【小説】K・Nの悲劇

本→小説
08 /25 2012
K・Nの悲劇
高野和明
文春文庫
K・Nの悲劇 (文春文庫)K・Nの悲劇 (文春文庫)
(2012/06/08)
高野 和明

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「一人の女性を好きであり続けるには、ふわふわした感情だけじゃなくて、時には意志の力も必要なんでしょう。それが良く分かりました」

K・Nの悲劇』本文より


高野和明の『K・Nの悲劇』。
今回の高野和明は妊娠と中絶。

そう、幸せな家庭で奥さんが妊娠。経済的な理由から中絶を選択するが。
もうそこから怒涛の展開だった。

憑依。
奥さんに何者かが取り憑いたかのようになる。
そこからはじまる奇怪な現象。
対するは精神医学。

おおお。
まさにエクソシストじゃないかと言わんばかりの内容。

怖い。
怖いが、ミステリ。
一体誰がなんのために取り憑いたのか。
精神医学で解決は可能なのか。

根源を探るミステリ。
次々に起こる奇怪な現象のホラー。
憑依人格の表現たるや実にサイコ。

これでもかとエンターテイメント要素を扱いながらも、根底には中絶というテーマが据えられ、それが歪むことなく最後まで直結していく。

またタイトルの「K・N」という実にシンプルなタイトルも、後の悲劇性を増してるよな。
これは中盤ですぐに明かされるが、決してそう簡単には謎自体は解かれることはない。
それになにより序盤の幸せっぷりがどん底まで落としていく過程が、「悲劇」そのものという物語の構造もものすごく面白いものだった。

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∀ki(あき)

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