The World Is Made Out Of Entertainment
本や映画・ドラマ・アニメの感想などを書いてる日記blog。
【コミック】EDEN エデン
漫画:スギサキユキル+RETROGRADE
原作:岡田俊平・廣瀬雄
少年エース連載
全1巻
![]() | EDEN (角川コミックス・エース 32-5) (2007/07/26) 岡田 俊平 商品詳細を見る |
教えて欲しい……
『EDEN』本分より
人はそうまでして
生きてゆく価値がある生き物なのだろうか
杉崎ゆきるではなくスギサキユキル名義の方の『EDEN』。
骨髄を抜かれる事件が多発する未来の世界。
吸血鬼と呼ばれる犯人を追う刑事。
しかし、その事件の背後には禁断の果実をかじってしまったがゆえのような人間の業が見えていた。
手堅くまとまっているし、人間の業というものをサスペンス風味のタッチで描いている。
またスギサキユキルのスタイリッシュな絵も非常に効果的だと思う。
本に囲まれている少年が情報を蓄積するために本を読み続ける。
その本の内容と現実を比較した時に、はたして人間は変わっていっているのかという疑問を投げかけてくる。
コミック内で出てきたヘミングウェイの『老人と海』や『武器よさらば』からも連想させてくれる。
が、わっかんねーよ。
無駄に知識があったりしないとわかんねーよw
思わず読み終わってから『老人と海』と『武器よさらば』のあらすじを見て、ようやくこのコミックで描きたかったものが分かった気がした。
未来の出来事でありながら、いままさに現実に世界のどこかであるであろうことを連想とさせる結末もそういうテーマの貫き方としてはいいのかもしれないけど…
もうちょっとテーマを分かりやすく提示できなかったもんだろうかと思ってしまった。
絵は確実にいいんだけどなぁ。
【コミック】グランディーク・リール 2
GRANDEEK ReeL
桜瀬琥姫
ウルトラジャンプ連載
![]() | GRANDEEK ReeL 2 (2) (ヤングジャンプコミックス) (2008/07/18) 桜瀬 琥姫 商品詳細を見る |
あたしのこの特異な能力が誰かの役に立つなら
『グランディーク・リール 2』本文より
こんなに嬉しいことってないんだもの
桜瀬琥姫の『グランディーク・リール』2巻。
久々に続刊が出た。
ついに2巻。
以前に出たコミックガム連載分は2巻出なかったもんな…
武器にやどった精霊と話が出来る少女ティーアの冒険の旅を描いたコミック。
魔剣の封印が解かれ、その魔剣によってエヴァンと呼ばれるに危険が及ぶのを阻止しようとする。
そんなこんなで「ゼフィール」の町の話が2巻からスタート。
もーー。
エヴァンとティーアの踊るように剣をふるい、言葉なしで語りあう様がものすごく綺麗。
互いに武器を丁寧に扱い、ものを大切に扱うもの同士だからこそなのか。
そういうものを大切に扱い、愛情を注いでいるっていうのもいいよなぁ。
「グランディーク」という物語において重要なファクターである、武具それぞれに精霊がやどっていること。
だからこそ大切に扱ってあげるほどに、その心に応えてくれる。
現実でも道具ってちゃんと手入れをすれば応えてくれるものだと思う。
だからこそ純粋に物を物以上に扱う心を持つ人たちっていうのは見ていて心が洗われるかのようだ(笑
また、この「ゼフィール」の話で、ティーアの親の話が出てきた。
ティーアと親のリディアがともにゼフィールを救おうとしている/したことは面白い構図だと思う。
またその二人ともに関わったエヴァンや剣のグランディークがいるっていうのも。
そう考えると親子2代にわたる絆の話という展開にもなってきてるな…。
そして二人ともが純粋な心の持ち主っていうのもなんともよいものです。
かなりいいところで終わってるので、3巻が早くでることを願ってます。
でも、この丁寧な展開はものすごく好みなのでクオリティはぜひこのままで(笑
タグ : グランディーク・リール 桜瀬琥姫 ウルトラジャンプ
【コミック】PLUTO 6
浦沢直樹×手塚治虫
ビッグコミックオリジナル連載
![]() | PLUTO 6―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (6) (ビッグコミックス) (2008/07/30) 浦沢 直樹 商品詳細を見る |
「この戦争はじきに終わります!! 復讐は復讐を生みます!! 憎しみはいつまでたっても消えない……」
『PLUTO 6』本文より
