【小説】芥川症

芥川症
久坂部羊
新潮文庫
芥川症 (新潮文庫)
芥川症 (新潮文庫)
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久坂部 羊
新潮社 (2016-12-23)
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何もしない医療が、これほど平穏で安らぎを与えるものか。
よけいなことをせず、寿命を静かに受け入れる。
医療にすがって、治らない病気を無理に治そうとするほど、苦しく、愚かしいことはない。

芥川症』本文より

久坂部羊の短編集『芥川症』。

ブラックユーモアの効いた医者と患者のエトセトラ。
医療とはなんなのか。
神への挑戦なのか、それとも自己満足のためなのか。
ここが変だよ日本の医療といわんばかりの素晴らしいユーモア、あるいは不謹慎と怒る人すらいそうだけど、でもこれももっともだよなと思わず納得してしまうものが多くある本だった。

この作者の本は短編だと余計にブラックユーモア医療ものが生き生きとしてたいへん楽しい。

tag : 芥川症 久坂部羊 新潮文庫

【小説】クリーピー

クリーピー
前川裕
光文社文庫
クリーピー (光文社文庫)
前川 裕
光文社 (2014-03-12)
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あの人、お父さんじゃありません

クリーピー』本文より

前川裕の『クリーピー』。
お隣さんの娘さんが発する「あの人、お父さんじゃありません」発言から先が一気に物語が加速した。
恐ろしさというか、隣人を知らないことの怖さというか。
狂気を煮詰めたその先に出てきた、もはや誰にも理解ができない感情を喚起させてくれるかのよう。
もはや感想がネタバレなしに語れないようなおっそろしい本だった。

tag : クリーピー 前川裕 光文社文庫

【小説】キアズマ

キアズマ
近藤史恵
新潮文庫
キアズマ (新潮文庫)
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近藤 史恵
新潮社 (2016-02-27)
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「でも、道を歩いてたって、車に乗ってたって、結局は同じことや。数秒先に自分が生きている保証なんかない。違うか?」

キアズマ』本文より

近藤史恵の『キアズマ』。
サクリファイスからの誓のシリーズとはまた別だけれども、同じロードレース。
しかも自転車、ロードレーサーと出会うところからはじまるストーリー。

自転車に興味を持つところからはじまるのに、ここまで命を削りながら、命そのものならまだしも魂まで削って自転車という世界に捧げようとすらするような気概すら感じさせる文体はいったいなんなのか。
自転車、ただの自転車だが、されど自転車。
ただ速く走るための乗り物なんかじゃなく、誰よりも速く駆け抜ける歓びというか…
なんか恐ろしい境地を見せられた気がするぞ。

tag : キアズマ 近藤史恵 新潮文庫

【小説】共震

共震
相場英雄
小学館文庫
共震 (小学館文庫)
共震 (小学館文庫)
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相場 英雄
小学館 (2016-03-08)
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「俺たちは当事者じゃない。この気持ちは、早坂さんや神戸の人たちじゃないと共有できない。なんど沿岸に足を運んでも、俺たちでは分かり得ない感情だ」

共震』本文より

相場英雄の『共震』。
これが小説家が選んだ東日本大震災を記録する本だ!

小説家にしかできない。
読んでもらって風化させない。
ミステリを入れ、舞台を選び、そしておそらく多くの、とてつもない労力のもとで得た証言や記録でもって作り上げたのだろうという。
小説でありながら圧倒されるドキュメンタリー部分。
エッセイでも写真集でもなく、新聞記事でもなく、小説家が小説として東日本大震災を残そうとした。
そして残した。
それがこの本だ。

tag : 共震 相場英雄 小学館文庫

【小説】勇者たちへの伝言

勇者たちへの伝言 いつの日か来た道
増山実
ハルキ文庫
勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 (ハルキ文庫)
増山実
角川春樹事務所 (2015-11-14)
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「故郷」とは、きっと追い求めるものではなく、ふりかえったときに、「ただそこにあるもの」なのかもしれない。

