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【SF】マリオネット・エンジン

本→西澤保彦
10 /01 2011
マリオネット・エンジン
西澤保彦
表紙イラスト:加藤直之
講談社ノベルス
マリオネット・エンジン (講談社ノベルス)マリオネット・エンジン (講談社ノベルス)
(2009/02/06)
西澤 保彦

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でも……
一旦逆さまになった世界は、そのままなのかしら。
ずっと逆さまになったままなのかしら。
未練がましく地べたにへばりついているものを、ぶら下げたまま?

マリオネット・エンジン』収録『青い奈落』本文より

非ミステリ短編集『マリオネット・エンジン』。
西澤保彦なのにミステリじゃないだと…

これまでにもSF要素を絡めたミステリはいっぱいあったけど、謎解きメインじゃないものってはじめてだったのか。

いやー
だけどもやっぱり西澤保彦らしい後味悪い読後感や、アイデンティティやセクシャルな描写がたくさん。
すごく脳みそが揺らしてくるかのようにひとつひとつの世界観を構築してる。
主人公の存在にしても確固たるものよりも、ひどく曖昧で自分が何者かを問うようなものもいくつかあったし。

非ミステリでも西澤テイストを満足なほどに味わえました。


収録話:
・「シュガー・エンドレス」
・「テイク」
・「家の中」
・「虫とり」
・「青い奈落」
・「マリオネット・エンジン

【ミステリ】収穫祭 下

本→西澤保彦
05 /22 2011
収穫祭
西澤保彦
幻冬舎文庫
収穫祭〈下〉 (幻冬舎文庫)収穫祭〈下〉 (幻冬舎文庫)
(2010/10/08)
西澤 保彦

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十三年前、自分は偽証した。その事実は認めてもいい。いや、もう隠してはおけない。しかし、ではなぜ偽証したか、その詳細を述べるのは大きな苦痛を強いられそうな予感がした。

収穫祭 下』本文より

13年前の偽証からすべてははじまった。
あの時の偽証が発端として1995年の事件が幕を開ける。
そんな下巻。

1982年の事件当日。
そして繭子の1991年の事件までが上巻。
下巻の大部分を占める1995年。

さらには2007年と1976年の出来事も収録されている。

この長い時間にわたる『収穫祭』。
終わらない惨劇とその真相と発端はなんだったのか。

激しいトラウマを負った1982年の生き残りである当時の3人の中学生たちの心は大きくねじれ、明らかな支障を未来にきたしていく。
どんどん狂っていく人生と終わらない82年の惨劇の追撃。
彼らの心の末路とミステリ部分の真相が重なる部分は実に暗澹としたものだった。
どんより。
まさにどんよりという言葉が適切なくらい。

なんて後味の悪い。
だけれども、この壮大な年代記のような体を成した事件の真相のお味は実に極上でした。

【ミステリ】収穫祭 上

本→西澤保彦
05 /20 2011
収穫祭
西澤保彦
幻冬舎文庫
収穫祭〈上〉 (幻冬舎文庫)収穫祭〈上〉 (幻冬舎文庫)
(2010/10/08)
西澤 保彦

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「やられてる。金谷のお婆ちゃんも。それから……電話も」
「なんでだよ」
それまで、なんとか平静を保とうとしていたカンチも、ついに耐えきれなくなったのだろう、顔をくしゃくしゃに歪め、絶叫した。

収穫祭 上』本文より


西澤保彦の『収穫祭』。
集落のほとんどが惨殺される1982年の事件が語られる第1部と、再度事件を検証する1991年の第2部が収録。

生き残った中学生たちが遭遇する身の毛もよだつ体験。
一体誰がなんのために。
なにもわからぬままひたすらに惨劇が続いていく。

その描写だけでも迫力あるもの。
ただ惨殺されていくわけでもなく、登場人物の混乱ぶりや倒錯していくさまは気になる。
彼らはこの後どうしたのか。ただの少年・少女ではいられなくなるような。