「そう…… 憎しみは…… 消えないんだよ。」
浦沢直樹×手塚治虫による『PLUTO』6巻。
巻末のあとがきは山田五郎。
表紙はお茶の水博士
いよいよPLUTOの正体が発覚。
だけども…
うああ、ですよ。
もうなんてこったい、としか。
原作を読んでいないからこその反応かもしれないけど、まさかこんな展開とは。
犯人が分かり、そして対決。
そこであのような展開とはな…
終わりが見えているのに、決してよき方向に向かっているとは思えない。
どこか絶望的な予感すらさせてくれます。
主要な人物が消えていく中、どうやって物語を収束させてくれるのか。
そしてこの絶望的な世界の中の哀しい復讐の連鎖は読者に一体なにを見せてくれるのかに期待です。
タグ : PLUTO プルートゥ 浦沢直樹 手塚治虫 ビッグコミックオリジナル
【コミック】We Are -Cruel Angel's-
シナリオ:秋タカシ
作画:宇佐美渉
コミックガオ連載
![]() | We Are Cruel Angel’s (電撃コミックス) (2007/02/27) 宇佐美 渉秋 タカシ 商品詳細を見る |
「なななっ なんだこれ!?」
『We Are -Cruel Angel's-』本文より
「その子が人間に超能力を与えてくれる 天使だよ」
背表紙に惚れて買った。
あと宇佐美渉が作画ということで。
宇佐美渉といえばずーっと前のコンプティークの連載を楽しく読んでいたので思わず手に取ってしまった(笑
原作はKIDのアドベンチャーゲーム。
東京が核にさらされ、戦争時になった日本。
その頃10代の子供たちの中に超能力者が現れ、その兆候が現れると強制的に徴兵されるという時代であった。
1〜2話を読んで設定だけでも面白そうだと思えたんだが。
あれ orz
なんかこれバッド・エンドじゃないか。
ちょうど日常の楽しい部分と非日常な部分が重なってきたあたりだったので、盛り上がってきたとこだったのになぁ。
一通りキャラクターの自己紹介が終わったときあたりに訪れた打ち切りのような…
調べてみるとKIDの破産の時期にコミック版も終了したらしい。
そういうことかorz
続けば面白そうなのにちょっと残念な終わり方でした。
【コミック】アオバ自転車店 4
宮尾岳
ヤングキング連載
![]() | アオバ自転車店 4巻 (4) (ヤングキングコミックス) (2008/07/09) 宮尾 岳 商品詳細を見る |
「今回の道交法改定の重要なポイントは「お母様方の自転車はいったいどこを走ればいいのか」です」
『アオバ自転車店 4』本文より
「? 歩道でしょ」
「いいえ 本来自転車は法律上では車輌!「車道を走るもの」です」
「アオバ自転車店」4巻。
通産24冊目。
表紙はランドウォーカーの「かるがも」。
やっぱり出てきたか。
このコミックなら必ずやるとは思っていたけれども ヽ(´ー`)ノ
道路交通法の改定に関する話。
もちろんこの本を読むような人なら知っている「自転車は車道」というものも一般的に常識とは限らない。
それどころか普通に車道に軽快車が走れるかと言うと、そうではないだろということもよく分かっているようなことだと思う。
車道でも安全に走るとはという疑問の投げかけや、3人乗りの自転車がどうしても必要なお母様方の要望と現状。
そのいった流れから4巻では最近注目されだした3輪の「ランドウォーカー」の話が描かれていた。
ランドウォーカーの話にしても、ただ単に3輪車で安全を追求することができた=めでたしめでたし、というふうに終わらせるのではなかったのがよかった。
確かに安価なママチャリというものが出てきて、その値段が当たり前になっている現状を考えられると新しいものが登場したとして次には単純に質を落とした安価化で対抗するところが出てくるというのは問題になってくるよな…
あらためて考えさせられる道交法や、ギア比の話というややマニアックなものから、ママチャリの整備についての話などかなり多彩なラインナップの巻だったかと思います。
しかしブリヂストンの自転車の登場が多くないだろうか。
ちょっともうちょい色々みたいよーとか少し思った(笑
【コミック】ワールドエンブリオ 4
森山大輔
ヤングキングアワーズ連載
![]() | ワールドエンブリオ 4 (4) (ヤングキングコミックス) (2008/04/28) 森山 大輔 商品詳細を見る |
オレは彼らを騙すことになんの戸惑いもない
『ワールドエンブリオ 4』本文より
でも…洋兄は 自分の仲間をオレが騙すことを知ったら……
オレのことを咎めるだろうか?
