【ミステリ】北天の馬たち

本→ミステリ
09 /24 2017
北天の馬たち
貫井徳郎
角川文庫
北天の馬たち (角川文庫)
貫井 徳郎
KADOKAWA (2016-09-22)
売り上げランキング: 83,921

迷惑をかけてすまなかった。
しばらくいなくなるが、心配しないでくれ。 S&R

北天の馬たち』本文より


貫井徳郎の『北天の馬たち』。
前に読んだのが愚行録だからそのギャップが。
探偵のカッコよさと、その探偵を追う、そして探偵へとなっていくかのような主人公の爽やかさ。
こういうのも書いて来るのか。

不思議な、いわゆる普通の探偵への依頼、もしくはミステリにおける探偵への依頼とはまたことなった依頼をこなす不思議さを見つつ、最後の3章目の彼らの根本にかかわる事件への流れがまたいいんだよな。

【ミステリ】神様の裏の顔

本→ミステリ
09 /17 2017
神様の裏の顔
藤崎翔
角川文庫
神様の裏の顔 (角川文庫)
藤崎 翔
KADOKAWA/角川書店 (2016-08-25)
売り上げランキング: 11,659

「人間は、二度死を迎える。一度目は、肉体が死んだ時。二度目は、生きている人の、心の中から、消えてしまった時……という言葉が、あるそうです。どうか、父を、皆様の、心の中で、長生き、させて、あげてくださいっ」

神様の裏の顔』本文より

藤崎翔の『神様の裏の顔』。

なんだこれはw
壮大なコントかw
ああ。しかも作者の経歴がお笑い芸人を経て作家、か。
ああ、なるほど。っていやいや、このどんでん返しの連続。
しかも深刻なのに笑える。
いや、よく考えろ。こんだけの構造をもった本だぞ。
それを重要なところですべて笑いに持っていく。
これはセンスだな。
しかも誰にも負けないほどの。

たった1日の通夜の間の出来事。
だけども通夜らしく故人の一生をトリックに使う豪快さ。その長年に渡る謎。
それをたったこれだけのページに収めてしまってるのだ。

すごいぞ。この作者。

【ミステリ】闇に香る嘘

本→ミステリ
09 /16 2017
闇に香る嘘
下村敦史
講談社文庫
闇に香る嘘 (講談社文庫)
下村 敦史
講談社 (2016-08-11)
売り上げランキング: 72,691

大事な人間を失ったとき、人は誰しも目を閉じて生前の姿を思い返すしか会う方法がない。私は毎日がそうだ。私が失明する前の由香里の顔、想像するしかない夏帆の顔。私のまぶたの裏側に浮かび上がるのは、もはや空想の映像でしかない。

闇に香る嘘』本文より

闇に香る嘘』乱歩賞受賞作。

この盲目の主人公と戦後の残留孤児の問題を絡めながら自身のルーツと、彼が巻き込まれた殺人事件。
それにキーを握る本物なのか偽物なのか分からぬ兄の存在。
視覚で語らないからこその疑心暗鬼と真実の見えてくる様が実に独特。
こうまで深く重厚に物語を濃くしていくのかと。

【ミステリ】広域捜査

本→ミステリ
09 /09 2017
広域捜査
安東能明
新潮文庫
広域指定 (新潮文庫)
広域指定 (新潮文庫)
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安東 能明
新潮社 (2016-08-27)
売り上げランキング: 154,311

「われわれ警察はどんな理由があろうとも、真実から目をそらしてはいけない。九十九パーセント、犯人に間違いないと思われる人間が目の前にいたとしても、残り一パーセントの可能性は確実に潰してゆくべきです。そうは思われませんか?」

広域捜査』本文より

安東能明の『広域捜査』。

警察小説らしい警察小説といえばそうだな。
地道で、でも信念がありそうの捜査に手に汗をにぎらせられる。
そして警察同士の内部でのにらみ合い。
タイトルにもなっている広域捜査。どこが主導権を握り、犯人を挙げるのかというところにこだわらざるをえない体質と
悪化していく状況もまた見ものだった。

