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【小説】夏の教室

コミック→大塚英志
01 /16 2010
夏の教室
大塚英志白倉由美
カバーイラスト:鶴田謙二
徳間書店
夏の教室夏の教室
(2007/08)
大塚 英志白倉 由美

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「ずっと夏が続けばいいのに」
冬を見てみたい、と口癖のように言う一方で、一花は不意にそう呟くことがあった。
一花の中でそれは矛盾しない。冬はただのあこがれで、この夏は彼女の現実なんだ。

夏の教室』本文より

表紙があまりに素敵過ぎたので購入。

この本の中に収録されている『冬の教室』は17歳の最後の日に読んだ。
もちろんこの本の3つの教室の中で描かれる17歳とも関係する。
大人でもなく子どもでもなく、今から大人と呼ばれるようになっていくなんとももやもやした年代。

そんなときにこそ読むべきだと思って、18歳になる前に読みたい、そう思ったのがもう10年も前のことなのか。
その時も大塚英志白倉由美を読みふけり、鶴田謙二のSF世界にどっぷり漬かっていた。

なんだ。
全然変わってないじゃないか。

結局のところ大人と呼ばれる年齢になったからとその境に何かが変わるわけでもなし。
ただ大人と呼ばれることを受け入れただけなのかもしれない。

違うところはと言ったら自らの責任の中で行動を実行することができるようになったというところだろうか。

この本の中でも描かれる「自分の中で行動を起こす、その先は自分自身で歩かなければ行けない」といったテーマ。
いわば出発ってやつだろうか。
自分のやりたいことしたいことっていうのをできるようにはなったんじゃないだろうかと思う。

この17歳の時には「なんとなくどこかに行きたいなぁ」という願望だったのが、じゃあ行こうじゃないか、ってね。


そんな17歳という不安定な時期の大人になるための通過儀礼、またその先になにがあるのかという答えのない問い。
切なくも透明感に満ち溢れ、逆に不安でたまらなくなる小説だと思います。


『東京ミカエル』や『JAPAN』といった閉鎖年三部作や、『サイコ』などで描かれるバーコードの眼球などの要素もあったりもするけどあくまで物語の中の記号と割り切って読めるようになった気がする。


収録作品
・『夏の教室
・『冬の教室
・『海辺の教室』

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∀ki(あき)

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