『ワールドエンブリオ』4巻。
天音姉の過去話や新キャラ登場と盛りだくさんな巻だった。
特にリクの矛盾に悩む様には楽しませてもらった。
ネーネを育てることは組織を裏切ることになる。
しかし組織を頼らざるを得ないし、信頼も得てきている。
それでも今はネーネの成長を促すことが最優先事項。
そんなすべてがよい方向へは確実に流れることがないであろう展開に悩む様が良いです。
いよいよ登場人物も増え、それぞれの関係もややこしく絡まりあってきたよなぁ。
そんな展開でも有栖川のツンデレっぷりと吾妻さんさえ見れれば満足 ヽ(´ー`)ノ
もちろん今の物語の複雑化も好きなんですけど。
吾妻さんかわえーなぁ。
そろそろ物語の核心にも関わってきてくれないものだろうか(笑
タグ : ワールドエンブリオ 森山大輔 ヤングキングアワーズ
【コミック】ベル☆スタア強盗団
伊藤明弘
コミックドラゴン連載
全3巻
![]() | ベル☆スタア強盗団 1 (1) (ジェッツコミックス) (2008/06/27) 伊藤 明弘 商品詳細を見る |
マイラ・ベル・シャーリィを誰にも忘れられない名前にしてやるわ!!
『ベル☆スタア強盗団』本文より
伝説の無法者に!!
新装版が出るというので旧版を買ってきた。
…なんか伊藤明弘の本が読みたいなぁと思ったので。
えぇ。
スカッとしたかったんです(笑
それがまさかまさか面白さをいたるところで感じる本だとは。
西部劇、ドンパチ、無法者、美女、史実。
なにこの燃える要素がたくさんあるのは…
舞台は19世紀後半のアメリカ。
南北戦争の影響もまだ色濃く見られる時代。
そんな時代に名を残した女無法者の「マイラ・ベル」。
彼女が成し遂げた77万ドルの強盗事件が描かれる。
もうたまらない。
その強盗の目的も開拓時代特有の土地に絡む権利を無理やり奪われるのを黙って見過ごすわけにはいかないというもの。
もちろん無理やりな理由がまかり通る時代なんだから、南北戦争以降に多く見られた人種差別問題とフロンティア・スピリットも大きく関わってくる。
だから世界観としては暗いものでもあるし、ある程度は知識も必要とされるかもしれない。
でも銃器やドンパチ大好きな伊藤明弘作品。
もーー。
しかも銃器だけじゃなく作者は西部劇好きすぎだろw
分かってる。
分かってるよこの作者ヽ(´ー`)ノ
19世紀のアメリカ西部開拓史という暗い世界観の中で行われる、自分達を守るため生きるための一世一代の大博打。
いいもの読めました。
【コミック】妄想少女オタク系 4
紺條夏生
コミックハイ!連載
![]() | 妄想少女オタク系 4 (4) (アクションコミックス) (アクションコミックス) (2008/06/12) 紺条 夏生 商品詳細を見る |
「別にお前が居なくたって寂しくなんかねーーよ
『妄想少女オタク系 4』本文より
…でも無事でよかったよ」
「何コイツ キメエェェェェ」
いたいいたいよー orz
これまでにも増して。
4巻。
ついにリアルでの恋模様も交差しまくり、混乱しまくり。
人事だとものっそ楽しむのに、自分のことになると混乱する。
そうですよね。
ページを開くといきなりニコニコ。
日常会話に挿入されるオタク的な言葉たち。
「自重しろ」とかリアルじゃないけど、確かにマンガの中で描かれるとびびる。
読んでて痛いなーと思えると同時に、リアルでこんなこと自然といったりとかは…ないよなと思ったり。
