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【小説】鏡姉妹の飛ぶ教室

メフィスト賞→佐藤友哉
12 /30 2009
鏡姉妹の飛ぶ教室 <鏡家サーガ例外編>
佐藤友哉
表紙イラスト:笹井一個
講談社ノベルス
鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)
(2005/02/08)
佐藤 友哉

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「バイバイ、お姉ちゃん」
電話がプチリと切れました。
そして私は現実に戻ります。
廃墟の学校に。
壊れた校舎に。
暗闇の世界に。
だけどもうへこたれません。もう泣きません。もういじけません。
なぜなら私の機能は完全に回復したからです。

鏡姉妹の飛ぶ教室』本文より

鏡家サーガ4作目『鏡姉妹の飛ぶ教室』を再読。
『ああっ、お兄ちゃーん』と云う方に最適です(本当)、というのは実に的を得た表現だと思う。

佐奈が非常にかわいいのです。
那緒美も非常によいのです。
その他の女性キャラもいい味を出しまくりです。

それだけでも十分です。
加えてルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』からの引用も本編と絡めて楽しませてくれますし、
なにより非日常描写と非日常と内面世界というものについて考察に費やされたページ数は読むに値するだけの分厚さです。

だからこの4作目が一番好きだと言い切れます。


まぁ加えて言うなら講談社BOOKクラブで連載されていたときには「本にならない」と聞いていたので必死に読んでいたのも楽しかったし、なによりあの佐藤友哉が筆者。
このとき『クリスマス・テロル』にて断筆宣言をしてから沈黙を保っていただけに「おいおい、あんな宣言しておいて復活かよ。しかも本にならないだって」っていう状態。

それがまた1作目の時点で死亡していた佐奈視点で描かれ、そんでもって舞台は死人だらけの学校。
生き残ったのは数人。
いかにして生き残るかというサバイバルものになるかと思いきや、物語は精神的に内へ内へと向かっていくという予想外の方向へ。
最後の着地点まで「どうなるんだろう」と楽しませてくれた。

再読してみても、やっぱりこれが一番佐藤友哉の本の中で好きかも。

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∀ki(あき)

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