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【小説】アンチエイジング

メフィスト賞→新堂冬樹
05 /03 2010
アンチエイジング
新堂冬樹
ポプラ社
アンチエイジングアンチエイジング
(2009/02)
新堂 冬樹

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不意に、抑えきれない感情が込み上げてきた。
「子供も生まず、好きなだけ美容にお金をかけている女がきれいなのはあたりまえじゃない!」
金切り声で絶叫した朝海は、タッパーをシンクに叩きつけた。
「絶対に……」
口に出せば叶わないような気がして、朝海は喉まで出かかった言葉を呑み込んだ。
若返ってみせる……という言葉を。

アンチエイジング』本文より

新堂冬樹の『アンチエイジング』。

40の夫婦の若返るという願望。
妻は夫を再び振り返させるために。
夫は自信のために。

最初は願望の充足のためだったのに。
莫大なお金と引き換えに得られる若さ。
果たして彼らはなにを手に入れ、なにを無くしたのか。


懐かしい描写の連続だった。
そういえば真っ黒な借金取りの描写なんて随分久しぶりな気がする。
夫を喜ばせるためにこっそり行う美容のために借金。
もうそこからはひたすらに転落。
…と思いきや。

どちらにせよ夫婦の転落はまぬがれず。
その転落の過程によって辿りつく崩壊っぷりは見ものかも。

アンチエイジングに対するあれこれというものを語るのではなく、ひたすらに娯楽小説としての楽しさがあった本でした。

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∀ki(あき)

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