合体について聞くときも「一万と二千年前から」としっかりアクエリオンネタ。
ねーよ。
いわねーよwww
けど何かしら通じ合う相手だとネタに走りたくなるのも事実。
そういうのわからなくもない。
わかるだけになんかすごくイヤだ(笑
巻を増すたびにどんどん痛くなってる、むしろ自然になってると言うのがいいのかもしれない。
そういうのもあって客観的に自分を見直せるマンガでもあると思います。
明日からもしっかり隠れよう(笑
【コミック】月館の殺人
原作: 綾辻行人
漫画: 佐々木倫子
IKKI連載
上下巻
![]() | 月館の殺人 上 IKKI COMICS (2005/08/10) 佐々木 倫子綾辻 行人 商品詳細を見る |
稚瀬布発 月館行 幻夜号――
『月館の殺人 上』本文より
そこに行けば……
お祖父さまに会える――
途中までずっと鉄道の中での話だったから、あんま好みじゃないなーと思ってたら下巻に入った途端にとんでもないことに…
これだっ。
こういうのが読みたかった。
沖縄出身の空海。
彼女は両親を亡くし、たった一人の肉親である北海道の月館にいる祖父の下へ向かう。
その途中の豪華な夜行「幻夜」の中で殺人が起きてしまう。
鉄道は途中下車ができない。
鉄道の中にいるのは月館に招待されて鉄道オタクと鉄道の乗務員たちだけ。
この中に犯人が、という内容。
ひたすら語られる鉄ちゃんたちの会話。
これでもかと言わんばかりに細部の鉄道に関する小道具を散りばめた、まさに鉄ちゃんのためのミステリ。
…のように上巻だけ読んだら思ってしまったわけだけれども(笑
下巻でド肝を抜かれた。
実に丁寧・地道に鉄道の中の密室を解いていくのかと思いきや…
久々に綾辻行人を堪能。
佐々木倫子の描く空海ちゃんの天然っぷりも素晴らしかったです。
【コミック】くらしのいずみ
谷川史子
アワーズプラス連載
![]() | くらしのいずみ (ヤングキングコミックス) (2008/01/28) 谷川 史子 商品詳細を見る |
「…ところでさ
『くらしのいずみ』本文より
なんで便座上げてんの」
「? 次に染井くんが使いやすいと思って」
「ああ…てゆうか きみもソメイだよ…」
「そうねえ」
谷川史子の『くらしのいずみ』。
夫婦を題材にした短編7本を収録。
ほんわかあったかい気分を感じることができる短編揃いでした。
こういう空気いいなあ(*´Д`)
ほんのちょっとの仕草とか言い回しとかが、なんだか愛おしくてかわいらしいです。
ホントあこがれます。
ごろごろ萌え転がれると同時にどうしようもないもの哀しさを覚えるほどの打撃力でした orz
幸せがいっぱい伝わってくるだけに、ね(笑
どっかに幸せとか転がっちゃいないだろうかねぇ…
【コミック】鈴木先生 1
武富健治
漫画アクション連載
![]() | 鈴木先生 (1) (ACTION COMICS) (2006/08/11) 武富 健治 商品詳細を見る |
「話し合い」が相手を打ち負かし自分を通すための戦闘…
『鈴木先生 1』本文より
「討論」に落ちた時……
そうした体験ばかりが積み重なれば
内面での葛藤を乗り越えていく大切な成長の機会が失われてしまう……
気持ち悪いくらいに人間的な中学校の教師『鈴木先生』の葛藤を描いたコミック。
教師だって人間だし、誰しも清廉潔白な人間ばっかりじゃない。
それを正面から描いたというか、あえて人間的に描きすぎてる気もする。
