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【小説】死にぞこないの青

本→乙一
09 /26 2007
死にぞこないの青
乙一
幻冬舎文庫
死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)
(2001/10)
乙一

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僕は、この教室における下層階級なのだと思う。
みんなの不満はすべて僕に向けられるから、先生は大丈夫。クラスの批判を受けずに評判のいいままでいられる。
先生に怒られるのはいつも僕だから、みんなは大丈夫。

死にぞこないの青』本文より引用


乙一の『死にぞこないの青』。
結構ネガティブな思考が詰まってます。

先生は「僕」に対していつも怒る。
みんなも「僕」を下に思ってる。
だから「僕」さえ我慢すれば誰もが平穏でいられるんだ。

そんな思考を持った子が主人公。
「それはおかしい」と言えない。
だからどんどん鬱屈していってしまう。

この子に一体なにが足りなかったのか。
自分に起こる理不尽さという不幸をすべて一連の出来事のように感じてしまってるんだよなぁ。

そして友人や先生に対して立ち向かうことができないでいる。
もしかしたらただ主人公が誤解しているだけかもしれない、
もしかしたら発言してしまうことで周りとの関係が余計に悪くなるかもしれない。

だから何も出来ないでいる。


耐えてもきっといい方向へは向かないと分かっている。
けれども何も出来ない。
そんなどこにぶつけていいのか分からない鬱憤だったり感情を持ってしまった経験を持った人が読んでみたら、その頃をもう一度客観的に見ることができるかも。



乙一って独特の"孤独さ"を描き出せる作家だよな、とあらためて実感した。

コメント

非公開コメント

No title

やっぱり怖かったですけど、面白かったです。

トラックバックさせていただきました。

Re: No title

> 藍色さん
いつもトラックバックありがとうございます。
こういうじわじわ来る怖さって乙一のいい持ち味ですよね(笑

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