それを象徴するかのように9年後の第2部でも彼らの変化は見られたし、この事件をきっかけに何かが明らかにおかしくなっていっている。

ただの惨殺事件の解決だけが終着点ではないような気がしてきた。
いったいどこに向かうのか予想すらできない。

【ミステリ】ソフトタッチ・オペレーション

本→西澤保彦
11 /26 2009
ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿
西澤保彦
講談社ノベルス
ソフトタッチ・オペレーション (講談社ノベルス)ソフトタッチ・オペレーション (講談社ノベルス)
(2006/11/08)
西澤 保彦

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「さっきの様子だと、ここがどこなのかとか、どうしてあたしたちがここにいるのかとかの事情を、あなたも知らないみたいね」

『ソフトタッチ・オペレーション』本文より

神麻さんのシリーズ8作目『ソフトタッチ・オペレーション』。
おお。
前作を読んでからすでに3年が経過していたことにびっくり。
そろそろ文庫版すら出る頃なんじゃなかろうか。

前作と同じように神麻さんや保科さんが主役じゃなく、事件の当事者たちこそが主役の短編や中篇が多い。
なので余計に神麻さんがどうにもかわいく思えるわけです。
そんでもって彼女の作るご飯の美味しそうなことったらない(笑

安楽椅子探偵ものとしても一級品のこのシリーズ。
ひたすら議論して議論して、そんで真実かどうかはさておいてとんでもないところに着地していく。
その日常から非日常へ駆け抜ける感覚がなんとも好きです。

…まぁ西澤作品だけにどよどよーんとして落ち込むような話も多かったけど(笑


そんな中、表題となっている『ソフトタッチ・オペレーション』。
3人の男女が監禁される。
誰に何のためにかも分からず。
かといって緊張感が漂うわけでもなく、トイレも歯磨きもあるし、ベッドもある。
食料も水もある。
ただただ出られないというだけ。

なぜ自分たちは閉じ込められてしまったのか。
もうほんとひたっっすらに語りまくるわけだけれども、青春あり、超がつくほどのフェティシズムすらあふれるすばらしいミステリでした。
もう主人公のある種の変態っぷりがたまらんかったです(笑
それすらも伏線としてしっかり活用できてしまっているあたりが短編・中編の強みだよなぁ。
短いのに濃い濃い。
それがすんごい楽しかったです。


収録話:
・ 「無為侵入」
・ 「闇からの声」
・ 「捕食」
・ 「変奏曲<白い密室>」
・ 「ソフトタッチ・オペレーション」

【ミステリ】フェティッシュ

本→西澤保彦
10 /22 2008
フェティッシュ
西澤保彦
集英社文庫
フェティッシュ (集英社文庫 に 11-4)フェティッシュ (集英社文庫 に 11-4)
(2008/10)
西澤 保彦

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毎朝、起きると朝食前にまず地元新聞の葬儀告知欄をチェックする。それが直井良弘の日課だ。

フェティッシュ』本文より

西澤保彦の『フェティッシュ』。

西澤保彦の作品の中には多くの変格といわれるSF要素を入れたものがあるが、これもそのひとつだと思う。

しかもほとんど内容を言おうにも言えねー。
いや、もうやっぱりすごいわ…

人のもつフェティッシュなところ。
女装や足フェチ、葬儀通いなどなど。
そういう人たちが出会う一人の美少年。

この美少年をめぐって色々あるわけですが、ああもうなんという…
しかしこのなんとも内容を言えないのが残念。

この美少年が絶対あれであれだと思っていたら、こういうことかとっ。

ラスト50ページのどんでん返しにつぐどんでん返しが非常に面白い本だった。
そして非常に人間臭いところだったり、西澤作品らしい後味もGOODです(笑

【ミステリ】パズラー

本→西澤保彦
09 /23 2007
パズラー 謎と論理のエンタテインメント
西澤保彦
集英社文庫
パズラー―謎と論理のエンタテインメント (集英社文庫 に 11-3) パズラー―謎と論理のエンタテインメント (集英社文庫 に 11-3)
西澤 保彦 (2007/09/20)
集英社

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要するに問題はこういうことだ。高築敏郎が刺されたとされる時間帯、アリバイがあるはずの刀根館淳子は、どうしてそれを主張せずに、自分が彼を殺害してしまったと供述しているのか?

