FC2ブログ

【SF】スリープ

メフィスト賞→乾くるみ
07 /15 2012
スリープ Sleep
乾くるみ
ハルキ文庫
スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)
(2012/05/15)
乾 くるみ

商品詳細を見る

わたしは、江幡亜里沙。鋭二さんの姪。――アリサは改めて自分にそう言い聞かせた。それがこの世界で彼女が生きてゆくための掟なのだから。

スリープ』本文より

乾くるみのSF作品『スリープ』。

天才中学生ので科学TVのリポーターを務めるアリサが、冷凍睡眠技術を持つ企業を取材した際に様々な要因から彼女が冷凍され、目覚めた時には30年後の世界にいた。

タイムリープもの、しかも30年後ときたもんだ。
かの名作『夏への扉』を下敷きにしながら、乾くるみのSF世界が展開されていた。

30年後の技術の様々なものを見ることができ、たったひとりだけ30年前の世界からやってきた少女の孤独感。
そしてなんとか順応しようとする健気な姿を見ることになり、30年前の彼女を知っている人物たちとのやりとり。

往年のSFものを読んでいるかのようだ。
そしてもちろんSFものには欠かせない現代社会への警鐘という点からも、乾くるみはそうとうSFを読み込んでるな…

そういうSFの名作の点を押さえながらも、現代的に、そしてなによりも乾くるみらしさを出してきよった!
もうね、拍手したい。スタンディングオベーションしたい。

古典的SFなのに、そんなのは物語の半ばで終わってしまう。
そこからの二転三転させていく物語と、着地点へのつなぎ方。
いくつもの伏線回収はミステリ作家ならではなのかもしれないけれど、もうそれが見事すぎる。

30年と言う時間軸。
ひとつはアリサのたどった30年後に一気にたどり着く世界。
そして30年という間に何が起こっていたのか。
それと…

物語がすべて重なり合う瞬間にクライマックスを迎えて最後の着地点へと突入していく様がとんでもない。
狂喜乱舞した。
これは面白い!

SF好きとして言ってみる。
めっちゃ面白い。

コメント

非公開コメント

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

リンクやトラックバックは自由にどうぞ。