生徒の誰もが均等に心の成長を望めるわけじゃないし、彼ら自身も大人顔負けの問題を抱えてる。
それを先生が一人で抱え込む。
親からも生徒からもストレートに問題を投げ込まれ、そして最良の選択というものが選べない状況に追い込まれる。
だからそんな悩む鈴木先生を見て、読者は楽しむのだと思う(笑
どう解決してくれるのか。
どう悩むのか。
そういう意味では特に性行為の問題については楽しく読ませてもらったかも。
鈴木先生をはじめ男性教諭は性欲は当然あるし、一部の成長してくる女生徒に対して女性を感じてしまうと描いた上で、生徒の性行為問題に対処するのだから面白い。
男性が全員が全員そうなのかと聞かれるとそうじゃないだろうけど、少なからずの性欲は持っているはず。
そんな学校の先生がと思えなくもないだろうけど、あらためて考えると至極当たり前のことではある。
そうした感覚を隠すのは当然のことだとは思いますけどね(笑
でもそんな当たり前に誰もが持ちえる感覚を「あるもの」としてあらためて描かれると、こう…気持ち悪さも出てくるよなぁ。
しかしそういう人間的な部分があって悩んでこその「鈴木先生」だと思う(笑
【コミック】6番目の世界
福島聡
![]() | 6番目の世界 (Beam comix) (2003/03) 福島 聡 商品詳細を見る |
たぶんボクはこれから一生笑うことはできない
『6番目の世界』収録『UFO』本文より
怒ることも 泣くことさえ
すべての感情が削ぎ落とされて
静かにゆっくり生きていく
福島聡のデビュー作などを収録した短編集。
はじめて福島聡の本を読んだ。
初期の作品というだけあって迷走してるなぁ。
でもなにか根本で鬱屈しているのだけれども、コメディという不思議な感じのものが多かった。
青春や人生の迷いや壁にぶつかったときの感覚の描き方っていうのは結構好み。
それでいてクスリと笑わせてくれるユーモアが同居してるのだから面白い。
収録話:
・『箱庭王子』
・『花は桜木』
・『一日の楽天』
・『もう半分』
・『きいろとむらさき』
・『UFO』
【コミック】夕凪の街 桜の国
こうの史代
アクション掲載
![]() | 夕凪の街桜の国 (2004/10) こうの 史代 商品詳細を見る |
……母さんが三十八で死んだのが原爆のせいかどうかは誰も教えてはくれなかったよ
『夕凪の街 桜の国』収録『桜の国(二)』本文より
おばあちゃんが八十で死んだ時は原爆のせいなんて言う人はもういなかったよ
なのに凪生もわたしもいつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間とか決めつけられたりしてんだろうか
『夕凪の街』、『桜の国(一)〜(二)』という連作を収録したコミック。
いまなお続く原爆の傷を描いた作品だった。
原爆というものをテーマに描いたものは意外と少ない。
向き合うには大きすぎるテーマなのかもしれない。
この『夕凪の街』、『桜の国』というふたつの作品もきっちりとしたテーマがあるが、物語として完結はしていない。
そういうふうに描かれていると思う。
いまなお続く「この物語」たちに読み手がどう向き合うか。
まるでそれを試されているかのように思えてしまった。
【コミック】イオ 1-5
恋緒みなと
別冊ヤングマガジン連載
![]() | イオ 1 (1) (ヤングマガジンコミックス) (2000/04) 恋緒 みなと 商品詳細を見る |
この旅行はオレには別の目的もあるんだ!!