勇者たちへの伝言』本文より

増山実の『勇者たちへの伝言』。

大正から昭和、平成へと至るまでの過去と現在。
日本と北朝鮮。
そして日本のプロ野球の歴史。
そのすべてが阪急ブレーブスと西宮という点で交錯していく。

あまりに壮大、あまりにノスタルジック、そしてあまりに哀しく、そして彼らが愛した西宮という地と阪急ブレーブスが読んでるこっちが愛おしく思えてくる。

なんだろな。
小説の良さってのを詰め込んだ感動作?考えさせられる北朝鮮への帰国事業の実情?プロ野球ができる前夜ともいえる黎明期の人種問題?それとも平等とは自由とは何ぞやという物語か。
この小説たった1冊に詰め込まれれた想いがすごい!
いい本だ!

tag : 勇者たちへの伝言 増山実 ハルキ文庫

【小説】史上最強の大臣

史上最強の大臣
室積光
小学館文庫
史上最強の大臣 (小学館文庫)
室積 光
小学館 (2015-05-08)
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十歳への教育の成果は、彼自身が八十歳で自分の人生を振り返ったときに初めて確かめられる。つまり、教師は七十年後に魅力的な八十歳になることを願って、十歳の少年と向き合うべきなのです。

史上最強の大臣』本文より

シリーズ2作目。
1作目は知らなかったけど予想外に面白かった。

日本にとっての教育とはなんなのかを問う本作。
破天荒すぎはするようにも思えるけど、この改革っぷりは爽快。
読んで納得、そして小説としても読みやすいし、現代日本と対比してみて楽しむもよし。
読み応えあるなぁ。

tag : 史上最強の大臣 室積光 小学館文庫

【小説】嗤う名医

嗤う名医
久坂部羊
集英社文庫
嗤う名医 (集英社文庫)
久坂部 羊
集英社 (2016-08-19)
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ミスを告白するとか、患者に誠意を尽くすとかは、心身にある程度の余裕があってはじめてできることなのだ。

嗤う名医』収録『至高の名医』本文より

ブラックな医療小説短編集だった。
くすっと笑えるくらいだし、実際に遭遇したりした人にとってはぞっとする小説かもしれない。

名医たちが陥る人生のトラップ。
誘惑に負けて1度の不倫がHIV陽性の人とだったり、骨の研究にどっぷりはまりドクロマニアへと至った医者に、胸にシリコンを入れてみたらとんでもない事態へと発展したり。
名医の痴呆のあまりに悲しい現実などなど。

医療小説をこれまで発表してきた久坂部羊はこれまでも物議をかもすような本を描いてきた。
それが今度は短編集。
おっそろしく濃いのだ。
そして1編1編のテーマも医療の中でも幅がすごく広い。医者も患者も誰にでも陥る可能性があるような人生のトラップともいうべきものに嵌っていたところからはじまるから、その極端さと怖さと本としての面白さが同居してる。
いい短編集を読めたぜ。

収録話
・「寝たきりの殺意」
・「シリコン」
・「至高の名医」
・「愛ドクロ」
・「名医の微笑」
・「嘘はキライ」

tag : 嗤う名医 久坂部羊 集英社文庫

【小説】仇敵

仇敵
池井戸潤
実業之日本社文庫
仇敵 (実業之日本社文庫)
池井戸 潤
実業之日本社 (2016-04-06)
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「人生にはどんなことだってあり得る。それは誰にでも言えることです。ちょっとした油断で、人生の坂道を転げ落ちる。一瞬の気のゆるみが積み上げてきたものを崩すんです。それが人生だ。どうですか、一杯」

仇敵』本文より

池井戸潤の『仇敵』。

銀行ミステリというか、お金を貸す側借りる側。その双方の悩み、それもとてつもなく深いもの。
それらを心理的にも解いていったり、絶望へと向かって行ってたり。
人間ドラマだけども、お金というものが恐ろしくもあり救いもあり、ありとあらゆるものに変化していく様が実に池井戸潤
短編だから余計にどぎついものがあるように感じた。

tag : 仇敵 池井戸潤 実業之日本社文庫

【小説】ナゴヤドームで待ちあわせ

ナゴヤドームで待ちあわせ
アンソロジー
ポプラ社
ナゴヤドームで待ちあわせ
太田 忠司 吉川 トリコ 鳥飼 否宇 広小路 尚祈 深水 黎一郎
ポプラ社 (2016-07-04)
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やっぱり野球は面白い、と彼は思った。負けて悔しいけれど、それでもやっぱり面白い。