パズラー 謎と論理のエンタテインメント』収録の『アリバイ・ジ・アンビバレンス』本文より引用


西澤保彦の『パズラー 謎と論理のエンタテインメント』。
短編が6つ。
集英社文庫版の解説は巽昌章。

収録話:
蓮華の花
卵が割れた後で
時計じかけの小鳥
贋作「退職刑事」
チープ・トリック
アリバイ・ジ・アンビバレンス


今回は難解な名前が意外と少ないな。
それでもいっぱいあったけど。
中でも「谷谷谷谷」という苗字にはぎょっとした(笑
読めるかっ(褒め言葉


西澤保彦パズラー
デビュー作からミステリの中でもパズラーというジャンルを多く出してきた作家だけに見事なものである。

物語がはじまってすぐに浮き上がる疑問。
ふとした疑問からどんどん想像を膨らませていく。

タックシリーズなんかでもよくある無駄とも思えるディスカッション。
色んな可能性を吟味して吟味し続ける。
そうこうしているうちに物語が二転三転四転くらいする(笑

で、いざ核心に迫ってみると('A`) という気分になる。

真実なんか知らなきゃよかったというか、なんとも後味が悪い。
チョーモンインなどにも多いけれども、やっぱりなんかこの後味が悪いってのも西澤保彦風味なんだよな(笑
そういう後味の悪さでは『黄金色の祈り』が一番好き。


謎も読後感も西澤保彦独特の短編集でした。


一番すきなのは「卵が割れた後で」。
普通のミステリならここで終わるだろ、ってところから話がどんどん転がっていくとは…
登場人物同士の濃い関係といい、海外が舞台ならではの演出にさらにひとひねる加えてあるあたりに惚れ惚れした。

【小説】方舟は冬の国へ

本→西澤保彦
05 /30 2007
方舟は冬の国へ
西澤保彦
光文社 カッパノベルス
小説宝石連載
方舟は冬の国へ (カッパノベルス)方舟は冬の国へ (カッパノベルス)
(2004/08/20)
西澤 保彦

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これから一ヶ月のあいだ、あなたたち三人は家族になるのです。他人も羨むような、とても仲のよい夫婦、そして幸せな親子を演じていただきます。完璧に、ね



西澤保彦の『方舟は冬の国へ』。


職を探しているときに見つけた職はかなりいい報酬だった。
1ヶ月間とあるところに滞在するだけ。
しかし、一切の質問はなし。
その仕事では見知らぬ女性と女の子と家族を完璧に演じるというものだった。


1ヶ月間の間、家族を演じる。
けれども、家の中は盗聴されているらしい。
ゆえにバレてはいけない。

そんなこんなではじまる家族の生活。
仲むつまじい夫婦を演じるのだからタイヘン。

相手に気を使いながらいかに仲良く見せるかという序盤からだんだんとお互いに惹かれていくラブストーリーへ…

しかし、西澤作品だけにそんな単調なものでもなく。
不思議なことに滞在している家の中では仮の妻とテレパシーが通じるのだった。
……ってまたしても超能力ものなんかいっ(笑


なぜ、そこでだけテレパシーが使えるのか。
そもそも依頼主にとってこの家族を演じることにはなんの利益があるのか。
時折遠くから覗かれているような感覚は現実?それとも……



