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【小説】螺旋迷宮 下

本→桜宮サーガ
01 /19 2009
螺鈿迷宮 下
海堂尊
角川文庫
螺鈿迷宮 下 (角川文庫)螺鈿迷宮 下 (角川文庫)
(2008/11/22)
海堂 尊

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「一体何なんですか、この病院は。僕がきてからもう三人の患者さんが亡くなった。患者なんて十人そこそこしかいないのに、こんなに短期間でこの数は異常です」

螺鈿迷宮 下』本文より

螺鈿迷宮』下巻。

言いたいことはほぼ上巻の感想で書いてしまったし…

まぁとにかく下巻は伏線の回収がすさまじかった。


白鳥という東城大からの刺客や、新聞社のバイトとしてもぐりこんだ主人公の天馬。
その二人がメインでいろいろなものを桜宮病院の実態を目にしてしまうわけだが、それ以上に上巻で語られた内容がとんでもないところで引火していくかのような展開は凄まじかった。

小説の面白さってまさにこういうもののことだよな、と思えた。
もちろん白鳥というチームバチスタで活躍した人物の登場や、同じ世界観を舞台に展開するストーリーも見もの。

なんとなく「チームバチスタ」と「ナイチンゲール」を読んでいたのが、この作品で読んでいてよかったって思えたしなぁ。

また、いつものことながら医療の闇とでもいうべき問題に対する提起の仕掛け方と見せ方も非常に興味深く読めました。

【小説】螺旋迷宮 上

本→桜宮サーガ
01 /18 2009
螺鈿迷宮 上
海堂尊
角川文庫
螺鈿迷宮 上 (角川文庫)螺鈿迷宮 上 (角川文庫)
(2008/11/22)
海堂 尊

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「どうして患者に働いてもらう、なんてことを思いついたのですか?」
「妹のアイディアです。患者は病気を持った普通の人、病気だからといって、普通に生活する権利や生きる楽しみまで奪うのはおかしい、ベッドにくくりつけていたら、よくなる人までも悪くなる、というのが彼女の持論です」

螺鈿迷宮 上』本文より

バチスタ・スキャンダルから1年半経ったとある病院が舞台。

碧翠院桜宮病院。
ここでは政府も見捨てつつある終末医療について取り組む病院。
病気の程度に関わらず、患者自身も働いているというここはまるで生活共同体。
病院には寺としての機能もあり、死が非常に身近な場所でもある。

一見すると現在のニーズに見合っている新しい病院を模索しているように見えるが…
大学生の記者バイトの天馬はこの病院で失踪した男の行方を捜すという依頼を受ける。


現在の末期治療の問題点、経営難がなぜ起こっているのかという問題を提起しながら、物語としての面白さ。
つまりは病院で行方不明になった男、また不審死という謎の魅力が際立っている。

そりゃ病院としてはあまりに特異。
特異だけれども、その経営の仕方には思わず納得してしまう。
いまの医療のあり方そのものが昔のやりかたそのままではどうにも立ち行かなくなってしまっているのではないかと思えてくる。

これだけテレビでも医療問題が次々に取り上げられている現状でこんなものを読んでしまったらなぁ。


帯には「白鳥」とうい名前が堂々と出ていたが、上巻ではなかなか出てこない。
でも、いやこれでも十分面白いじゃないか。
というか上巻まで読んで白鳥が出てくる雰囲気じゃないよなーと思いつつも、途中で登場した彼がどう流れを変えていくのかに期待。

【ミステリ】ナイチンゲールの沈黙

本→桜宮サーガ
10 /14 2008
ナイチンゲールの沈黙 上下
海堂尊
宝島社文庫
ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
(2008/09/03)
海堂尊

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子供と医療を軽視する社会に、未来なんてないわ

ナイチンゲールの沈黙 上』本文より

田口・白鳥シリーズ第2弾『ナイチンゲールの沈黙』。
バチスタ事件から9ヶ月後、彼らは再び再会する。

そして白鳥は相変わらずな奴だったw

ミステリでありながら、医療現場に一歩踏み込んだ内容が非常に面白かった前作。
近作は小児科に焦点があたる。

医療あたる医師や看護師側、そして子供の側視点の描写が非常におもしろい。
現実にまさにありそうなシチュエーション。
一筋縄にいかない小児科ならではの親との問題や術前のメンタルケアの問題など。