【ミステリ】しらみつぶしの時計

本→ミステリ
08 /27 2017
しらみつぶしの時計
法月綸太郎
祥伝社文庫
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)
法月 綸太郎
祥伝社 (2013-02-08)
売り上げランキング: 390,444

光も空気さえも通わない「密室」の中で、稔は決断を迫られた--。

しらみつぶしの時計』本文より

法月綸太郎のノンシリーズ短編集『しらみつぶしの時計』。
濃いな…。
ほんと濃いミステリだ。
法月綸太郎シリーズでないからこその、作者法月綸太郎のミステリ経歴がこれでもかと発揮されてて楽しい限りだ。

特に冒頭のトイレという密室の事件「使用中」がもう最高。
密室の事件だし、この密室を巡ってのみつどもえの頭脳戦。もうなにこれ。
しかもこのラスト。

それもだし、タイトルにもなっている脱出ゲーム「しらみつぶしの時計」。ある種の読者への挑戦をそのままやってのけてる。
これも臨場感といい、ゲーム風味でありながらがっつり推理させられる感のある感じもいいんだよな。

収録話
・「使用中」
・「ダブル・プレイ」
・「素人芸」
・「盗まれた手紙」
・「イン・メモリアム」
・「猫の巡礼」
・「四色問題」
・「幽霊をやとった女」
・「しらみつぶしの時計」
・「トゥ・オブ・アス」

【ミステリ】時限病棟

本→ミステリ
08 /13 2017
時限病棟
知念実希人
実業之日本社文庫
時限病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人
実業之日本社 (2016-10-06)
売り上げランキング: 90,486

田所病院からの脱出へようこそ!!

時限病棟』本文より

知念実希人の『時限病棟』。

一気読みした。
前作『仮面病棟』もそうだったが、今作もそうとうなページターナーである。

いかんせんどうしても設定といい好きな映画と似たようなところがどうしても気になるが…
それはそれとしてリアル脱出ゲームをテーマにしているだけに、これが面白すぎる。
ミステリと脱出のいい融合を見た。
これもリアル脱出ゲームでやろうぜ。
そしたら是非いきたい。

【ミステリ】テミスの剣

本→ミステリ
07 /29 2017
テミスの剣
中山七里
文春文庫
テミスの剣 (文春文庫)
中山 七里
文藝春秋 (2017-03-10)
売り上げランキング: 28,887

刑事さんを前に言うことではないのでしょうが、殺されていい人間なんて一人もいないというのは子供の戯言でしかない。世の中には屠られるべき人間、おめおめと生きていてはいけない人間が確実に存在する。

テミスの剣』本文より

中山七里の『テミスの剣』。
司法だから御子柴ものかなと思いきや、そうではなかったがおそろしく面白い小説だった。

冤罪をテーマにしながら、様々な視点から冤罪というテーマを描いていく。
ミステリとしても最高に面白い謎と真実を明かしてくれるし、その真実のさらにもっと先へ先へと明かしていく手法に仰天。
びっくりだ。
また冤罪を描くための被害者、家族、刑事に検事に裁判官に真犯人。
さまざまな視点からその正義と贖罪の描き方を深くまで描いてきた。
その文章に飲み込まれ、それゆえか気付いたら読み終わってた。
濃い!
あまりに濃い読書体験だった。


ん。
今にしても思ったが今回の渡瀬刑事が影響を受けたあの裁判官、静さんって静おばあちゃんかよ!
ああ確かに裁判官で引退してって「静おばあちゃんにおまかせ」でやってて、思えば冤罪についてえらく語っていたような。
冤罪事件が裁判官にも暗い影を落とすとか言ってたのは今回の事件か!