最後に仰天の展開がまっているのかな、と思いきやどうやらいつもの西澤保彦のパズラーものではなく、これは…


謎が解けるという意味ではミステリなのかもしれないけど、大人のためのファンタジーといった方がしっくりくる気がする。

普通の家族よりよっぽど仲がよくて、ただの会話ですら心が暖かくなるような物語だった。
テレパシーの謎とこの擬似家族という仕事の謎が解けたあとに待ってる展開が…

西澤保彦はこういうものも書けるんだなぁ。
新たな新境地を見れたのかも(笑
懐かしいSFに触れたようなそんな感じの読後感だった。


いろんな西澤保彦作品に言えることだけれども、女性の心理をなんでこの作者はこうも自然に書けるんだろう。

女性じゃないので女性から見た感想じゃないんだけれども、栄子のような理屈じゃない言い分とか直感的なことって多々あるよなぁ。

方舟は冬の国へ 方舟は冬の国へ
西澤 保彦 (2004/08/20)
光文社

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【ミステリ】笑う怪獣

本→西澤保彦
02 /04 2007
笑う怪獣 ミステリ劇場
西澤保彦
新潮文庫
笑う怪獣 ミステリ劇場 (新潮文庫)笑う怪獣 ミステリ劇場 (新潮文庫)
(2007/01)
西澤 保彦

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えと。つまり。
犯人は、怪獣である。
というより。その。
問題の密室をつくった張本人が、怪獣なのである。
……



西澤保彦の「笑う怪獣」。

連絡短編集。

いい年してナンパにあけくれる三人組が出会う「怪獣」。
誰にも知られてないが確かにそこにいる存在なのである。


まぁ西澤保彦だし、と言ったらそれまでなんだけれども。
怪獣だけでなく、宇宙人(シロクマのあれ)、変身ヒーローに幽霊。

そんな異形な存在に主人公たちは振り回されていく。
けれども内容はなぜかしっかりしたミステリ。

確かにそれらの材料がしっかりと絡んでくる。


今回の「笑う怪獣」では珍しく探偵らしい探偵をする人がいない。
一部の話は除くけど。
本を読んでいくと、なぜ彼らのようなヘンな存在が現れて、事件にどう絡んでくるのかが分かる。
そんな展開だから振り回される三人組のように不思議すぎる現象に読者も一緒に振り回されるような感覚がいいよなぁ。

最後の話までいきつくとなんかこの本の世界に居つきたいと思ってしまった。
続きとか読みたいかも。

笑う怪獣ミステリ劇場 / 西澤 保彦

【ミステリ】生贄を抱く夜

本→西澤保彦
12 /14 2006
生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿
西澤保彦
講談社ノベルス
生贄を抱く夜 (講談社ノベルス)生贄を抱く夜 (講談社ノベルス)
(2004/12/07)
西澤 保彦

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判ります、判りますとも。愛しいひとが頑張っているのを遠めに見守りながら自分も頑張る、これこそが青春でなくて、なんでありましょうや



チョーモンイン7冊目。
8巻「ソフトタッチ・オペレーション」出てるのにあえてこっち。

最後の1編がなかったら終始どよーん、という空気が漂うことになったんだろうなぁ。
西澤保彦の大半のものがそうなんだけれども(笑

今回は主要メンバーでなく、いつものメンバーは完全に脇役。
巻き込まれてしまう当事者たちが主役。


特に「殺し合い」のもうどうしようないラストと「動く刺青」のあまりに意外な超能力の使い方に驚愕。


ミステリにしてはかわいいイラストなのに、どろどろのリアルな人間関係と超能力によって引き起こされる意外な謎解きにどっぷり浸かってから数年。
ついに文庫派から新書派に乗り換えてしまったなぁ。

生贄を抱く夜 / 西澤 保彦

【ミステリ】神のロジック 人間のマジック

本→西澤保彦
09 /09 2006
神のロジック 人間のマジック
Logic of God is Magic of Human

西澤保彦
文春文庫
神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)
(2006/09)
西澤 保彦

