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【ミステリ】時の鳥篭

メフィスト賞→浦賀和宏
05 /03 2007
時の鳥篭
THE ENDLESS RETURNING

浦賀和宏
講談社ノベルス
時の鳥籠 (講談社ノベルス)時の鳥籠 (講談社ノベルス)
(1998/09)
浦賀 和宏

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「愛なんてものは、只の言葉だ。
『友達』と『恋人』の間には何の違いもない。『LIKE』と『LOVE』の間には何の違いもない。
ただ、言葉が違うだけだ。
人は人間関係を、そういった言葉で説明して、それで安心するのだ。」

時の鳥篭』本文より


安藤シリーズ2作目『時の鳥篭』。
1作目『記憶の果て』と対を成す存在であり、安藤直樹と安藤裕子を巡る一連の作品群の方向性を決定付けた作品。

主人公は記憶の果てで出てきたバンドのベースの浅倉幸恵。


時の鳥篭』というタイトルと『THE ENDLESS RETURNING』という英題があまりに適している。

いきなりSFのような話からはじまり、その謎に対してはまったく何の説明もなされない。
ただそういったことが"あった"というだけで。
もはや読者なのでそれは受け入れざるを得ない。
このシリーズは大抵そうなんだけど。
しかし、読み進めていくと、次から次へと作品の骨組みが現れていくのに驚く。
記憶の果てだけで完結せず、少しずつ作品の奥深くを覗き見るような感じ。

浅倉幸恵は鳥篭に囚われたままこの本の物語の中で延々とリピートされ続けるんだろう。
様々な恋愛を経て、けれどもどの核心にも迫れないまま。
そんな物語を読み終わって、読者が手に入れたのは物語の片鱗と次の物語に進むための権利。


1冊の本としてみると、なぜ彼女は「ここ」にいるのか。
父親が言った言葉の真意を探る冒険。
そして親と子の確執ということを語っているといえるし、だからこの本だけ読んでもまったく問題はないんだろうけど。
一連の物語の一つとして読むことを前提にされているだけに、やっぱり『記憶の果て』を読んでおくのは必須だろうなぁ。


よし、次は『頭蓋骨の中の楽園』。


時の鳥籠 時の鳥籠
浦賀 和宏 (1998/09)
講談社

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