ナゴヤドームで待ちあわせ』収録『ヴァーチャル・ライヴ 10・8決戦』本文より

野球にもドラゴンズにも愛着はないけど、愛知県に住んでいて両親や弟は野球好きなので買ってみて読んで渡すことにした。
とりあえず読ませる前に読んでみたら、なにこのドラゴンズ愛あふれる内容と、それぞれの持ち味の活きている短編たちは。
おなかいっぱいに堪能。
ものすごく楽しいじゃないか。
太田忠司のマサと同年代の人の生き様もそうだし、ママさんダンスチームのチアもぐっとくるし、ヴァーチャルライブに関してはトリッキー過ぎて唖然としながらもラストに明かされる真相に思わず拍手を送りたくなったし、漫談も詳しくなくとも愛が感じられてよかったし、深水黎一郎に関してはもはや何かの執念すら感じる内容であった。
そして締めくくるのが愛溢れる大矢博子の解説であった。
こんなドラゴンズ短編集ができるなら大矢さん編でロードレースものとかも作ってくれないだろか。

太田忠司『マサが辞めたら』
吉川トリコ『ママはダンシング・クイーン』
鳥飼否宇『ヴァーチャル・ライヴ 10・8決戦』
広小路尚祈『ドラゴンズ漫談』
深水黎一郎『もうひとつの10・8』
大矢博子『解説に代えて-だからドラゴンズが好きなのだ-』

tag : ナゴヤドームで待ちあわせ 太田忠司 吉川トリコ 鳥飼否宇 広小路尚祈 深水黎一郎 大矢博子

【小説】鬼談百景

鬼談百景
小野不由美
角川文庫
鬼談百景 (角川文庫)
鬼談百景 (角川文庫)
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小野 不由美
KADOKAWA/角川書店 (2015-07-25)
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「じゃあ、誰が食器を拭いたの?」

鬼談百景』本文より

全99話の怪談を収録した『鬼談百景』。
これほど趣がある。美しいとすら思える。読後感がまさに怪談。
じわじわくる怖さ。
これが日本の怪談の良さだ。
怖い、不思議、いったいどうなってるのだろう。この後どうなったんだろう。
いろんな想像が次々に読んでいるうちに沸いてくるかのような本だった。

この99話と残穢を合わせてまさに100物語ってわけだな。

tag : 鬼談百景 小野不由美 角川文庫

【小説】ルーズヴェルト・ゲーム

ルーズヴェルト・ゲーム
池井戸潤
講談社文庫
ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)
池井戸 潤
講談社 (2014-03-14)
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みんな、野球人である前に人なんです、部長。自分の人生がどうなるのか知らないでいることこそ、本当に不幸です。

ルーズヴェルト・ゲーム』本文より

野球小説と思わせておいて、その実、いや、ほとんどお仕事小説というか、社会人小説というか。
会社経営と、会社の部としての野球部。
野球だけやってればいいというわけでもなく、経営上でもよくないといけないわけだし、部が会社に愛されなければもちろん存続なんてしていかない。
楽しいだけじゃないあたりが社会人小説だよなぁ。

tag : ルーズヴェルト・ゲーム 池井戸潤 講談社文庫

【小説】笑うハーレキン

笑うハーレキン
道尾秀介
中公文庫
笑うハーレキン (中公文庫)
道尾 秀介
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お前はいまでも、まっとうな人間でありたいと思っている。ここの連中に自分の過去を話し、同情されたり、哀れみを受けたりすることに、お前は耐えられない。奴らと同じ場所か、あるいはもっと低い場所まで落ちてしまうことが怖いからだ。

笑うハーレキン』本文より

道尾秀介の『笑うハーレキン』。
どん底の生活からの逆転劇。
そして主人公の元に訪れた天真爛漫純真な女の子の弟子入り。
主人公の頭の中に住み着いた何者かは誰なのか。

ミステリのようでありながら、頭の中のもう一人との対話を重ねながらある種の救済まで持って行きよった。
半分くらいまではイマイチだなぁとか思っていたけれども、ラストの晴れやかさは爽快だった。

tag : 笑うハーレキン 道尾秀介 中公文庫

【小説】残穢

残穢
小野不由美
新潮文庫
残穢 (新潮文庫)
残穢 (新潮文庫)
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小野 不由美
新潮社 (2015-07-29)
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--時折するこの音は、いったい何の音だろう?
背後を振り返ったものの、音を立てるようなものは何もない。

