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【ミステリ】女王暗殺

メフィスト賞→浦賀和宏
02 /26 2010
女王暗殺
ORDINARY WORLD SPECIAL WORLD

浦賀和宏
講談社ノベルス
女王暗殺 (講談社ノベルス)女王暗殺 (講談社ノベルス)
(2010/01/08)
浦賀 和宏

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今までずっと日常の世界(オーディナリーワールド)の中に生きてきた。
だが母を殺したその日から特別な世界(スペシャルワールド)に足を踏み入れてしまったのだ――そう久能正治は思った。

女王暗殺』本文より

浦賀和宏の小説の世界に再び戻ってしまった。
『萩原重化学工業連続殺人事件』が出たときには、やはり一度完結してから読もうと思っていた。
しかし、なんの因果かちょうど読む本がなくてこの『女王暗殺』が売っていた。
買ってしまったからには読むしかない。
そして再び長いシリーズにのめりこまなくてはいけないようになったのかもしれない。

荻原重化学工業シリーズ』2作目。
もしくは安藤シリーズ第2シリーズの2冊目。

「日常の世界」と「特別の世界」。
この2つの大きな章題。

普通のなにも変わることのない日常。
自分の意思で特殊な、そして日常の世界に戻ることが許されない「特別の世界」。

母が殺され「1101」という死に際のメッセージを受け取った男。
売れない作家としての日常を抜け出し、母を殺した男。

ふたりの物語はやがてつまらない日常を抜け出し、ひとりの人物の暗殺という大きな物語へと向かっていく。


ただそれだけであったならなんてことはない。
エディプス・コンプレックスや近親相姦といった安藤シリーズを読んできた人にとってはお馴染みの禁忌に触れたりすることすら目くらましのように思えてくる。

いや、それもおおきく物語の核へと至る配置になっているとすら思えてしまう。


ラスト数十ページ。
どんなことを思ったか。
もうさ…
SAWのテーマが頭のなかでガンガンに鳴り響いてた。

急転直下のラスト。
あらゆる登場人物の行動がラストに結びついてくる。
これは2人の男を主人公に据えながらも、おおきな物語へと続いていた。
今までミステリとすら思わなかったのに、すべての要素がひとつの終着点のために用意されたかのような展開。

とんでもねーよ、これは…


そして気になるのはやはり暗躍する安藤直樹の存在。
彼が前作・今作でなにをどう行動していたのか。
それはまだ分からない。
しかし、彼はいまなお浅倉に会うために行動しているのだろう。
シリーズの謎はなお奥深いところへと進んでしまった。

一つの女王暗殺という物語は幕を閉じたが、シリーズの謎はまだ闇の中。
これはまた…
どうやら追いかけるしかなさそうだ。

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∀ki(あき)

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