『イオ 1』本文より
親父の消えた海を見たいんだ
親父の消えた海を見てみたい。
そうしてやってきた沖縄座間味。
そこで出会った美人三姉妹は実は主人公の太洋の幼少時代と深く関係があり…
世にも珍しいダイビングを題材にしたコミック『イオ』。
ちょっと再読中。
5巻までは少なくともダイビングものがメイン。
海の危険や、それにまさる楽しみ。
また海自体に関する話や、ひとつのテーマでもある三姉妹との親が残した民宿の再建が描かれる。
もちろんラブコメも。
いま読み返してみてもこのコミックで描かれる海の綺麗なことといったら…。
そういったところだけ読んでいても楽しい。
現在直面している海の社会的な問題にもしっかり触れつつ、ダイビングの楽しみをしっかり伝えてるもんなぁ。
さて次は6巻以降。
こっからSF色が急に強くなってくるんだよな(笑
それはそれで好きなんだけど。
【コミック】百鬼夜行抄 文庫版 1-2
今市子
ソノラマコミック文庫
![]() | 百鬼夜行抄 (1) (2000/12) 今 市子 商品詳細を見る |
動揺すれば妖魔はその恐怖心につけ入って利用する
『百鬼夜行抄 文庫2』本文より
話しかけられても答えちゃいけない
見なければいないのと同じ事
見えないふりをするんだよ
今市子の『百鬼夜行抄』文庫版1〜2巻を読了。
いわゆる見える人たちの話。
妖怪・妖魔を題材にしたコミックは数あるが、ここまで臨場感あふれるようなものはそうそうないような気すらする。
見えないものが見えることで、より人間と人間の関係、または人間と妖魔の関係が濃く描かれる。
時に恐ろしく時にほのぼの。
そのバランスがなんともよいかと。
世界観の微妙なバランス、人間と妖魔が関わる接点のようなところが描かれるからか非常に繊細な話が多いよなぁ。
話の要素のなにか一つでも欠けると、もうそれだけで話が崩壊しそうなバランスを保ってるように感じます。
あとこの人(?)たちがいないと非常にどんよりしそうな、鴉天狗の尾白と尾黒がいい味出してる。
飼いた…使役したいなぁ(笑
文庫1巻収録:
・精進おとしの客
・闇からの呼び声
・あめふらし
・桜雀
・目隠し鬼
・逢魔の祭
・人喰いの庭
・雨夜の衝立
文庫2巻収録:
・水蓮の下には
・見知らぬ花嫁
・神借り
・言霊の木
・雪路
・花盗人
【コミック】怨み屋本舗 20
栗原正尚
ビジネスジャンプ連載
![]() | 怨み屋本舗 20 (20) (ヤングジャンプコミックス) (2007/10/19) 栗原 正尚 商品詳細を見る |
私は最高のチームを作れた!!
『怨み屋本舗 20』本文より
その点ではみんなに感謝している
ドラマ化もされた『怨み屋本舗』。
20巻にて最終巻。
まるまる1冊因縁の聖福教との戦い。
以前から何度も怨み屋個人と関係があることが分かった聖福教との因縁の対決。
怨み屋と同じ顔をもつ教祖との因縁は読んでいて今まで『怨み屋本舗』で貫かれていたもっとも典型的な理不尽な怨みというものを感じた。
こういう根底・原点となったテーマでも最初から最後まで一貫させてくるとはな…
他にもいくつもの過去の仕事を今回の仕事の道具に利用し、また警察内部の怨み屋を探していた人物ですらも利用する最大の仕事は実に見ものでした。
怨み屋さん自身に対する仕事というのは今回で完結。
しかしまだ最後の最後で伏線をいろいろ残して終わっていったよなぁ(笑
また外伝とかで今回の伏線などが描かれることを期待。
あとは里奈のその後とかは是非とも読みたいもの。
(ドクターは外道すぎだろw 最初からあんなキャラだったけど。それすらもうまいこと利用してる怨み屋はすごいというかなんというか。
【コミック】怨み屋本舗 17-19
栗原正尚
ビジネスジャンプ連載
![]() | 怨み屋本舗 19 (19) (ヤングジャンプコミックス) (2007/07/19) 栗原 正尚 商品詳細を見る |
今回は怨み屋ちゃんの未完成の作戦をあたしが完成させる
『怨み屋本舗 19』本文より
言わば「本舗」と「支店」のコラボレーションみたいなもんね
『怨み屋本舗』を19巻まで読了。
残り1冊。
ラストが近くなってきたことでキャラクターの過去が関わる仕事も増えてきた。
里奈の両親の問題が再び勃発したり、ドクターが怨み屋の仕事に食い込んできたり。
また過去の事件が絡んでくる大きな仕掛けがあったりと、これまで以上に仕事がスケールアップしてきているような気がする。
特に怨み屋の先代の話が出てきた沖縄支店とのコラボの話で感じた。
14巻でも怨み屋の過去がホンの少し表に出てきた。