【ミステリ】愚行録

本→ミステリ
12 /03 2016
愚行録
貫井徳郎
創元推理文庫
愚行録 (創元推理文庫)
貫井 徳郎
東京創元社
売り上げランキング: 3,028

人生って、どうしてこんなにうまくいかないんだろうね。人間は馬鹿だから、男も女もみんな馬鹿だから、愚かなことばっかりして生きていくものなのかな。

愚行録』本文より

貫井徳郎の『愚行録』。
だいぶ嫌なもの読んだ。
読後感がだいぶもやもやする。
この感じを誰かに話たいっていう時に最後の大矢博子の解説がわかるよーわかるよーと語りかけるかのようだった。

一家惨殺事件に関して証言する様々な人たちの話。
それによって一家がどんな人物だったのか、事件の真相はどんなものなのかがどんどん浮かび上がってくるが、それ以上に強烈な証言者たち。
もうほんとどうしてこうまで、こんな人たちばっかりなのか。
読んでてどよーんとするほどのものを読まされようとは。
そしてまたその本としてミステリとしての構造もまた見事だし、この「読後感」そのものを突きつけられるかのようだ。
巧いなぁ。

【ミステリ】怪盗グリフィン、絶体絶命

本→ミステリ
11 /27 2016
怪盗グリフィン、絶体絶命
The Caribbean Ring Finger

法月綸太郎
講談社文庫
怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)
法月 綸太郎
講談社 (2014-09-12)
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「怪盗グリフィンに不可能はない」

怪盗グリフィン、絶体絶命』本文より

法月綸太郎怪盗グリフィン、絶体絶命』。
どうしたののりりん!?
まさかこんな。
こんな面白いものを書いてたなんて!

ミステリで冒険で怪盗もので。
盗みも見事だわ、ミステリとしても刺激的だわ、ミッションインポッシブルのような不可能な状況での大活劇にはわくわくするわ。
最高の読書体験だった。
もう、楽しいの言葉しか出てこない。

【ミステリ】夢幻花

本→ミステリ
10 /15 2016
夢幻花
東野圭吾
PHP文芸文庫
夢幻花 (PHP文芸文庫)
夢幻花 (PHP文芸文庫)
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東野 圭吾
PHP研究所 (2016-04-07)
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「黄色いアサガオ?」
「その通り。幻の花だ」

夢幻花』本文より

東野圭吾の『夢幻花』。

あまりにも端正すぎるというか。
伏線という伏線の回収の美しさ。
無駄もスキもない小説のようにすら感じられるミステリ。

幻の花を求め、その花にも意味があり、それを追う人間たちと殺人事件が絡み合う。

【ミステリ】ヒポクラテスの誓い

本→ミステリ
10 /01 2016
ヒポクラテスの誓い
中山七里
祥伝社文庫
ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)
中山七里
祥伝社 (2016-06-15)
売り上げランキング: 7,206

「あなた、死体はお好き?」
真琴はそう訊かれて返事に窮した。

ヒポクラテスの誓い』本文より

中山七里の『ヒポクラテスの誓い』。
法医学教室もの。
冒頭からしてそうとう魅力的。
一行目でこれは面白い小説だと思わせてくるのが中山七里の魅力だなと思う。

死体から浮かび上がってくる真実といえばよくある小説やドラマだけれども、小説ならではの情感と慣れからくるプロへと一歩一歩進む主人公の成長も見て取れる。
というかさぁこれからだ。ここからこの子の本当の法医学教室での日々がはじまるというところで終わりよって。
続きがやたら気になる本だった。

【ミステリ】後妻業

本→ミステリ
09 /25 2016
後妻業
黒川博行
文春文庫
後妻業 (文春文庫)
後妻業 (文春文庫)
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黒川 博行
文藝春秋 (2016-06-10)
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悪党にはセンスが要る。結婚相談所も後妻業も、あんたの経営センスは大したもんや。

後妻業』本文より

黒川博行の『後妻業』。
圧倒的なノワール。
後妻業という男を騙し、殺し、そして遺産をいただくという悪い女の話である。
それと同時に大阪近郊のとても親近感の沸く地理感からくるリアリティたっぷりの描写。
さらに、後妻業を企てた男と女を追いかけるサスペンスとミステリ。
なによりも誰も彼もが金とセックスを絡ませながらの強烈な「欲」の追及がとてつもない本だった。

