になぞらえて死亡していく。


怖い。
あまりに不気味すぎる。
都市伝説の唄にまつわる事件や予言、閉鎖的な嫁の実家の怪しさ。
そんな雰囲気に圧倒された。
そしてこの呪いから助かるための唯一の呪文「かしでえんまなおえましん」。
その呪文の謎とこの一連の事件の収束する展開はゾクゾクした。


メフィスト賞でホラーといえば積木鏡介や真梨幸子の「孤虫症」などがあげられるけれども、それとはまた違う王道ホラーというものを見れたような感じだ。

∀ki(あき)

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