それからドクターもなにやら怨み屋の過去となにか関わりがありそうなことも示された。
さらに、里奈の両親の話では里奈に跡を継がせようという思惑がありそうな決意をさせたり…
こういった流れを見ているともう明らかにラストに向かっているんだなー、と思える。
しかし本当にあと1冊で完結できるのか…
内容はその時々の事件を思わせるような仕事があるなど、読んでたらその頃にどんな事件があったのかが思い出されるよなー。
あと沖縄は相変わらず地域特有の問題がクローズアップされるので面白いです。
【コミック】増殖フェティシズム
きづきあきら
![]() | 増殖フェティシズム (ガムコミックスプラス) (2006/08/25) きづき あきら 商品詳細を見る |
私の事を大切に想ってくれる人達に真剣に応えるために
『増殖フェティシズム』収録『針とオレンジ』本文より
私はもう一度自分の気持ちを知らなければいけない
きづきあきらの復刊&再編集短編集3冊目『増殖フェティシズム』。
フェティシズムがメインの12編。
フェティシズム。
いわゆる性的な倒錯。
ゆえに人から見れば特異と見えることも多々あるものだと思う。
だけども、ここに書かれているのは他人に理解されない当人たち同士だけが理解しあえるようなフェティシズムが主。
だからだろうか。
前2作に比べてなんかすごい幸せ感が伝わってくるのが多かった (*´Д`)
そもそも恋愛自体がフェティシズムの極地だ(笑、とか言ってみたくもなる。
結局は自分と他人とだけで作り出す世界なんだから、そこには「ふつう」なんてないものだよなー、あなんて再確認させられたかも。
収録話:
・針とオレンジ
・DISCOVERY OF LOVE
・春にして君を想う
・ヤサシイ ユビ
・SWIMMING LOVERS
・バライロ ノ アシタ
・彼女の秘密
・愛する私の…
・まほうのめがね
・恋のたまご
・おくるコトバ
・コバちゃん開発日誌
【コミック】侵蝕プラトニック
きづきあきら
![]() | 侵蝕プラトニック (ガムコミックスプラス) (2006/08/25) きづき あきら 商品詳細を見る |
自分にもう親切にする必要はないって思うんなら誰かに親切にする事で返してよ
『侵蝕プラトニック』収録『SWEET SCRAP』本文より
きづきあきら+サトウナンキの復刊短編集の2冊目。
2冊目の『侵蝕プラトニック』は不思議な要素に心の葛藤を足したをテーマの短編が6編。
収録されてるほとんどの話でなにか「一言」でグサリときた。
かなり暗い話ばっかりなんだけれども、それでも前向きな何かしらの希望が見出せる話が多かったことが救いかも。
特にセクサロイドと機械と生身の話を扱った「SWEET SCRAP」の人ではない性処理のためのロボットを拾ってどう扱っていくかに焦点をあてた話がそういう意味でよかった。
「もの」をどう扱うか。
「もの」は「もの」なのか。
色んな小説/コミックなどでも何度も取り上げられていた話題。
それをおそらくほとんどの男性が持つであろう願望を前面に出したりしながらも、エゴと理想論と現実を真正面からぶつける恐ろしい作品になってた。
こんだけ濃い話を50pでやってしまえたってのが、ある意味でこれは実に恐ろしいことだと思えた。
収録話:
・シロクロ〜願いをかなえたら〜
・SWEET SCRAP
・ココロ・SOS
・Sweet Curse
・死の聲
・未知との遭遇 ファミレス編
【コミック】すんドめ 1
岡田和人
ヤングチャンピオン連載
![]() | すんドめ 1 (1) (ヤングチャンピオンコミックス) (2006/11/20) 岡田 和人 商品詳細を見る |
僕は首輪をした
『すんドめ 1』本文より
それでも僕はまだ彼女とひとつになれる日が来ると思って…
映画化もされた『すんドめ』1巻。
エロというよりもエロくない。
そこに辿りつけそうで辿りつけない。
そのなんともすんドめ感を味わえる本でした(笑
それよりも決して報われない関係を結んでしまった主人公の哀れなのがなんとも。
その子のことが好きである。
それは相手にも伝わっている。
関係を結ぶことは決してないし、相手から好感を得ることすら一切ない。
けれども傍にいることだけは可能という関係。
それならまだアリだとは思う。
しかし、無茶な命令に従わなければ傍にいることすらできなくなる。
なんとしても命令に対しては忠実に実行せざるを得ない。
そんなある種のイヌと呼ばれる存在になってでも傍にいようとするのに憐れみを感じてしまう(苦笑
そういった関係になって、いったいこの主人公は何を目指すというんだろう…



















