FC2ブログ

【ミステリ】夢は枯れ野をかけめぐる

本→西澤保彦
01 /02 2012
夢は枯れ野をかけめぐる
西澤保彦
中公文庫
夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫)夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫)
(2010/12/18)
西澤 保彦

商品詳細を見る

「――いまだから告白するけど、あたし昔、ユウちゃんのこと好き、だったんだ。うん。けっこう本気で」

夢は枯れ野をかけめぐる』本文より

西澤保彦の『夢は枯れ野をかけめぐる』。

主人公は男性48歳独身リストラに遭い無職。
けれどもお金がないわけではない。

そんな男性が主人公。
なんて物悲しい設定かと思いきや、いやいやそうでもないぞ。
登場人物は触れてはいけない50前の無職という肩書にはひやっとさせられるわけだが。
そこはこの本をあらすじだけで手に取る読者みたい。

彼が出会う様々な謎。
それはやがてひとつの帰結を迎える連作短編集。

50である。
親もそろそろ亡くなる年齢である。
そして自分の老後をしっかりと考えなくてはいけない年齢でもある。

だからこそのこの本が取り上げたミステリとはまた別の、いや、ある意味直結するのかもしれない「老人問題」。
さすがにこの年齢にはなかなか感情移入しづらいわけだけれども、いつか分かる時がくるんだろうなぁ。
それだけひしひしと登場人物たちの焦りや、年齢とは思えないほどの若さを感じる。
結局どんだけ年をとろうともその人はその人なんだ、と。
実は年齢なんてそんなに見た目ほどは年齢の格差なんてないのかもしれない。
でも身体だけは年老いてくる描写を読んでると、やっぱり読んでいてつらいものがあるなぁ。
そういうもんなんだろな…
できなくなってくることが増えてくる。
そしてなにより死は確実に近づいているのが。

そういう老人問題にばかり気を取られるとミステリとして足をすくわれるのもまた面白かったです。

コメント

非公開コメント

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

リンクやトラックバックは自由にどうぞ。