【ミステリ】向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏
道尾秀介
新潮文庫
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
(2008/07/29)
道尾 秀介

商品詳細を見る

わからない。ミチオの意図が、どうしてもわからない。
陽は沈み、薄闇が周囲を取り囲んでいた。木々の輪郭も、対峙する少年の表情も、しだいに曖昧になりつつあった。
「僕が、いったい何をしようとしているのか、不思議なんでしょう?」

向日葵の咲かない夏』本文より

このミステリーがすごい!2009年度版の1位『向日葵の咲かない夏』。

なんとも気持ちの悪い小説である、というのがこの本の第一印象。
子供の純粋さ、大人の純粋さ。
この場合の純粋さはキレイなキラキラしたものなどではない。
むしろ純粋にドス黒く光っているというか…


動物たちが足を折られ口の中に石鹸を入れて殺される事件からすべてははじまる。
主人公である小学生のミチオはある時に友人のS君が首を吊って死んでいるのを発見。
しかし再び現場に戻ると死体はなくなっていた。
そしてS君は蜘蛛になって転生していた。

そのS君と共にS君の死体を探すいわばスタンド・バイ・ミーみたいな話なのだが。

そもそも別の生物に生まれ変わるということを読者は受け入れなきゃならない。

これでミステリなのかよ、というとしっかりミステリしているのだ。
むしろこれを受け入れないとこの本の醍醐味を味わえないわけだが(笑

最後の大仕掛けはたしかに大胆で仰天し、そしてなによりもものすごくげんなりした。
確かに終始恐ろしく気持ち悪く進んでいくストーリーを考えるとものすごくいい着地点だったのかもしれない。

けどなぁ。
不気味すぎる。

主人公のミチオくん。
最初は確かに小学生っぽいんだが、だんだんとその純粋さに別のベクトルが加わりこいつが一体何者なのか知りたくないような少年へと変わっていくのが、な。
それこそがミソなんだけれど…


ともあれミステリ読みであって、特殊な世界観を持つものが好きなら一度読んでおいて損はないかと。

tag : 向日葵の咲かない夏 道尾秀介 新潮文庫

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

変身した者たちへ

小説「向日葵の咲かない夏」を読みました。 著者は 道尾 秀介 道尾さんの作品は多く読んできましたが 出世作ともいえ 話題になった本作は実はまだでして! いや〜 これは・・・ 気持

向日葵の咲かない夏 (道尾 秀介)

夏休み前の終業式。 欠席した級友の家を訪れた僕。 先生からの依頼を受けS君宅を訪れる。 彼は亡くなっていた。 後でもう一度、 S君の家に行くと彼の姿は消えていた。 一週間後、S君は姿を変えて現れる。 僕は妹のミカと、事件の真相を、 探るため行動を起こす。 主人公...

『向日葵の咲かない夏』

道尾秀介 『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)、読了。 次の展開が気になって仕方がなく、一晩かけて一気読みしました。 かといって、楽...

向日葵の咲かない夏 道尾秀介

終業式の日。欠席したS君は首を吊って死んでいた。彼の死体は忽然と消えてしまう。 一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺...

comment

管理者にだけ表示を許可する

No title

薄気味悪かったです。世界観好きで乗り切れたような気もします。

トラックバックさせていただきました。

Re: No title

> 藍色さん
不気味でしたよね…
気持ち悪いというかなんというか。
それでも引きこませてくるような世界観ですよね。
プロフィール

∀ki(あき)

  • Author:∀ki(あき)
  • 自由に生きてます。
    色々読んだり見たりしてます。

    リンクやトラックバックは自由にどうぞ。
FC2カウンター
検索フォーム
カテゴリ
その他カテゴリ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード
リンク