残穢』本文より

小野不由美の『残穢』。

非常に気色の悪い、読後感も尾を引く薄気味悪さ。
終始エッセイのスタイルで描かれる。
そんでもって主人公は小野不由美本人であろう人物。
実際の人物も登場させながら、ある読者が悪霊シリーズの体験談募集をきっかけに送ってきた現象を検証するところから物語をスタートさせる。
その場所や由来となる過去へ過去へさかのぼるわけだけれども、…思い出すだけでなんともなしに嫌な気分にさせてくれる。
物語であって実際にあったわけではないのだけれども、その数々の取材の中で出会っていく事実。
すさまじい恐怖描写があるわけでもない、心霊ものでも、モンスターものでも幽霊ものというわけでもない。
ただのエッセイであり、ある種の研究の過程を記した文章なんだけれども、この本に書かれている普遍的な怖さとただ結果として導き出される人が立ち入ってはいけない場所というのが本当にあるのかもしれないという怖さの訴求力の強さがなにか納得させてくる。

tag : 残穢 小野不由美 新潮文庫

【小説】小説フランス革命3 バスティーユの陥落

小説フランス革命3 バスティーユの陥落
佐藤賢一
集英社文庫
バスティーユの陥落 小説フランス革命 3 (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2011-11-18)
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「対するにパリの強みといえば、数だけでしょう。ええ、ここは王国最大の都なのです。であるならば、できるだけ多くの人間が武器をとるべきではないでしょうか」

小説フランス革命 3』本文より

小説フランス革命』3冊目。

革命がいよいよはじまっていくぞ。
だがしかしいかんせん民衆にまったく武器がない。
武器なくして武器もつ王朝に対抗もできんわけだし、議会側からさぁ武器を持てといわれてもそりゃどうにもならんわな。
それで武器を奪うにはどこを襲うか。
これがバスティーユの襲撃に繋がっていくわけか。
納得。
でも、これが革命の最初なのであって、ここからまだまだフランス革命の本質があるんだよな。

tag : 小説フランス革命 佐藤賢一 集英社文庫

【小説】あきない世傳 金と銀 源流篇

あきない世傳 金と銀 源流篇
髙田郁
ハルキ文庫
あきない世傳 金と銀 源流篇 (時代小説文庫)
髙田郁
角川春樹事務所 (2016-02-12)
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「商い」いうんは、あの川の流れに似ている、といつも思うんだす

あきない世傳 金と銀 源流篇』本文より

江戸時代もので商いで、舞台が大坂で、お商売のことなんてなんも知らない少女の幸が飛び込んでいく人情もの。
ああ、くっそ、読んでしもうた。
髙田郁でこの手のもので、しかもシリーズ化していくよっていうものが面白くないわけがないんだ。
しかもこれが1冊目。
何年もかけて1冊1冊また読んでいくことになるのか…

tag : あきない世傳 髙田郁 ハルキ文庫

【小説】僕のエア

僕のエア
滝本竜彦
カバーイラスト:安倍吉俊
文春文庫
僕のエア (文春文庫)
僕のエア (文春文庫)
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滝本 竜彦
文藝春秋 (2012-08-03)
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だが寝て起きれば仮初めの情熱は消えていく。
金、夢、仕事、女、エアが設定してくれたピカピカ輝く目標はすべてゆめまぼろしの類だった。いついつまでも俺の目を眩ませてはくれない。

僕のエア』本文より

すんごいものを読んだ。
ひきこもりのひきこもりたる様を描いた「NHK」なんてまだまだ序の口にすぎなかったのだ。
この脳内少女と過ごす自堕落かつアップしてダウンするもはや何も生まず何も見出せない現実をただただ1日1日生きていくことのむなしさいっぱいの日々が痛い痛い。
その痛さはなんだろう。
リアリティ?
脳内麻薬がドパドパ出ているような、なんかもう作者の心の髄までにじみ出てきたかのような明らかにフィクションなのに実体験に基づいているかのような描写の数々が妙にしっくりくる気がするのだ。
実際どうかは分からないのだけど。