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10~12歳の様々な国の子供たちが集められた学校。
なぜ集められたのか。
ここはどこなのか。
学校で行われているのは解答が一つではない「犯人当てクイズ」。
外界から閉ざされたこの施設の存在理由とは。


前半は淡々と学校での生活が描かれる。
そして転校生がやってきてから急転直下怒涛の展開。

あの淡々とした学校生活の中であれだけの伏線を張っていたとは。

なによりも驚愕だったのが犯人が存在しない。トリック自体が現象というところ。
これはすごいわ…

【コミック】6つの箱の死体

本→西澤保彦
05 /28 2006
6つの箱の死体 -タック&タカチの事件簿2-
作画:大橋薫
原作:西澤保彦
サスペリアミステリー連載
タック&タカチの事件簿 6つの箱の死体 (SUSPERIA MYSTERY COMICS)タック&タカチの事件簿 6つの箱の死体 (SUSPERIA MYSTERY COMICS)
(2006/04/28)
西澤 保彦

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西澤保彦のタックシリーズ『解体諸因』と『酩亭論処』からコミカライズ。

もはやどうでもいいことを議論してたらものすごい可能性が出てきてしまった、というミステリ「タックシリーズ」。
えらいタックがかわいいです。
ってかまさか2巻が出るとは思わなかった。

しかしまぁこのややこしい話たちを絵で表すことができたなぁ。

収録作品は以下
「解体守護」
「麦酒の家の問題」
「6つの箱の死体」
「解体譲渡」
「消えた上履きの問題」
「解体迅速」

【ミステリ】リドル・ロマンス

本→西澤保彦
04 /23 2006
リドル・ロマンス 迷宮浪漫
西澤保彦
集英社文庫
リドル・ロマンス 迷宮浪漫 (集英社文庫)リドル・ロマンス 迷宮浪漫 (集英社文庫)
(2006/04/20)
西澤 保彦

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いつもの西澤作品だけどなんか違う。
話の最初から既に事件は終わったあとで、そこから話がはじまる。
探偵「ハーレクイン」のもとを訪れる顧客は望みを叶えてもらう代わりになにかを失う。
それは必ずしも物質などではなく時間や心といったもの。
事件は解決する、少しずつ顧客の心の底を覗いていくように。
それはまるで自分自身の深層心理と対峙しているかのような...。

そんな西澤作品だと思って読んでみたら実は変化球だったかのような本でした。

【ミステリ】黒の貴婦人

本→西澤保彦
10 /21 2005
黒の貴婦人
Teh Lady in Black

西澤保彦
幻冬舎文庫
黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)
(2005/10)
西澤 保彦

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タックシリーズ第3短編集。
飲んで議論して議論して何でもない謎からとんでもない解決へ至ってしまう人気シリーズ。


『招かれざる死者』
ささやかに開かれた飲み会の部屋のチャイムが鳴り、ドアを開けると死体が倒れこんできた。
----------------
動機に((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
現代だからこそ納得してしまうことがもっと嫌


『黒の貴婦人』
先着5名だけが食べることが出来る鯖寿司。
鯖寿司を先着5名で食べられる店は二つ。
ボアン先輩たちはランダムでこれらの店に行っていたのだが毎回見かける人物がいた。
通称「白い貴婦人」。
彼女はなぜ毎回ボアン先輩たちの前に現れるのか。
そしてなぜそこまでして鯖寿司を食べなければならないのか。
----------------
シリーズをずっと追いかけている人必見。
"たかが"と思えるのは他人だけ。
その人にとっては何物にも変えられないことだったりするんだよなぁ。
なぜ「黒い貴婦人」というタイトルなのかを考えるのも非常におもしろい。


『スプリット・イメージ』
四人の女子大生だけで行く都会からずっと離れた地にある別荘への旅行。
別荘の近くで男の刺殺体が発見される。彼は4人の知っている人だった。
なぜ彼がここに?そして別荘の2階へとたてかけられた脚立はなぜそこになければなかったのか。
-----------------
この本の中の唯一の中篇。
人間関係黒ッ。
動機あってのトリックだよなぁ。