【ミステリ】ノックス・マシン

本→ミステリ
09 /18 2016
ノックス・マシン
法月綸太郎
角川文庫
ノックス・マシン (角川文庫)
法月 綸太郎
KADOKAWA/角川書店 (2015-11-25)
売り上げランキング: 55,811

以上のような理由により、わたしは、アガサ・クリスティを探偵小説の世界から、即刻かつ永遠に抹殺することを提案いたします

ノックス・マシン』収録『引き立て役倶楽部の陰謀』本文より

法月綸太郎の短編集『ノックス・マシン』。

本格ミステリをこじらせたらこうなるのか。
たいへん楽しい。
ミステリのルールを逆手にとったというかルールそのものをミステリ化させるという斜め上の楽しさをまさに魅せてくれた小説だ。

収録話:
・「ノックス・マシン
・「引き立て役倶楽部の陰謀」
・「バベルの牢獄」
・「論理蒸発 ノックス・マシン2」

【ミステリ】静おばあちゃんにおまかせ

本→ミステリ
09 /11 2016
静おばあちゃんにおまかせ
中山七里
文春文庫
静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫)
中山 七里
文藝春秋 (2014-11-07)
売り上げランキング: 210,893

冤罪だけは作っちゃ駄目なのよ。無実の人の人生はもちろん、真相究明の芽も摘んでしまう。それだけじゃないわ。冤罪はね、事件に関わった捜査員や検察官、そして裁判官にも暗い影を落とす。

静おばあちゃんにおまかせ』本文より

ゆるふわ系ミステリに見えるタイトル『静おばあちゃんにおまかせ』。
だがしかし、作者は中山七里だ。
検事モノをがっつりやってきただけに、元検事、いまは退官のおばあちゃんを安楽椅子探偵に、両親を飲酒運転の車に殺された孫と平凡な警察官のコンビで送るガチミステリ。
そして社会派の問題もこれでもかとやってのける。
なにが正義なのか、検事は何を信念にもって行動しているのか。
悪と戦い、法律の中で葛藤する生き様がすげぇよおばあちゃん。

【ミステリ】追憶の夜想曲

本→ミステリ
07 /24 2016
追憶の夜想曲
中山七里
講談社文庫
追憶の夜想曲 (講談社文庫)
中山 七里
講談社 (2016-03-15)
売り上げランキング: 5,643

「弁護人、わたしも同感です。いったい、あなたは何を証明しようとしているのですか」

追憶の夜想曲』本文より

御子柴弁護士第2弾「追憶の夜想曲」。
おいおい。まさか2作目が出ようとは。
今回もガンガンいくぜ。
この男は何をたくらみ、何を証明し、何を得ようとするのか。
殺人を犯した弁護士だからこその人の心理の奥の奥まで抉りだす。

今回の自供すらもしている女の弁護から次々に滲みでてくる悪意の塊。
くっそ面白かった。
圧倒的不利からの逆転といえば聞こえはいいが、暴き出すは最悪ともいえるげっそりする読後感。
だがここまで二転三転と意外すぎる結末まで至る伏線もまたたまらなく楽しすぎる。

【ミステリ】仮面病棟

本→ミステリ
06 /05 2016
仮面病棟
知念実希人
実業之日本社文庫
仮面病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人
実業之日本社
売り上げランキング: 6,950

刑事になだめられ、秀悟は黙り込む。自分の記憶に間違いはない。そう確信していた。しかし、刑事に繰り返し質問をされるうちに、その自信はゆっくりと、しかし確実にすり減ってきていた。
悪夢のようなあの夜の出来事、あれはどこまで現実だったのだろうか?