臆病でコミュ障で何かしたいわけでもないこの感じ。
なにか一線を越えてきたすごさ、すさまじさがある。

tag : 僕のエア 滝本竜彦 安倍吉俊 文春文庫

【小説】第五番-無痛Ⅱ-

第五番-無痛Ⅱ-
久坂部羊
幻冬舎文庫
第五番 無痛Ⅱ (幻冬舎文庫)
久坂部 羊
幻冬舎 (2015-08-05)
売り上げランキング: 9,981

「医師が患者をだますのは、赤子の手をひねるよりやさしいことです。治らない病気でも患者を思いやり、最後まで治療をあきらめないふりをする。それで患者は医師に感謝し、敬意を払う。お互いウィン・ウィンじゃないですか」
「それは欺瞞だ。そんな見せかけの医療で、患者が救われるはずがない」
「そうでしょうか。患者に聞いてごらんなさい。みんな、口をそろえて言いますよ、"希望"が大事だと。どんな場合でも」

第五番』本文より

無痛』続編『第五番』。

前作での無痛症を取り上げた内容から、続編として、さらには新たに日本の医療の問題点を次々に挙げながらも医者の連続殺人、そして原因不明のウイルスのパンデミック寸前の問題までエキサイティングに、そして読者に疑問を次々に投げかけてくる。
さすがといわんばかり。
これなのに続編だもんな…
続編じゃなくても十分に面白い内容になってるのに、続編としての掘り下げっぷりもハンパない。

tag : 第五番 無痛 久坂部羊 幻冬舎文庫

【小説】等伯 上下

等伯 上下
安部龍太郎
文春文庫
等伯 上 (文春文庫)
等伯 上 (文春文庫)
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安部 龍太郎
文藝春秋 (2015-09-02)
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表現者は孤独である。誰ともちがう、誰にも真似のできない境地をめざして、たった一人で求道の道を歩きつづけなければならない。

等伯 下』本文より

長谷川等伯を描いた作品『等伯』。

表現者として何物にもできないものを目指し、また歴史上でも激動の歴史の中、安定もない、戦火はあり、自身の心の中もかき乱されながらも誰にも到達できぬ境地へと至った。
絵を描くのは誰にでもできるけど、誰から見ても誰も見た事のないものを描くということへの恐怖、そして挑戦。
それらは等伯の人生の中の命をかけた冒険そのものだった。
こりゃ歴史小説や伝記小説の範疇には収まりきらんわ。

tag : 等伯 安部龍太郎 文春文庫

【小説】小説フランス革命2 パリの蜂起

小説フランス革命2 パリの蜂起
佐藤賢一
集英社文庫
パリの蜂起 小説フランス革命  2 (集英社文庫)
佐藤 賢一
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何度も繰り返すようだけど、敵は歴とした軍隊なんだ。
「向こうに回して、僕らに強みがあるとすれば、数の力だけだ」

小説フランス革命2』本文より

小説フランス革命』2巻。
貴族と聖職者に牛耳られた議会。

さぁ第一の石が投げ込まれて平民ぼっこぼこ。
こんなあたりまえの平民も議論させろよ的なところからフランス革命はじまるのか。

理不尽にたいして対抗できるのは圧倒的な数だけ。
これが最初の最初である1~2巻で掲げられ、そして最後までこれが貫かれるわけか。

tag : 小説フランス革命 佐藤賢一 集英社文庫

【小説】小説フランス革命1 革命のライオン

小説フランス革命1 革命のライオン
佐藤賢一
集英社文庫
革命のライオン 小説フランス革命 1 (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2011-09-16)
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高慢ちきな貴族どもめ。

『革命のライオン』本文より


小説フランス革命』1巻。

政治から経済から。
ここまで細かく語るのか。
そりゃ結果的にものすごく長くなるわな。

世界史で語られるも数ページ。
その世界を超長編小説としてどう語られていくのか。
1巻目なんも進んでないじゃないかというくらい、とりあえずミラボーとロベスピエールが出てきたな、と。
そんだけくらいしか印象ないけれども明らかに面白くなりそうな予感のある小説だ。

tag : 小説フランス革命 佐藤賢一 集英社文庫

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∀ki(あき)

  • Author:∀ki(あき)
  • 自由に生きてます。
    色々読んだり見たりしてます。

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