【小説】嗤う名医

本→小説
11 /19 2016
嗤う名医
久坂部羊
集英社文庫
嗤う名医 (集英社文庫)
久坂部 羊
集英社 (2016-08-19)
売り上げランキング: 59,908

ミスを告白するとか、患者に誠意を尽くすとかは、心身にある程度の余裕があってはじめてできることなのだ。

嗤う名医』収録『至高の名医』本文より

ブラックな医療小説短編集だった。
くすっと笑えるくらいだし、実際に遭遇したりした人にとってはぞっとする小説かもしれない。

名医たちが陥る人生のトラップ。
誘惑に負けて1度の不倫がHIV陽性の人とだったり、骨の研究にどっぷりはまりドクロマニアへと至った医者に、胸にシリコンを入れてみたらとんでもない事態へと発展したり。
名医の痴呆のあまりに悲しい現実などなど。

医療小説をこれまで発表してきた久坂部羊はこれまでも物議をかもすような本を描いてきた。
それが今度は短編集。
おっそろしく濃いのだ。
そして1編1編のテーマも医療の中でも幅がすごく広い。医者も患者も誰にでも陥る可能性があるような人生のトラップともいうべきものに嵌っていたところからはじまるから、その極端さと怖さと本としての面白さが同居してる。
いい短編集を読めたぜ。

収録話
・「寝たきりの殺意」
・「シリコン」
・「至高の名医」
・「愛ドクロ」
・「名医の微笑」
・「嘘はキライ」

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∀ki(あき)

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