仮面病棟』本文より

知念実希人の『仮面病棟』。

この駆け抜けるような疾走感。
病院をジャックした犯人、彼が撃った女性を助けてから先、犯人との攻防、病院からの脱出の検討、病院の謎解き。
すべてが恐ろしいスピードで同時進行し、気付いたら読み終わっていたといういい読書体験だった。

ミステリでありアクションであり謎解きもあり、プリズン・ブレイクものでもあるとか最高じゃないですか。

【ミステリ】微笑む人

本→ミステリ
05 /01 2016
微笑む人
貫井徳郎
実業之日本社文庫
微笑む人 (実業之日本社文庫)
貫井 徳郎
実業之日本社 (2015-10-03)
売り上げランキング: 56,382

「誰だってそうだろ。理解できない理由で殺されたりしたら、怖いじゃないか」
「そんなこと言ったって、現実に起きてるんだからしょうがないじゃないですか」

微笑む人』本文より

貫井徳郎の『微笑む人』。

小説家が様々な人にインタビューして「本が増えたから邪魔な妻と子供を殺した」犯人の実像に迫っていくスタイルのミステリ。
少しずつ少しずつ犯人の人となり、真面目で完璧、とても人は殺せない家庭的な人。
でもその反証も出てきて二面性などが疑われ。

たぶんこうなるだろうなぁ、で、こういう嫌な終わり方をしていくんだろうというのがありありと想像でき。
そこから先がとんでもないひっくり返し方をしやがった。
思わず呆然、今まで感じた事ない読後感を感じさせられた。

なんて小説だ。

【ミステリ】暗黒館の殺人4

本→ミステリ
03 /20 2016
暗黒館の殺人
綾辻行人
講談社文庫
暗黒館の殺人(四) (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 82,865

「鹿谷さん」
「何かな」
「僕は-すべてを見てきたんですよ」

暗黒館の殺人4』本文より


暗黒館の殺人』第四部。
これにて閉幕。

館はこうあるべき、と。
この巨大な分厚さを誇った本のラストはもうまさにこうあるべき。
謎は解かれると同時に謎が解放されたような読後感。
すべての館はここに収束していくような館シリーズのひとつのクライマックスともいうべき内容だったかと。

【ミステリ】暗黒館の殺人3

本→ミステリ
03 /13 2016
暗黒館の殺人
綾辻行人
講談社文庫
暗黒館の殺人(三) (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 78,070

「彼女は--ダリアは魔女だった。彼女自身がそう認めていたという話さ。まあ、何をもって『魔女』と呼ぶかを厳密に論じようとすれば、そこにもいろいろと問題は出てくるんだろうがね」

暗黒館の殺人3』本文より


暗黒館の殺人』第3部。
殺人も続き、怪異はより深く深く物事を混乱させていく。

すべての登場人物の闇の深さと、異常な事態が逆にしっくりくるこの館。
徐々に暗黒館の謎も解かれだし、と。
あとはまるまるが解決編の第4部だな。

【ミステリ】暗黒館の殺人2

本→ミステリ
03 /06 2016
暗黒館の殺人
綾辻行人
講談社文庫
暗黒館の殺人(二) (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 31,224

「あたしたちは二人で一人よ」
と、美魚が繰り返した。その目許には、うっすらと涙が滲んでいる。
「だから中也さま、あたしたちと結婚しましょ」
と、美鳥が詰め寄った。その目許にも、うっすらと涙が滲んでいる。
「そしてずっと一緒に……ね、中也さま」
「いつまでも一緒に……ね、中也さま」

暗黒館の殺人2』本文より

暗黒館の殺人』2冊目。

闇の中から嫌なものがはい出てくるような第2部。
幻想的悪夢とでもいうのか。
双子が出てきてからの人間であって人間でないものが徘徊しているかのようなこの館。
誰もが何かを抱えているが、いわゆる薄っぺらいものではない。この世ならざる何かを抱えて生きている感じを醸し出しているのがぞくっとする。
いわゆるホラーであり、それを探っていくミステリであり。
綾辻行人が暗黒館までに発表してきたあらゆる小説をすべて詰め込んだような印象が特にこの2部には強い気がする。

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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