なるほどなぁ、と思いながら読んでいた。
時々出てくる「これはないわー」と思える医療の現場の描写も、よくよく考えたらありそうでなんかイヤだ(笑
「極楽病棟」とか「ドア・トゥ・ヘブン」とか(笑

そういう苦笑しがちなものがありながらも、子供たちの直球の本音や成長がしっかり描かれるところも今作で好きなところだ。


まぁでもあくまでこの感想は本筋とはズレたところの感想なのですが(笑
もちろん本筋の歌姫の入院や事件の方ももちろん文句ナシです。

【ミステリ】チーム・バチスタの栄光 下

本→桜宮サーガ
12 /21 2007
チーム・バチスタの栄光
海堂尊
宝島社文庫
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
(2007/11/10)
海堂 尊

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スネイル(かたつむり)にシーアネモネ(いそぎんちゃく)。白鳥の話は知性の地平線を越えて大空に旅立ってしまった。俺はひとり置き去りにされた。

チーム・バチスタの栄光 下』本文より引用

チーム・バチスタの栄光』下巻。

第2章からラストまでを収録。

あまりに変態的な厚生労働省の役人「白鳥」が登場。
田口とともに事件の真相を暴こうとするのだが。
これがまたあまりに変人。
聞き取りに必要なパッシブ・フェーズとアクティブ・フェーズってなんだよw
もはや何がやりたいのか全然わかんねーよ。

言うなれば奥田英朗の伊良部医師よりおかしいよっ、この白鳥(笑

予想外の規格の人物に苦笑しながら読み進めていくと、前半のマジメで謎がさっぱり浮かび上がらない展開と後半の奇天烈な展開に整合性が見えてきだして、真相へ。

事件の謎や現代にある医療現場の裏に潜む問題。
それらを暴き出して、かつ爽やかに幕を閉じる展開にはもはや拍手をしたいくらい。
見事なまでのエンターテイメント小説だった。


あの白鳥役を映画では阿部寛か…
ものすごく合いそうな感じだ。

【映画 チーム・バチスタの栄光
http://www.team-b.jp/index.html

【ミステリ】チーム・バチスタの栄光 上

本→桜宮サーガ
12 /20 2007
チーム・バチスタの栄光
海堂尊
宝島社文庫
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
(2007/11/10)
海堂 尊

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「私は始めからずっと見ていましたが、おかしな点には気づきませんでした。どう見ても単なる医療ミスではなさそうです。何かが起こっている。それが何かわかりません。何が何だかさっぱりわからないんです」

チーム・バチスタの栄光 上』本文より引用

第4回「このミステリーがすごい!」の大賞作『チーム・バチスタの栄光』。
2008年2月に映画化。

チーム・バチスタと呼ばれるバチスタ手術を奇跡の成功率でなし遂げる天才チーム。
しかし、ここのところ連続して失敗を繰り返している。
医療ミスなのか殺人なのか、それとも。
それを突き止めるために院長先生はひとりの医師を派遣する。

なんとも魅力的なテーマな小説。
ミスか殺人か。
上巻だけ読み終わったけれども、なにも分からない。
伏線はたくさん張られているはずなんだけれども、一体なにが問題でこの事件に発展しているのかが謎。

どうも下巻を読まないことにはなにも言えそうにない。


フィクションなのは分かっているけれども、子供に対する心臓外科手術の背景や紛争地域の子供に対する手術に対する各省庁のどたばたっぷりは色々考えさせられる。
実際に小説内のようなことが起こったら世間はどう動くんだろうかとか考えてしまう。
それくらいに「実際」の医療の現場はどうなのか知らないんだよなぁ。


ラストに第2部の最初の1章分を収録するなら下巻に2部以降を収録して欲しかった。
それよりもそんなにページ数ないんだから上下に分けなくても…と思った。
文庫版の作りにちょっとげんなり。

∀ki(あき)

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