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【小説】えんじ色心中

メフィスト賞→真梨幸子
01 /21 2018
えんじ色心中
真梨幸子
講談社文庫
えんじ色心中 (講談社文庫)
真梨 幸子
講談社 (2014-09-12)
売り上げランキング: 259,163

「こんなにヤワで、すぐ傷付いて、すぐ壊れちゃう肉体だよ? こんな不良品に、なんでわたしたち閉じ込められているんだろう? だってさ、たとえば、わたしが君の口と鼻を塞いだら、君、あっというまに死んじゃうんだよ?」


真梨幸子の『えんじ色心中』。
文庫で再読。前に読んだのはもう10年以上も前か…
真梨幸子が人気が出て一向に出なかった文庫が次々出ても、この本だけは取り残されていた。
いわゆる彼女が築いてきたイヤミスじゃないもんな。
これはまた別のジャンル。

ミステリという形式はとっているんだけど、1人称でずっと綴られ、二つの時間軸の主人公たちがどんどん現実に追い詰められていく過程を見せつけられる。
小学生とフリーのライターと派遣をやってる社会人。
ふたりの目から見た一つの共通する事件。
すべてがつながった瞬間のカタルシスもすごいのだが、この本の雰囲気に呑み込まれざるを得ない筆致が絶妙。
こんなダウナーな雰囲気まで落とし込み、しかも次々にページをめくらせ主人公たちの目線と境地を追体験させられるわけだもんな…

もうほんとメフィスト賞受賞後2作目としては会心の出来じゃないだろうか。
ミステリとしてよくできているわけでも、物語として読者が何かを得るわけでもない。
ただただ雰囲気に呑まれて嫌な気分に浸らせられるという、ああ、これは後のイヤミス達に共通する筆致だよな…

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∀ki(あき)

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