『ジャケットの地図』
会長の愛人のような立場で会長秘書をやっていた女性。
会長が残したというジャケットにあるという"宝物の地図"。
しかしそんなものは存在せず…
会長が遺したジャケットに残された痕跡をたどって行くとそこには...
-------------------
死者が遺す意味深な言葉と残された人への想い。
ため息とか出てしまうな…


『夜空の向こう側』
ご祝儀袋に残された謎とボアン先輩、ウサコから見たタック&タカチの関係。
大学卒業後のエピソード。
------------------
タックシリーズのファン必見エピソードその2。
御祝儀袋の方も後味は相変わらず(笑

【ミステリ】人形幻戯-神麻嗣子の超能力事件簿-

本→西澤保彦
08 /19 2005
人形幻戯
西澤保彦
講談社文庫
人形幻戯 (講談社文庫)人形幻戯 (講談社文庫)
(2005/08/12)
西澤 保彦

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神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ6冊目。
第3短編集。
収録短編は
・不測の死体
・墜落する思慕
・おもいでの行方
・彼女が輪廻を止める理由
・人形幻戯
・怨の駆動体

このシリーズは「チョーモンイン」こと「超能力者問題秘密対策委員」の出張相談員たちが
不正に超能力を犯罪に用いた人を摘発していくというものである。
超能力が「ある」世界におけるミステリと単純に考えてOK。

さて、6冊目にして神麻さんや響子ちゃんらチョーモンインのエージェントに怪しげな動きが出てきました。
そもそもチョーモンインという機関は一体なんなのか。
薄れていく記憶の理由はどこにあるのか。
そして主人公のはずの保科さんの影がどんどん薄くなっていく(ぇ

西澤作品のほとんどに言えて、やっぱりこの短編集にもいえるんですが、後味が…。
犯行動機に妙なリアリティがあるというか、人の人に対する愛や憎しみっていうのは
表と裏、非常に近い関係にある感情だよなぁ。

次のチョーモンインの文庫落ちは大分後になる。
7冊目は新書の方で読むことになるかもしれないな。

【ミステリ】夏の夜会

本→西澤保彦
06 /17 2005
夏の夜会
西澤保彦
光文社文庫
夏の夜会 (光文社文庫)夏の夜会 (光文社文庫)
(2005/06/14)
西澤 保彦

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あらすじ
小学校の同窓会に出た「おれ」は当時の仲間と共に昔話に花を咲かせた。
その中に30年前の夏休み、小学校で起きた事件についての話があった。
その時に殺された鬼ババアと生徒から呼ばれていた女の先生。
彼女は一体いつ誰に殺されたのか。
そういったことを議論しているうちに真実は近づいていく。

西澤保彦特有のお酒を飲みつつひたすら議論するという形式。
タックシリーズなんかと似たような感じがしました。
明らかに違う点は主人公たちの年齢が40歳と
年をとっている事。
議論も出来るし、記憶もしっかりとあるけれども
その記憶は朧ろげで自分の記憶が本当に「事実」であるのかが分からない。
自分自身のアイデンティティが揺らいでしまう。
記憶とは自分自身が生きてきた証だが、重要なことさえも忘れてしまう。
何故忘れてしまったのか、忘れるのは印象にないからなのか、
自分の都合のいいように記憶を改竄してしまっているのか。

実際、自分の記憶ほどあやふやなものってないのではないだろうか。


タックシリーズと似たような感じがした、と書きました。
タックシリーズの続きはまだですかーー。
正直なところ「依存」の続きがそろそろ読みたいです。
でも、森奈津子シリーズの続きをひたすら待ってたりしますw

∀ki(あき)

自由に生きてます。
色々読んだり見たりしてます。

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